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長官記者会見要旨(平成26年12月18日)

会見日時等

平成26年12月18日(木) 14時00分~14時35分
於:気象庁会見室


発言要旨

 本日は、火山噴火予知連絡会の2つの検討会の緊急提言、大雪への注意、そして「ひまわり8号」の運用に向けた準備状況、この3点について、まずお話させていただきます。

 まず、火山の緊急提言についてでありますけれども、先の御嶽山の事例を踏まえまして、火山噴火予知連絡会の下に設置された「火山観測体制等に関する検討会」及び「火山情報の提供に関する検討会」が、去る11月28日に緊急提言を取りまとめました。
 「火山観測体制等に関する検討会」では、①水蒸気噴火の兆候をより良く捉えるための火口付近への観測施設の設置、②御嶽山のマグマ活動を把握するための観測強化、③常時監視火山の追加、具体的には八甲田山、十和田、立山の弥陀ヶ原でありますが、これらについて提言がありました。
 また、「火山情報の提供に関する検討会」では、①噴火の発生事実を伝えるための速報の創設、②登山者への情報提供のための携帯端末の活用、③噴火に至る火山活動をあらかじめ想定し、それに応じた防災対応の検討と共有による、気象庁と地元自治体等との連携強化、等について提言がありました。提言結果については、今後、気象庁において、関係機関との連携の上、早急に具体化を進めて参ります。また、検討会については、年度末に最終報告をまとめるよう、引き続き検討を行う予定です。

 次に大雪への注意についてです。
 今シーズンは大雪の立ち上がりが早く、今月上旬は、日本付近に強い寒気が流れ込んだ影響で日本海側で大雪となったほか、徳島県では2名の方が亡くなるなど普段雪の少ない地方でも大雪による被害が発生しました。
 国土交通省では、この大雪等による災害の重大性に鑑み、今後の異例の降雪にあらかじめ備えるため、今月9日に「異例の降雪に対する国土交通省対策本部」を設置し、この冬の間、常設することとしております。
 その後、先週末も北陸地方で所によって日降雪量が1メートルを超える大雪となったほか、16日から17日にかけては、日本付近で低気圧が猛烈に発達し、北日本を中心に暴風雪や大雪となり、本日も西日本から北日本の広い範囲で日本海側を中心に大雪となっております。この間の報道各社の適切な報道に感謝いたしたいと思います。
 このような中、気象庁といたしましては、大雪が予想される場合には、気象情報、注意報、警報等を発表しているところですけれども、以下に述べますような取り組みを進めてまいりたいと思います。
 大きく分けて5点あります。
 一つ目は、大雪のおそれがある際には、1日ないし3日前の段階から気象情報においてその見通し等についてお知らせし、雪の少ない地域、少雪地等では、雨の予報であっても予想より気温が低下すると大雪となる可能性があると判断した場合には、その旨の注意を呼びかけます。
 二つ目として、少雪地では、とりわけ入手可能な雪の観測データが限られるため、自治体、関係機関からの情報入手について、体制や手段を再確認するとともに、新たな入手先確保のための連携・協力を強化いたします。
 三つ目として、従来の情報提供を引き続ききめ細かく行うとともに、少雪地では特に地元の自治体等関係機関に対して適時の丁寧な解説を強化いたします。
 四つ目として、積雪の実況データ等に基づき、地域の特性に応じて異例の降雪、これは普段雪の少ない地域での大雪でありますとか、豪雪地帯であっても極めて急速な積雪の増大等という意味でございますけれども、そういう異例の降雪と判断した場合は、臨時の気象情報を発表し、緊迫した状況を伝え警戒を呼びかけます。また、状況に応じてでありますけれども、本庁においては緊急の記者会見により一層の警戒を呼びかけることとしたいと思います。
 最後ですけれども、五つ目として、大雪が降った後の雨の加重により、カーポート等の建築物やビニールハウスの倒壊のおそれがある場合には、気象情報で警戒を呼びかける取り組みを開始します。これは、国土交通省住宅局でありますとか、農林水産省との連携等によるものです。
 気象庁といたしましては、まずはこのような改善を、できるだけ速やかに進めたいと考えております。
 なお、このような改善を進めるうえで、最も重要なのは、技術的基盤となる雪の予測精度向上に向けた取組です。このため、降雪量の実況解析技術の開発、数値予報モデルの開発改良、予報官の技術力向上というものを着実に進めてまいりたいと思います。このような情報を広く一般の国民の方々に活用いただくため、報道機関の皆様のご協力もお願いしたいと思います。
 また、持続する冬型の気圧配置による日本海側の大雪につきましては、大雪の始まるおよそ1週間前の段階で「大雪に関する異常天候早期警戒情報」を発表して、大雪の可能性が高まっていることをお知らせします。自治体等や関係する機関においては除排雪等の計画的な実施といったことに、有効に活用していただきたいと考えています。
 これからが本格的な雪や暴風雪の季節です。雪下ろしや除雪等における事故、交通障害、さらに冬山での遭難などを防ぐためにも、気象台が発表する大雪や暴風雪等の警報等に十分注意いただいて、万全な対策をとっていただきたいと思います。

