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長官記者会見要旨(平成25年10月17日)

会見日時等

平成25年10月17日(木) 14時00分~14時35分
於:気象庁会見室


発言要旨

 本日は、昨日の「台風第26号」について、次に「台風第18号で発表しました特別警報の評価の進捗状況」についてお話をします。そして最後に「防災教育について気象庁が最近取り組んだ内容」についてお話ししたいと思います。

 最初に台風第26号についてですが、台風第26号は、大型で強い勢力ということで、昨日16日未明に関東の南海上を北東に進み、さらに同日午後には三陸沖で温帯低気圧になったということで、この台風により大雨あるいは暴風により各地に様々な被害をもたらしております。特に伊豆大島では土砂災害等、甚大な被害となっています。ここに、犠牲となられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、多くの被災者にお見舞いを申し上げたいと思います。

 すでに10月も後半ですが、マリアナ諸島では本日台風第27号が発生しております。引き続き台風シーズンということで、気象庁の発表する台風情報や地元気象台が発表します警報等の各種の最新の情報を十分ご利用いただいて、市町村等の避難勧告等もふまえて、避難等の防災対応を取っていただきたいと思います。特に台風の場合につきましては、気象庁として台風の5日予報あるいは3日予報ということで、数日前から災害のリスクが高いということをお知らせして、さらに最近は1日あるいは半日前にはかなり確度の高い情報を提供できると考えております。自治体あるいは住民の方々にはぜひとも早め早めの対応をということで、これらの情報を使っていただきたいと思います。例えば、早い段階から身の周りの安全の確保、あるいは避難所の確認等を行っていただいて、そのうえで警報等が発表されましたら、自治体からの避難勧告等にも留意しながら、対応をお願いしたいと思います。
 特に夜間の場合、台風が接近あるいは上陸することが予想される場合には、大雨や暴風の中で避難すると極めて危険な場合があります。状況によっては逆に危険な状況になりますので、早めに明るいうちに対応をとることが、台風の場合は特に重要かと思います。また、避難が危険なような状況に遭遇しましたら、例えば屋内であれば2階、あるいは崖の近くからはできるだけ離れた場所に移動するなど、可能な限り安全が確保できる場所に移動するといった対応もお願いしたいと思います。

 次に、先月台風第18号が上陸しまして、3府県に対して特別警報を発表しておりますが、この評価の進捗状況ということでお話ししたいと思います。
 現在、特別警報を発表しました京都府、滋賀県並びに福井県の3府県に対して、全ての市町村に出向いて、調査を行っております。ヒアリング等の調査ですが、現在調査中であり、詳細については調査結果が出来次第公表させていただきますが、現時点での大枠の状況としては次のとおりです。

 はじめに、特別警報の趣旨、あるいは気象庁が段階的に発表している注意報、警報、特別警報等の防災気象情報の全体については概ねご理解いただいているということですが、細部についてはまだまだ十分周知ができていないところもありますので、この点について、全国の気象台を通して、改めてしっかりと自治体の防災担当者等に周知できるように努めていきたいと思っております。

 次に、自治体から気象庁への代表的なご意見、ご要望という点では、一部報道等もされておりますが、第一には「発表地域を絞り込んでほしい」という要望があります。第二には「発表の前に事前に情報を提供してほしい」と、これについてはホットライン等、事前に情報を提供している場合もありますので、そういった点で要望が来ていると考えております。また、自治体側としても、改善に取り組みたいということを聞いておりまして、第一には「住民への周知手段について再確認しマニュアル化したい」、あるいは第二には「地域防災計画の見直しや改訂に進めていきたい」というような動きがあると聞いております。

