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長官記者会見要旨(平成26年11月20日)

会見日時等

平成26年11月20日(木) 14時00分~14時30分
於:気象庁会見室


発言要旨

 本日は、今後の火山対策の検討状況について、まずお話させていただきます。

 前回の会見の際にもお話しましたけれども、9月27日に発生した御嶽山の噴火災害を踏まえまして、火山噴火予知連絡会のもとに設置している「火山観測体制等に関する検討会」と「火山情報の提供に関する検討会」、この二つの検討会において、今後、水蒸気噴火を考慮に入れた観測体制の強化でありますとか、登山者等への火山情報の迅速かつ的確な伝達方法等について検討を進めているところです。まず、「火山観測体制等に関する検討会」ですけれども、10月23日と11月12日に会合を開きました。水蒸気噴火の予測のために必要な観測手法でありますとか、観測施設のあり方、御嶽山の今後の観測体制、常時観測火山の見直しについて議論を行ったところです。
 また、先日11月12日に報道発表しましたとおり、気象庁では御嶽山の総合観測班の一環として御嶽山の山麓に遠望カメラとGNSS観測装置を各1点ずつ臨時で設置し観測を開始しております。もう一つの「火山情報の提供に関する検討会」の方ですが、10月27日と11月19日、昨日ですが会合を開きました。ここでは、分かりやすい情報の提供でありますとか、伝達の方法について議論を行ったところであります。いずれの検討会においても、11月末に開催予定の3回目の会合におきまして緊急提言という形で取りまとめていただきまして、速やかに公表したいと考えております。火山については以上でございます。

 最後に、毎度申し上げておりますが、「東北地方太平洋沖地震」の余震についての注意です。
 余震活動は、全体的には次第に低下しておりますけれども、本震発生以前に比べると活発な状況は、まだ当分続くというふうに考えております。今後もまれに強い揺れ、さらには津波を伴う地震が発生することがありますので、引き続き注意をお願いいたます。

 私の方からは以上です。


主な質疑応答

Q 先ほど予知連の2つの検討会のお話しがありましたけれども、そのなかの議論で例えば火口カメラの設置ですとか、火山専門家の育成ですとか、火山現象に変化があった際に、機動班を直ちに出動させるとか、気象庁側の取り組みとして、そういうお話が出ていたと思うのですけれども、そういった新たな取り組みとか、そういった期待の声も委員のほうから上がったと思うのですけれども、そういった声にどう応えていくのか教えてください。
A まず観測の方で言いますと、今回の御嶽山の噴火は水蒸気噴火で、規模としては比較的小規模であったにも関わらず、大きな災害になったということでありますので、まず水蒸気噴火を早期に捕らえることを念頭に置いて、そのためには火口周辺に監視カメラでありますとか、広帯域地震計や傾斜計などを活用した監視体制の強化が必要ではないか、というご議論をいただいているところです。気象庁といたしましては、いただいているご意見を具体化する、具体的な強化策としてまとめていくための検討をしてまいりたいと考えております。機動班の件ですけれども、これまでも活動に異常が見られた場合には臨時に、平常の状態でも計画的に機動班を派遣して調査観測であるとか、緊急観測というのを行ってきているのですけれども、それをもう少し丁寧にやっていくべきだろうというご議論をいただきました。我々としてもその通りだと思いますので、これについても実施していきたい、検討していきたいと考えております。情報の方でいいますと、登山者ですね、実際に山に入っている方にどう伝えるかというのが今回の課題の一つだと思いますので、起こった現象をいかに端的に迅速に表現し、それを実際に山に入っている方々にもどう伝えていくかというところについて、自治体との連携も含めて、議論を進めてまいりたいと思います。