 次にひまわり8号についてです。
 本年10月7日に打ち上げられた「ひまわり8号」につきましては、その後の軌道上の試験も順調に進んでおりまして、本日、初画像を取得いたしました。現在画像の解析を進めておりまして、本日夕方にも報道発表を行う予定であります。
 「ひまわり8号」の高い観測能力を十分に活用し、国民の皆様の安全と安心に、より一層貢献するため、引き続き、来年夏頃に予定している運用開始に向けた準備を着実に進めてまいります。

 最後に、毎回お願いしております「東北地方太平洋沖地震」の余震への注意についてです。
 余震活動は、全体的には次第に低下してきているものの、本震発生以前に比べると活発な状況が当分の間は継続すると考えています。今後もまれに強い揺れ、さらには津波を伴う地震が発生することもありますので、引き続き注意をお願いいたします。

 私の方からは以上です。


主な質疑応答

Q いま雪が降っているところ、降ったところの住民に対して、改めてどのような注意が必要かお聞かせください。
A まだ現在進行形でありますけど、発達した低気圧が北海道付近にあります。日本付近は強い冬型の気圧配置が続いております。このため、今日の夕方にかけて、北海道地方では見通しが全く利かない猛吹雪に厳重な警戒が必要です。また、今日18日は全国的に風が強く、北日本と、東日本では雪を伴って、非常に強い風が吹く見込みであります。また、北海道地方と東北地方から西日本の日本海側では、平地を含め大雪となる恐れがあります。太平洋側でも、名古屋のように、雪雲が流れ込んで積雪となるところもある見込みです。また、北日本と北陸地方の海上は猛烈な時化となっておりまして、北日本の沿岸は高潮の恐れもあります。注意することが、非常に多いのですけれども、暴風や暴風雪、高波、大雪、高潮に厳重な警戒が必要です。雪崩や落雪、路面の凍結、電線・電柱・樹木の着雪による停電や倒木、除雪作業中の事故、落雷や竜巻等の激しい突風にも注意していただきたいと思います。こういう状況でありますので、気象台が発表する注意報や警報、気象情報に充分留意していただきたいと思います。

Q 火山の関係で教えてください。一つは、さきほど緊急提言については早急に具体化するというお話がありましたけれども、例えば来年度優先して、いくつかメニューに盛り込まれていたかと思いますが、何かあるかどうか。なかでも水蒸気爆発の関係で、火口付近の観測体制はお金もかかることだとは思いますが、その進め方でイメージがあればお願いします。
A 具体的に申せる段階では無いのですけれども、各火山において、提言を受けてどういう観測体制が必要かというのは気象庁側で検討しております。それの実現に向けて、鋭意努力していきたいというのが、現時点で申し上げられる最大限のことであります。