 いただいた要望の中で、特に発表地域の絞込みについては、特別警報の発表基準が府県程度の広がりを持つ広域での大雨というものを特徴とし、さらに現在の予測技術から考えましてかなり困難な課題であると考えています。
 しかしながら、気象庁としましても、今回の調査により課題等を整理したうえで、地方自治体等との連携も含めて、運用面で可能な範囲で改善に努めてまいりたいと考えています。具体的に地元気象台と自治体等との連携方策としましては、例えば、大雨時に災害対策本部で気象台から直接的に出向いて説明するといった対応も行っておりますので、これらについてしっかり対応していく、さらには自治体への直接的な電話によるホットラインでの情報提供といったところで、より密接な連携を自治体と深めていくということが重要ではないかと思っております。また、その説明等においても、しっかりと内容について改善しよりわかりやすく危機感を伝えるということができるようにしていきたいと思っております。今回の調査でも、一部自治体では気象台からのホットラインが極めて有効であったという評価をいただいているところですので、そういった例も見ながら点検し、今後の改善に進めていきたいと思っております。

 なお、一部の自治体で周知の措置をとらなかったことですが、今回の調査結果も踏まえて、改めて市町村に対して特別警報について速やかに周知の措置をとっていただくよう、ヒアリングの段階から求めております。引き続き、しっかりと周知の措置をとっていただくということで、対応していきたいと思っています。また、府、県などの関係機関とも連携しながら、より効果的な周知の方法も含めて、さらなる改善につなげるよう、努力していきたいと思っています。

 最後に、防災教育への取り組みについてですが、東日本大震災以降、政府全体としましても、内閣府、文部科学省をはじめ関係省庁において防災教育への取り組みを強化しているところです。
 気象庁においても、全国各地の気象台で教育委員会などと特に連携しまして、学校での緊急地震速報の訓練への協力、防災に関する出前講座を行ってきているところです。気象庁本庁においても、ご承知のように教科書・教材会社への説明会を実施したり、文部科学省が主催している防災教育関連の専門部会へ参画したり、また両者(文部科学省、気象庁)双方に様々な研修会等を行っておりますが、そういう場に相互に講師を派遣し連携を深め取り組みを強化しているところです。

 また、先日は中・高生を対象としたワークショップを開催しまして、テーマとしましては「経験したことのない大雨 その時どうする?」として開催しました。このイベントでは、小人数の中・高生のグループで討論を行っていただいて、さらに司会者がコミュニケーションをとることによって、具体的に参加者の一人一人が、警報や注意報等の防災気象情報についてお考えいただいて、防災知識あるいは意識を高めていただく、それによって最終的には、一人一人の大雨時における非常時の対応・判断ができることを目指して行ったものです。

 気象庁として初めてのプログラムということですので、今後まずは、管区・沖縄気象台に展開しまして、プログラムの汎用化、あるいは全国展開できるような実施に必要なマニュアルの作成をしたいと思っています。この成果を受けまして、来年度以降、全国の気象台に展開し、学校教育機関あるいは自治体等の防災機関等の実施につなげたいと考えています。

 長くなりましたが、最後に毎回お願いしていますが、「東北地方太平洋沖地震」の余震については引き続き活発で、今後もまれに強い揺れや津波を伴う地震が発生する可能性もあります。周辺地域も含めて、引き続き注意をお願いしたいと思います。

 以上です。


主な質疑応答

Q 台風第26号による伊豆大島の大島町の被害に関して、気象庁が東京都や大島町に「警戒するように」という連絡をしたということなのですが、それで対応は十分だったと長官はお考えでしょうか。
A 本件については、深夜の状況において気象庁から直接都あるいは大島町に連絡はしております。ただし、その内容が降水量ですとか、そういうものも多く含まれていますので、気象庁の危機感がより伝わるような表現に、ということがあるのではないかとは考えます。ホットラインの連絡の回数等については適切だと思っておりますが、その内容については点検して、再度より効果的に危機感を伝える方法はどうあるべきかについては見直していく必要があろうかとは思います。