Q 機動観測班を増やすべきだという議論が昨日あったときに、結局、専門家が足りないという話になって、大学側の方は、研究をほったらかして気象庁にずっと常駐するというわけにはいかないと。そうなると、やはり職員の方でという話しになるのですが、御嶽山の噴火の経緯をみてもそうですが、2~3年に1回噴火するのであればいいのですが、そういうわけではなくて、5年10年というようなそういう単位で噴火が起きるという、それがあちこちで。一方で、桜島みたいに恒常的にやっているものもある。単純に人を増やすと、普段仕事がないということもありますし、かといって専門家がいないといざというときの対応ができない。そういう時に人事のローテーションですとか、雇用のあり方に踏み込むのかどうかあれなのですが、いずれにしてもそういうような長期的な状態に対応できるような専門家の確保の仕方というですね、それをどう考えていくかをお願いします。
A いかに基礎的な知識を修めた学生を採用するかというのがまず一つあると思うのですけれども、気象庁の職員の分野ごとの人数構成と比較して、火山を専攻した学生が入る率がここ数年高くなっています。そういう方を採用した上で、気象庁には気象大学校がありますので、気象大学校で色んなレベルの研修をやっています。その中で、今お話にもありました、桜島で実際に人を集めて、活発な火山のところで現地研修をやるとか、色々工夫をしながら職員の専門知識や技術の向上を図っているところです。もう一つは人事のローテーションというお話がありましたが、基本的には大学や大学院で修めた専門分野を極力生かすように、考慮はできる限りやっているつもりです。常にそうできるかというとそれはなかなか、色んな分野に有用な人を配置しないといけないということもありますので、必ずできるというわけではないのですが、そういうところは考慮しながらやっております。ただ、2~3年のローテーションを5年10年にしたからといって、噴火のサイクルはもっと長いわけですから、御嶽山は今回たまたま1979年以来、35年振りですけれども、他の山でも例えば有珠山でも三宅島でも20~30年に1度というような、割と活発な火山でもそういう状況ですから、採用から最後までその人を張り付けたからといって、その間に噴火するとは限らないので、何も活用できないまま終わってしまうということにもなるので、基本的には各地の火山監視情報センターで色んな火山を担当して技能を積み、研修を色々工夫しながら活発な火山で実地体験をしながら、というようなところを極力工夫してやっているところです。こういうところを今後も地道に継続的にやっていきたいと思います。

Q 一番の問題は、今の議論というのは人の絶対数を増やすことを求められているという点にあると思うのですが、元々予算なり人員なりの縛りが厳しいなかでですね、どう工夫するのか教えてください。
A 人員については、火山業務の重要性をご理解いただいて、ここ何年くらいで見るかによりますけれども、全国的には担当者の数は増やしていただいております。あとは質をどう上げていくかというのは、先ほどのような、大学校等の研修を活用するというようなところで、全体の技量・専門知識等を高めていくという取り組みだと思います。

Q 先ほどの情報の登山者への伝え方というところなんですけれども、昨日も検討会でですね、一つは火山速報という言い方で、その言葉はどうなるかは別としてレベル1の段階でも、レベル2とかに上げる前でもですね、情報は出していくと、そこは一致したというようなことを藤井座長は仰っていたわけですけれども、気象庁側としても、そこはそういった情報の提供の仕方、早めに出すということをやっていくというところではですね、昨日の議論を踏まえてそういう方向でいいのかどうかというのを教えください。
A 昨日の議論では完全にまとまりきっていないというか、速報的に現象の急変等を伝えることは、意味があるといいますか、そういうことをやるべきだというのは基本的には合意されていると思うのですけれども、あとは既存の情報をうまく活用するのか、新たにそういう今おっしゃったような、仮称としての火山速報みたいなものを新たに作るのが良いのかというところは、まだ議論が残っているところと思います。そこは3回目の議論を踏まえて、それを受けて気象庁として対応して行ければと思います。

Q もう一点ですね、先ほど登山者への伝え方というところでいうと、昨日も方策、案は色々と出るのだけれども、予算のところも絡むので検討会としてはなかなか色んなことが言いづらいという話もあったのですが、気象庁側としてどの程度、力を入れるのか、予算面になるのですが、意気込みになるのかも知れませんが、どういう風にお考えでしょうか。
A 関係機関と協力してということが一つありまして、気象庁としてはまず、既存の伝達手段を極力活用するというのが一番だと思います。いま、山の上でも、季節によっては、携帯が通じるようになっているというふうに聞いておりますので、まずは登山者の個人個人の携帯にどう伝えるか、色んなサービスもあるようですので、そういうものをまず活用できるところから、既存のものはそれを活用すると、それで足りないものはどうするかというのは今後、関係機関との色んなご議論、ご検討になるのだろうと思います。

Q 気象庁単独でやってくれというのはなかなかやりづらいでしょうか。
A そこまではなかなか、手は出しづらいと思っています。

Q 予知連の火山観測の検討会で、今月出される提言の中にですね、常時観測する火山を3火山増やすという方向で、話しが進んでいるようですが、実際に気象庁としては提言されて以降、いつを目途にとか予算面とか人の面とか色々あると思いますが、その辺の検討状況、見込みはいかがでしょうか。
A これから、色々な議論をされているのを意識しつつ、提言を受けたら、関係するところにご相談しながら、実現に向けて努力すると、いうところで、いつまでにというのはここではお約束できませんが、実現に向け努力したいと思います。