Q 提言の中で御嶽山が書いてありましたが、優先して盛り込まれるとか、そういったご予定はありますでしょうか。
A まず各火山共通するものとしては、水蒸気噴火の現象をこれまで以上に的確に捉える、という視点でありますけれども、御嶽山についてはまだ噴火活動が現在進行形でありますので、このまま収まっていくのかそれとも、このあとマグマ活動が活発化するのかという点も留意していきたいということで、特出しして、御嶽山について提言を受けたものと考えています。

Q これを受けて、すぐに気象庁として来年度なにかやっていくとかお考えでしょうか。
A 具体的にいつというのは申し上げられませんけれども、提言を具体化するのが我々の役割と思っています。ただ、整備するにはそれなりのお金もかかりますし、お金をいただいたとしても、整備するには相当の時間が月単位でかかると思いますので、具体的にいつまでにそれを実現するかというところは、現時点ではなかなか申し上げられないというところです。

Q 地元自治体との連携という部分ですが、具体的には火山防災協議会とかああいう仕組みになると思うのですが、一般的に協議会の役割ですとか、今回のを受けて、役割が増してくるのかなと思うのですが、その役割について期待といいますか、一般的な部分で一点と、もう一つは個別の話しで恐縮ですが、下げ方についても地元で考えてもらったが良いのではないかというのが提言のなかで盛り込まれていたのですけれども、御嶽山については下げ方が難しいとおっしゃっていましたが、地元で下げ方を考えてもらうことの意味合いといいますか、メリットといいますか、その方が進めやすいというのは、なぜそういうふうになるのか。
A 地元で考えられている、こちらは知らないとか、言い方が難しいですけど、そういう意味ではなくて、防災協議会を含め、火山活動について地元と共通の理解を持つ、ということです。まずは上げる方でいいますと、例えば今、異常があったときに、今後どういうことが考えられるか、というのを色んなパターンを、シナリオというと何か結果が見えているようなことに火山防災対応手順という言い方は新しい言葉を作って、提言されておりますけれども、要するに色んなパターンがあって、今後どういうことが起こりうるのかというのをまず、色んなパターンを共通認識として持とうと、そのなかには当然上げていくほうだけではなくて、下げていくほうについてもこういう状況になったら下げる方向にいくとか、そういうところも共通の認識として持っておこうと、最終的に評価については幅広く、火山噴火予知連絡会、気象庁、気象庁自身も当然レベルを上げなければいけないのですけれども、評価のプロセスをしっかり作り上げて、これは緊急提言では今後の課題として、年度末までの最終提言といいますか、最終報告までに具体化しようとしていますけど、その評価というのをしっかりやると、その評価のプロセスを明確化しておくということを、しっかりやっていく中で、上げる方向も下げる方向も、専門家の中でも当然考えるし、その中に、火山防災協議会を始めとする、地元の方にも共通認識としてもっていただくと、それのツールとして火山防災対応手順というのを作って、双方のといいますか、専門家と地元の防災協議会との共通認識を持ち、その活動を出来ればさらに活性化していきたいというような思いです。

Q 共通認識を持ってもらうことの意味合いといいますか、つまり気象庁だけで判断しなければいけないと、これまでなってしまっていたというような気がするのですが、そういうことでは無いのですか。
A 共通認識というのは、実際規制とか対策をとっていただくのは地元でありますので、今どういう状況にあるのかというのを、共通認識を持ち、早め早めの準備をするとか、そういう面で共通認識を持つことは非常に重要だと思います。

Q 御嶽山の現状の認識と、レベルを下げるかどうかの見通しは、先月もお伺いしましたが、現状どのような見通しでしょうか。
A 徐々に火山活動自体は緩やかではありますけど、低下傾向にあるというふうにみております。今後、この状況がもう少し続くようであれば、噴火予知連絡会の専門家の皆様のご意見を伺いつつ、それを参考にしながらレベルの下げ、あるいは規制すべき範囲の縮小ができるかどうかというのを検討していきたいと思います。