Q その関連で、今回特別警報が発表されなかったということなのですが、市町村ごとの目安ですと、大島町は3時間と48時間雨量を併せて超えていたということなのですが、県単位の広がりはなかったということで、先程台風第18号でも「発表地域を絞り込んでほしい」という要望があったということなのですが、離島とか狭い範囲だと特別警報が出づらいというような指摘があるのですが、その点についてどう考えていらっしゃるのでしょうか。
 また、今日官房長官が今回の災害について「誰が見ても、特別警報が出てもおかしくなかったのではないか」という発言をされているのですが、それについての受け止めはいかがでしょうか。
 さらに、特別警報の発表基準の見直しなどを検討されているのかお伺いします。
A 大雨特別警報の発表基準については、皆様よくご承知のように、平成23年の台風第12号、あるいは平成24年の九州北部豪雨といった比較的広域の大規模災害というものを捕捉するように基準を定めております。この結果、府県程度の広がりを持った地域にあてはめて特別警報を発表するということになります。今回の場合、伊豆大島というところで局所的に大雨になったわけですが、特別警報の発表基準に照らして発表はしなかったということです。
 しかしながら、実際極めて危険な状況であるということは明らかですので、警報等の各種気象情報に加えて、今回は東京都あるいは大島町へ直接電話して、「重大な状況にある」というようなことをお知らせしたところです。気象庁としましては、今回の事例を踏まえまして、防災気象情報の伝え方について課題を検証したうえで、可能なものから改善に結びつけていきたいと思っております。当面の対策としましては、例えば府県気象情報や先程の自治体への電話でのホットラインで、より確実に危機感を伝えるということで、表現ぶり等の工夫ができないかということを考えているところです。しかしながら、その表現の内容等につきまして、自治体等に同じ認識を持ってもらう必要がありますので、報道機関も含めてご意見を踏まえながら検討を進める必要があろうかとは思っております。

Q 県単位というようにしてしまうとなかなか特別警報が出づらいという点については、検討の余地はあるとお考えでしょうか。
A 大規模災害を捉える基準でかなり精緻に基準を作っていまして、さらに細かくなると、実際上基準のレベルを定める技術的な問題がかなり大きくなってくると思います。現時点で、ちょうど警報と特別警報の中間的な技術基準というものは、災害の捕捉の観点からはまだまだ十分整理ができていないと見ていまして、そこの点についてはかなり課題が大きいと思っています。

Q 画一的なルールというものに縛られる必要はないというふうにお考えでしょうか。
A ルールは必要なのですが、今後しっかりと技術的に災害をどう捕捉していくのか、あるいは大雨の状況がどうなのかということについて、基準を精査する必要があろうかと思っています。大雨特別警報の基準についても、大規模災害を必ず捕捉するということで、現場でしっかり技術的な検証をして定めたものでして、そのうえで今回の大雨について、どう捕捉して、さらに情報としてどう提供していくかについては、技術的な問題も含めて整理していく必要があろうかと思っています。

Q 今の話は少しわかりにくいのですが、特別警報の発表基準について見直すのか、見直さないのか、どちらなのでしょうか。
A 現時点では府県単位ぐらいの広がりを持つ特別警報の発表基準というものをすぐ見直すことは、技術的にかなり難しいと考えています。

Q 技術的に難しいけれども、精査する必要があるということは、技術的な検討もするという意味合いで捉えてよろしいのでしょうか。
A 実際、大雨の状況と災害の過去事例についてしっかりと検証して、どういう形で情報を発信できるかということは整理していく必要があろうかと思っています。現時点で、大雨特別警報の基準作りのときに色々な災害について見てきていますが、大雨特別警報の基準から外れるような結構大きな災害もありまして、そのような状況についてもどう対応していくのかということについては、大きな課題であると認識しております。