Q 携帯電話の件なのですが、名称はともかくとして、緊急地震速報みたいな、プッシュ型のですね、要するに「噴火が起きましたよ」ということをそのエリアの携帯に一斉に伝えるというような仕組みを考えて、キャリアの協力を得てということでしょうか。
A いわゆる緊急速報メールにできるか、それとも自治体が多くのところでやっていただいている防災メール、登録型ですよね、そういうのが良いのか、とにかく実現できるところから、取り組んでいくべきだろうと思います。

Q 今やっている検討会でまとめられた提言の中身は、色々議論されている話を聞くと、なかなか気象庁だけで出来る話ではなくて、当然、文部科学省であったり内閣府であったり、色んなところが関係すると思うのですけれども、そういう意味で中央防災会議のワーキンググループとか今後あると思うので、そういうところに意見を出していくというのは、お考えですか。
A どういう議論がされるか分からないのですけれども、緊急提言をまとめる意味の一つとしては、そういうところへの、インプットの一つになる、ということを期待している面があると思います。

Q 気象庁の人員の話なのですけれども、長官の認識ではですね、人は足りているということになるのでしょうか。センター化をしてうまくきちっとやればできるということでしょうか。
A そこは、もし観測体制を強化したり、新たな取り組みをした場合に、新たに人員が必要かどうかというのは充分検討のうえで、もし必要となれば、当然要求していく、増員の実現に目指すということになると思いますが。提言をいただいて、その上でよく精査してということになると思います。

Q 機動観測班をもう少し丁寧に行っていくべきだという意見が出ていて、それはそうだし、気象庁としても行いたいと仰いましたけれど、まずは丁寧に行うという意味なんですけれども、もう少し噛み砕いて教えていただいてもよろしいですか。
A 今、センター化して現地で観測した色んなデータが専用線でテレメータされて、例えばここ東京で御嶽山は見ていますけれども、私が若い頃と比べれば非常に充実してきております。ただ、火山というのは表面現象といいますか、噴気の状況とかガスとか、色んな現象が表面に現れることがある自然現象ですから、現地に行って確認して分かることもあるだろうと思います。今、テレメータ出来ない難しい観測種目も実際ありますので、何か地震等で変化があったときに確認のために他に異常がないか、行って確認してくるというのは重要だと思います。その結果、判断が変わるかどうかは分かりませんけれども、今回の場合は変わらなかったんだろうと思いますけれども、それでもそうやって常に現地を確認するということは非常に重要だと思っていますし、これはこれまでもやっていたことですから、それをしっかり意識して、丁寧に、これまで通りにというか、これまで以上に丁寧にやっていく、という意味です。

Q 蔵王山ですけれども、微動が増えているという話がありますけれども、これまでの入っている情報を教えていただけますか。
A 活動状況については火山の状況に関する解説情報でお知らせした通り、ちょっと大き目の微動があり、その後にも2回微動があったということで、傾斜計にもわずかな変化があったということで、活動の状況としてはその二点ですけれども、それに対する気象庁の対応としては機動班を早速現地に派遣しているはずです。ご存知のように道路はもう閉鎖されているので移動手段が難しいということもあり、陸自の方にお願いをしてヘリコプターを出してもらって御釜、及びその周辺について上空からの目視と熱赤外観測を実施するということで、13時に基地集合とのことですので、今まさにやっているところだと思います。

Q 御嶽山の噴火警戒レベルで改めて確認ですが、引き下げについて検討の方はいかがでしょうか。
A 徐々に活動が低下している傾向にあるというのは変わらないです。その後また活発化ということはないという状況ですが、まだ下げる判断をするには手がかりといいますか、有力な判断材料がないという状況ですので、時間をかけて様子を見て徐々に安定していくのを待つというところで、先月とは変わらないのですが、まだそういう判断をする状況にはないということです。

