長官記者会見要旨(平成26年5月15日)

会見日時等

平成26年5月15日(木) 14時00分~14時10分
於:気象庁会見室


発言要旨

 本日は、まず、これらから本格的な出水期を迎えるにあたっての防災上の注意点などについて、次に、夏に向けての「高温注意情報」の運用開始について、最後に、6月1日の気象記念日に発刊します「気象業務はいま」について、この3点を中心にお話させていだたきます。

 まず出水期を迎えるにあたってですけれども、6月は全国的に梅雨に入るシーズンで、本格的な出水期を迎えます。昨年8月30日から新たに特別警報を導入いたしまして、台風第18号の際に福井県、滋賀県及び京都府で初めて特別警報を発表しましたけれども、特別警報導入以前においても、7月に島根県・山口県、8月には秋田県・岩手県及び島根県で特別警報に相当するような記録的な大雨が発生しました。

 先月、4月8日ですけれども内閣府において「避難勧告等の判断伝達マニュアル作成ガイドライン(案)」が公表されまして、政府全体として、早め早めの対応をとっていただくよう進められているところです。気象庁といたしましても、時間をおって段階的に発表しています気象情報、注意報、警報等を活用した、早め早めの対応をとっていただけるよう、普及・啓発を強化してまいりたいと考えておりますので、報道機関の皆様にもご協力をお願いできればありがたいと思います。

 東日本大震災の被災地の一部等では、引き続き大雨、洪水の警報・注意報や土砂災害警戒情報の基準を引き下げた運用を継続していますので、こちらも警戒をお願いしたいと思います。

 次に、毎回お願いしております、「東北地方太平洋沖地震」の余震に関する注意です。
 余震活動は、3年を経て全体的に次第に低下している状況ではありますけれども、本震発生以前と比べますと、いまだに活発な状況にありまして、当分の間はこの状況が継続するものと考えています。今後も、まれに強い揺れ、さらには津波を伴う地震が発生することがありますので、引き続き注意をお願いいたします。

 また、余震ではありませんけれども、5月5日に伊豆大島近海でマグニチュード6.0の地震が発生し、東京で最大震度5弱を観測するなど、関東地方を中心に広い範囲で揺れがありました。このように強い揺れはいつどこで発生するかわかりませんので、地震の揺れによる落下物の防止や家具の転倒防止等日々の備えを改めてお願いしたいと思います。

 そして、津波に関する報道機関の皆さまへの協力のお願いです。
 先月のチリ沿岸北部の地震による津波につきましては、津波に対する防災対応の周知をしていただきましたことに、報道の皆様に感謝申し上げます。
 日本近海で地震が発生し、強い揺れを感じたり、津波警報が発表された場合には、速やかに海岸から離れ、高台等に避難していただく必要があります。一方で、日本から遠く離れた地域で発生した津波では、日本に到達するまでに猶予時間があり、避難行動に向けた準備をとっていただくことが可能な場合があります。
 このような場合、当庁では、適切なタイミングでの地震情報の発表や記者会見の実施によりまして、津波警報等の発表見通し等に関して早めにお知らせしております。このように、日本の近くで発生した地震と遠く離れた場所で発生した地震では対応が異なりますので、この点を含め、国民の皆様に適切に行動していただけるよう、今後ともご協力をお願いいたします。

 次に、今年の高温注意情報の運用についてです。
 今年も既に各地で夏日、真夏日となるところが出てきており、熱中症への備えが求められる時期になってきました。
 高温注意情報は、熱中症対策の一環として、環境省等の関係省庁との連携のもと平成23年から運用しており、今年も全国を対象地域として5月下旬から運用いたします。
 また、気象庁のホームページに熱中症に関するポータルサイトを設けており、こちらも併せてご利用いただくことにより、熱中症に注意していただければと考えております。

 最後に、「気象業務はいま2014」の刊行についてです。
 この「気象業務はいま」については気象庁の1年の動きをご紹介するために、毎年6月1日の気象記念日にあわせて刊行しているものです。
 詳細は後ほど担当からご説明いたします。
 今回は、昨年8月30日から気象庁が運用を開始した特別警報について特集を組んでいます。特別警報の概要の説明、運用開始後初めて大雨特別警報を発表した台風第18号や、狭い範囲で記録的な大雨を観測した伊豆大島の大雨災害について、気象台の対応などを取り上げました。
 この他、夏を中心とした高温や渇水、数多くの竜巻の発生、関東甲信地方の記録的な大雪など、この1年の主な自然災害の状況もあわせて掲載しています。

 以上です。


主な質疑応答

Q 高温注意情報ですが、具体的な日付は調整中でしょうか。
A 5月20日の17時以降、翌日の最高気温で35度以上が予想された場合です。

Q 実際発表されるのは21日に予想された時でしょうか。
A その通りです。


(以上)

このページのトップへ