Q 時期的にはどうこうとかはいかがでしょうか。
A 残念ながら、時期はまだ申し上げられません。先月も、その前も申し上げたように、活動自体は徐々に低下傾向にあるという認識ではあります。ただ、すぐそれをもって噴火警戒レベルを下げるとか範囲を狭めるとかいう判断にはまだ、それを時期を明示する段階には来ていないと思います。

Q 先般の十勝岳ですとか、他の山でもここのところ引き上げというのが目立っているのですが、これは従前どおりの基準でやっていらっしゃるのか、あるいは御嶽山のことがあったので、出す基準を緩和しているようなイメージがあるのですが。
A これまでどおりの考え方で、それぞれの山でどういう状況になったら噴火警戒レベルを上げるというのは目安があって、それを総合的に判断して、現在の観測データと過去の活動履歴等を踏まえて総合的に判断するという考え方で、特に、基準を緩めてということは行っておりません。たまたま例えば十勝岳で言うと、割りと長い期間をかけて緩やかに活動が上がっている。その中で、今回、もう上げなければいけないという事態になったと、吾妻山ではご案内かもしれませんが、34分に渡る微動が発生し、なおかつ傾斜計に変化が現れ、地震活動も多い状態が続いているというところで上げる判断をしました。これは従前どおりの判断基準に従ったものです。

Q 御嶽山のレベルを下げるのは、随時考えていくというということでしょうか。何か考えるタイミングが具体的に考えていらっしゃるとかそういうわけではないでしょうか。
A 前から申し上げております通り、下げる方はなかなか難しいですし、上げる方ほど緊急性が、ある意味、ない面もありますので、幅広く、専門家の意見を聞いて判断したいと思っています。そういう機会を具体的にいつにするかというのは現段階では考えている段階ではありません。

Q 現在、年は越すのではないかみたいな感触を言っておられたと思うのですが、現在どうでしょうか。
A そこの見方には変更ありません。

Q 年は越すのではないかという感じで、それくらいのスパンで。
A 月単位のスパンで考えております。

Q 下げるに当たって、防災協議会の話しが出たのですけれど、下げた場合にこういう対応を取ろうとか、具体的に御嶽山で下げるときに地元の協議会がどう考えているかとか、下げたときに活動が活発化してきたときに、どういう連絡体制取るとか、社会的な要素も加味して、下げる方も考えていくということでしょうか。それとも純粋にその活動のみでしょうか。
A 基本は活動だけです。噴火警戒レベルというのは社会的な影響範囲を考慮しながら、例えばレベル3とかレベル4になると山麓とか、居住地という、それは社会的要素が当然入ってきます。社会的要請が高いから下げるとか、という話ではないと思います。

Q 今4kmの範囲を、2km にするとか3kmにするとかですね。
A それはあくまで活動レベルを加味して、今後危険な範囲を判断して、狭めてもいいとなれば狭めるということです。

Q あくまでも活動レベルなんだけれども、地元とも情報共有しながら進めていくと、そういう解釈でよろしいでしょうか。
A 地元の理解は当然得る必要があると思います。

Q 理解も得ながら、判断は観測の状況によると。
A 基本的には活動状況を総合的に判断するということになります。

Q 火山の話で、また時期の話で恐縮なのですけれども、最近いろんなところが活発になってきて、私たちも原稿を書いたりするときに、レベル1平常という表現は、今はまだそういう状況になっているので、使わざるを得ないところもあったりですとか、下げるというときもまたレベル1に下がったりすると、それを書くときにどう表記するのかという、現実的なそういう問題もあったりですとか、実際まだ雪なので事実上入れないところもあると思うのですけど、これが雪解けで、また春になってシーズンが来ると登る人も出てくると考えると、観測体制は先ほどおっしゃっていたように、準備に時間がかかりますし、情報もなかなか一筋縄ではいかないと思うのですが、とはいえ、ある程度のタイミングで変えていかないと、いつまでもズルズルとしようというわけにはいかないと思うのでその辺りどのようにお考えかということをもう一度お願いします。
A なかなか時期をいつまでにということは申し上げられない。決意表明的なことを言うのは勝手なのですけど、おっしゃるように、雪解けして山に入れるまでに一定の方向性を示せればいいなというのは私の個人的な思いでもあります。