Q 今回島で府県程度の広がりがある場所ではなかったために特別警報が発表されなかったということは、理屈からいうと、離島であるとか、島に関してはそもそも大雨の特別警報というものは対象ではないというような捉え方になると思うのですけれども、そのあたりの周知といいますか、認識が一般の人たちになかったのではないかと思われるのですが、その点はどのようなお考えですか。
A 今回は非常に局地的に集中的に降ったということですが、例えば台風第18号のような3府県に広がるような広域に、そういう基準を超えるような話になってきますと、当然こういった離島の地域では多くの島々で同様の条件が出てきますので、当該状況が出てくれば当然島等にも特別警報を発表するというような話ですが、やはり今回のような局地的な1つの島に限定されるような場合は発表に至らない場合があるということは周知しておく必要があろうかと思います。また実際上、局地的な状況になったときに何らかの方策で具体的に、50年に一度の話もありますので、それを伝える方策というものはしっかりと工夫していく必要があるのではないかとは考えています。

Q その周知というものは、事前で十分だったとお考えですか。
A 島しょ部の話につきましては、「少し足らない部分があった」と反省すれば、思います。

Q 局所的という言葉が色々なところで何度も使われているのですが、局所的ではあっても、指標のうちの1つである3時間雨量であれば10格子という部分について、伊豆大島で9格子と利島で1格子ということで、結局10格子を一応クリアはしていたわけではないですか。そういう意味では、格子数という意味では局所的とはいえクリアしている中で、府県程度の広がりという1つの文言に縛られて特別警報が出なかったという部分があると思うのですが、そこはもう「島だから」という部分で今後も仕方がないという話なのですか。
A 格子数の話と、今回はその後の見通しも含めて予報の現場で判断したと聞いています。

Q 具体的に「その後の見通しも踏まえたうえで」ということは、どういう判断で出さなかったということなのでしょうか。
A ちょうど格子数が10になった次の段階で、徐々に格子数が減っていくような状況が想定されたということを聞いております。ほかに何か補足はありますか。

(予報部担当)実際の状況として、3時間雨量が大雨特別警報発表の目安となる基準を超えた格子が10格子に達したのは午前4時00分です。そして、午前4時30分の段階で9格子、あと30分後には7格子、6格子という形で減少しております。

Q 言葉による表現の工夫を考えたいということなのですが、今回の4回のホットラインによる呼びかけについて、それぞれどんな伝え方をしたのか、内容を教えていただきたいです。
A 第1回目については、「3時間で70mmを超える雨が長時間にわたって観測され始めている」というような話、「このまま降り続くと尋常でない状況になる可能性がある」、また「大雨警報や土砂災害警戒情報を発表中ですので注意してください」というようなことですが、この段階でそれなりに尋常でない状況の可能性があるというものを東京都のほうにお伝えしているということになります。そして、2回目があって、3回目になりますと、東京都に連絡し、「24時間降水量が400mmを超えるような、なお猛烈な雨が続いている」というような話、さらには「現地では尋常でない状況になりつつあると思量される」といったことをお伝えしております。さらには、午前3時55分に大島町役場のほうに直接電話して、同様の趣旨の内容をお伝えしています。

Q この関連で、避難指示や勧告の権限は自治体側にあるのですが、それを促すギリギリの、要するにすみ分けのところをうまく、どういう表現というものが考えられますか。
A 具体的に今イメージは持っていませんが、避難勧告・指示にかかわることについては当然市町村長の権限ですので、そこまで気象庁としては踏み込むことができませんが、それについて促すような表現ぶりということで、気象庁ができる範囲でどのような案があるかということを検討したうえで、当然内閣府ですとか、消防庁とも相談しながら話は進めていきたいと思っております。具体的にお話しできる段階ではありません。

Q 先程島の場合は、要するに特別警報が出ないことがあるとかいった話の絡みで、元々この間の防災情報の検討会の一番最後で座長のほうから「やっぱり特別警報と一般の警報とのギャップが大きすぎる」との話がありました。「ぜひ中間にあたるものを何か考えてほしい」ともおっしゃっていたのですが、それに相当するものを考えられるおつもりがあるのかどうかお聞きしたいです。
A 現時点では、その中間的なものという話の具体的な検討は進めていませんが、座長のご提案ということで一理はあろうかと思います。今後様々な検討を進めますが、その中の1つの参考としては検討を進める必要があろうかとは思います。