Q いつまで見るとかありますでしょうか。
A 一応、月単位で見ていくしかないというのが火山の専門家の方々もそういうご意見ですが、私もその通りだと思っております。

Q 今、火山の検討会をされていて、火山の観測体制を強化するということと、情報をどう出すかという話がされていると思いますが、同時に沢山のデータが入ってくるようになったときに、そこからどう活動を評価してどういう情報に繋げていくのかという、その評価の部分が大事ではないかと思いますが、例えば今回の御嶽山のケースを気象庁内部でどういう評価を行われたのかということの検証ですとか、今後別の山で沢山のデータが入ってきたときにそれをどう処理、評価していくのかという点について、今の時点で何かお考えはありますか。
A まずは、これまでもやってきたことですけれども、火山噴火予知連絡会の各火山を研究対象にされている先生、今回でいうと山岡先生ですけれども、そういう方との連絡体制をしっかり確認して、そのプロセスに抜けがないようしっかりやっていく、ということを今後詰めていきたいと思います。この観測体制の検討会でも緊急提言の中にも、評価体制、評価プロセスについても今後検討すべき、ということは多分書かれると思いますので、そこは先生方は皆重要だと仰っていますし、我々もそう思っておりますので、これについては緊急提言の後になりますけれども、年度内にもう少し会合を開かせていただいて、この辺をまず詰めていきたいと考えています。

Q 評価プロセスの検討というのはどういうものか、もう少し具体的にお願いできますか。
A イメージしていることは、まずは火山噴火予知連絡会に地域担当幹事というのがあって、北海道を担当する先生、東北を担当する先生と、それぞれの山を研究対象としている先生がいらっしゃいますので、その地域幹事とその山を研究している先生、更には火山噴火予知連絡会以外にも山を研究されている地元の大学の研究者もいらっしゃいますので、その辺を抜けがないようにそれぞれの山ごとに整理し、いざ異常があった場合には、蔵王で言えば山形大学の伴先生や東北大の先生としっかり連絡を取り合いながら、それぞれのご意見、評価をお伺いしながらこちらの方で判断していく、というところをきっちりと山ごとに詰めていくことを考えています。

Q どなたに、普段そういうことを聞いていくのか、ということを整理するということでしょうか。
A 普段からしっかり出来ているところは出来ているんですけれども、そこを抜けがないかというのを確認して、先生方にも改めてお願いする、ということになると思います。

Q さっきの御嶽山の噴火警戒レベルの引き下げの話ですが、決して早く引き下げろということではないんですが、そうは言っても大勢の方の、社会的な影響が大きくて、ある程度の目処があった方がいいのではないかという気もするんですが、年内の引き下げは難しいかどうかという見通しはいかがでしょうか。
A 見通しはなかなか申し上げにいですけれども、活動が止まって1ヶ月経ったときに「さあどうする」と言われたら考えるかもしれませんが、今の状況では年内にというは多分難しいのではないかな、というのが私の感触です。

Q 何か手がかりがあれば、年内に出すということはあるんでしょうか。やはり、沈静化の場合にはある程度時間が必要なので、難しいということでしょうか。
A 発生を予測するのも難しいのですが、終息を予測するのも、地震の余震と同じようなものでストーンとなくなる訳ではなく、尾を引くんですよね。それで、どこまで下がれば安全かというのを言うのは、なかなか今の火山学では難しいと思います。ただ手をこまねいている訳ではなく、出来れば御嶽山の火山観測体制の強化というのがもし実現できれば、そういうところに当然主眼を置いて、運悪く更に活発化の兆しがあれば早期に捉まえるとか、そういうことはしっかりやっていきたいと思いますが、今の状況で治まって「はいどうぞ」というのはなかなか難しいと思います。

Q 今の状況が続いても年内に出すことは難しいと。
A そう思います。

Q 何をもって、どういうことがどう続いたらレベルを引き下げるきっかけになるんでしょうか。
A 決定打はないかもしれませんが、非常に低下した、噴火前くらいの状態が長期間続けば、もうさすがにそこで現状を維持する根拠はなくなるかもしれません。

Q 何も、火山性地震も起きてない状況が、ある程度一定期間続けば、ということですか。
A どれくらい続けば大丈夫、という根拠はないものですから、どうしても慎重に長い期間様子を見て、安定した状態、完全に治まった状態がある一定期間続くというのを指標にせざるを得ないだろうと思います。これはまた火山の先生方にも都度お伺いしながら判断していきますけども、今の状況では多分共通の認識だと思います。

Q 現状は治まった状態が続いていると見ているのか、治まってないと見ているのかどちらでしょうか。
A 治まってないというのが、多分大方の見方だと思います。


(以上)

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