Q 提言の中にも変えましょうということになっていて、時期は申し上げられないと、やりかたとしては、専門家に事務方で案を示しながらも専門家の意見も聞いて、今おっしゃったように、フォローにはこれという言葉を示す、という感じになるのですか。
A 専門家と気象庁の間だけで決める話しではなく、ご存知とは思いますが、内閣府ですとか総務省消防庁とか地元も絡んでくる話ですから、どういう表現が適切で、活火山の通常の状態の危険性がある程度しっかり正確に認識されていく、適切な表現というのは何か、というのは関係機関と相談しながら決めたいと思っていますし、そこは鋭意進めたいと思っています。現在進行形かと言われると、まだ、庁についたばかりかもしれませんが、こういう緊急提言がされたことを当然伝えてありますので、伝えた上で、どういう場で協議して合意に至っていくかというまだ、道筋を具体的に示せる段階では無いので、時期も言えなくて、自分の思いしか言えないという、今はそのような状況です。

Q 時期というところで、ぱっと今のお答えを伺うと、春先みたいな、もちろん春先と書くわけではないですけど、そういうイメージが沸くのですけれど、今のお話だと、結構調整も要るので、必ずしも春先にできるかどうかもまだちょっと。
A まだそこはいま私の思いしか言えません。そういうゴールが見えているわけでは全然ありませんので。

Q まだ議論の最中のこととか、お金の問題もありますし、実際に工事してみないと分からないこともあると思うので、ただ、いつぐらいまでにというのは逆を言うと、年度末くらいになってくると、だいたいその道筋だったりとか、ここの山であればこれくらいを目途にとか、というものは年度末くらいには段々見えてくるものなのでしょうか。
A 徐々に見えるようにしたいと思います。特に観測体制の強化というのは先ほども申しましたように時間もかかる話しですし、特に標高の高い山ですと、作業できる時間も夏場に限られていますので、春先を逃すともう一年先になるようなそういう話になってしまいますので、なるべく早く具体化したいと思っています。

Q 提言の中では火山速報(仮称)という名前でしたが、ああいうものが出てきたときに最初に思ったのが、噴火の観測報もありますし、途中の変化の過程については解説情報という情報があるなかで、今後火山の情報体系を整理するお考えはありますか。
A 検討会の中でもそこが議論になりまして、なんとか合意できたのが登山者を含め噴火の事実をいち早く知らせることは出来るし、意味はあるというところまでは来ています。今、仰られたように情報が増えればいいというではなく、デメリットもあるかもしれないですし、既存の情報をどう活用するか、役割をどう分担するかというところは今後も議論しなければならない、というのが検討会での認識です。

Q それは長官としても同じ認識でいらっしゃるということでしょうか。
A うまく役割分担は出来ると思いますけれども、無駄な情報は作りたくないというのは皆さま同じ考えですし、無駄どころか邪魔をするような情報は作ってはいけないというのは当然のことなので、方向性としては間違ってないと思いますので、そこはしっかりしたものが議論の末に出来上がればいいなと思っています。
 もう一つは、議論があってなかなか合意できなかったのは、例えば地震が起きた、ではそれで、と言われたときに、「伝えられた側はどうしたら良いか分からないじゃないか」とか色んなことがあって、技術的なものもあるわけです。後から見て「あれは意味があるデータだった」と言っても、噴火する前の段階では分からない、そういうものを伝えて本当にいいのかという議論があったので、今回緊急提言にはそこまで盛り込まれずに今後に向けて検討するということになったと理解していますので、気象庁としてはそういう技術的な背景も議論いただけるようなデータを準備して、中身のある議論を出来れば、と思っています。

Q 火山の関連で、緊急提言についてですが、火口近くに観測を充実すると出ていて、水蒸気爆発を勘案しながら進めていくということだと思うんですが、火口近くに地震計とか付けると壊れやすいとか、メンテナンスも大変だったりして、今後維持管理が長期的に課題になると思いますが、その辺りの課題認識はいかがでしょうか。
A 仰るとおりで、今までもなかなか観測機器を100%稼動状態にしておくというのはそう簡単なことではないし、今回新たに追加する観測項目も、観測自体も難しいという、そういうものも含まれておりますけれども、そこはもうチャレンジするしかないし、最大限、観測維持を頑張ってやっていきたいと思っています。

Q 気象庁の観測機器に限らず、大学や自治体とかも付けたりしていて、そういうのも情報として集めてきているんですけど、なかなか維持が難しく気象庁だけのメンテナンスでいけない部分があったりして、もっと総合的に自治体や大学が管理するものも含めて、考えていかなければいけないと思うんですけど、その辺りを一元的にやっていこうというようなお考えはありませんか。
A まだそこまでは考えていませんが、これまでの延長になるかもしれませんが、他機関についてはそれぞれの機関の設置目的に応じて運営していただくしかないのですが、実際にデータをリアルタイムで頂いている場合が当然多いので、それについてはこちらで常時監視しておりますので、稼働状況をこちらで把握して、仮に欠測していればお伝えをして、出来ればその欠測、障害を復旧していただくという情報提供をして、みんなで協力して、ということはこれまで以上に頑張っていきたいと思います。

Q 今日が今年は最後だと思いますので、この一年を振り返られてかなり災害の多い年だったと思いますが、どのようにお感じになったかということと、自分が取材していて気象庁が果たす役割はすごく大きいなと、期待も大きいですし、その分やらなきゃいけないことも沢山あって課題も一杯あったと思いますが、その辺りについてはどのようにお考えですか。
A 仰るとおり、災害が多い一年だったと思います。中でも8月の広島の土砂災害と、9月の御嶽山では多くの方が亡くなられたということで非常に残念でありますし、気象庁側の技術力の限界を超えてしまったといいますか、こちらの情報で人命を救えなかったというところは非常に重く受け止めております。一番には、広島の場合で言うと局地的豪雨に対する予測が難しいという中で、どういうことが出来るのか、出来たのかということを真摯に振り返らなければならないと思っています。当然、予測技術の向上でありますとか、こちらが発表する情報、警報等の防災情報の改善というものは進めていかなければいけないのですが、予測技術の向上というのはなかなか時間がかかるものですので、今の、現状の技術の中でどういったことが出来るのかということも考えていかなければならないことで、それは情報の改善ということになると思いますが、御嶽山も同様でして火山学的に言えば小規模の小さな噴火であっても、あれだけ多くの方が亡くなられるという状況を目の当たりにしている訳ですけれども、噴火予知技術という意味では火山噴火全体が全て完成した技術という訳ではありませんが、特に小規模な水蒸気噴火を予測するのは非常に困難であると。しかし今回、緊急提言を受けて少しでも改善していきたいと思いますし、現状の技術の範囲外であっても先ほど申しました火山速報(仮称)といった情報の提供の仕方を改善することによって、犠牲者や災害の被害を少しでも減らす、という努力を続けていかなければならないと思っています。
 一方で、一年を振り返りますと先ほど申しましたひまわり8号という新たな武器といいますか、そういったものを与えられる訳ですので、これまでに無い非常に高頻度で高解像度のデータが得られますので、それを最大限活用して、技術の向上に努めてまいりたいと思っています。

Q 火山の緊急提言のところで、お金がかかるものについて、気象庁マターのものは今後の新年度とか補正等で、提言を受けたものは原則予算要求していく形になるんでしょうか。
A 実現できるかどうかは別として、そういう努力をするのは当然、気象庁の義務だと思っています。

Q 他省庁マターの部分については、どういう形で反映させていくんですか。
A 検討会には、文部科学省ですとか、関係する機関が入っておりますので、緊急提言は関係の機関も受け止めていると考えています。


(以上)

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