Q 先程特別警報の基準の見直しについて、「現時点で技術的に難しい」とおっしゃっていましたが、「技術的に難しい」とはどんな点が難しいものなのでしょうか。
A 災害の発生と大雨というものが1対1に結びついて単純に整理できません。色々な場合があります。雨が少なくても災害が起きますし、非常に多く降っても災害が発生しない場合があるということで、その中で大規模な災害を特に捕捉するということで基準を総合的に考えたところ、今回3時間の雨量あるいは48時間の雨量で整理すると、これまでの命名した豪雨災害あるいは台風の大規模災害というものを極めてきれいに捕捉できるということで基準を定めたわけです。また、この夏の4つの事例についてもこの基準に基づいて発表し、実際に同様の激甚な災害が発生しているということで、基準につきましては妥当なものであったということが、今年の夏の大雨を見ても評価できるのではないかと考えています。そして、大雨警報につきましては、多くの災害をすべて補捉するように下限の基準を定めていますので、この基準と特別警報の基準というものは大きな違いがあって、先程の特別警報と警報の間の議論のところについての災害と大雨の整理というものは、かなり技術的に微妙な問題が出てきて、難しいところがあろうかと思っております。

Q 技術的な問題があり、大雨特別警報の基準はまだすぐには見直すことはできないということで、その代わり自治体などにどのように情報を発信していくかについて、今の気象庁の伝え方が足りなかったという点で整理していくということですか。
A より危機感を伝えられる方策というものを検討していく必要があろうということで、当座の方策としてできることは府県気象情報といって警報を補足するような情報を持っていますので、その中でより危機感が伝わるように内容等を見直していく、さらにはそれに基づいて自治体へのホットラインでの伝え方ということについても、先程も色々と表現ぶりについて参考にお示ししましたけれども、これ以上に危機感を伝える方法は何かないかということで検討は進めてまいりたいと思っています。

Q 今回伊豆大島にはそんなに観測所は数がなかったですよね。例えば観測所が多くあれば、今回ももしかしたら大雨特別警報になったのでしょうか。
A 若干誤解があるのだと思います。気象庁はアメダスで観測していますが、実際には気象レーダーで1kmメッシュで解析雨量というものを作っていまして、この解析雨量を使って、1kmメッシュで全体の降水量のトータルや時間の雨量というものを分析して、最終的には警報等に結びつけているというものです。

Q 例えば、今「観測所が例えば足りないのではないか」とかいったことは特にお考えではないということですか。
A その話題はクリアしていると思います。また、気象庁の降水量のデータだけではなく、国土交通省の水管理・国土保全局あるいは都でも雨量の観測を行っていますので、それらの情報もいただいたうえで分析をしております。アメダスは1,300ですが、全体では1万点近くの雨量のデータが気象庁に入ってきております。

Q より危機感を伝える府県気象情報の内容ということで、例えば特別警報が運用される前にあった「経験のない大雨」であるとか、そういう表現などは思いつきで考えられるのですが、そういったイメージなのでしょうか。
A それも一案ではあると思うのですが、やはりそこについては色々検討したうえで、自治体等あるいは、放送局さんとも相談しながら最善のものを探っていきたいと思っています。「経験のない」というものは結構色々なところで使っていただいていて、かなり評価はいただいているとは思いますので、それも代表的な一案ではあるとは思います。

Q 例えば特別警報だったら自治体での周知の措置の義務という部分が入っています。警報だったら努力義務で、注意報だったら別にそういうものはないというものがある中で、そういう文言だけをそういう危機感を煽る形にするというだけで住民に対する周知は進むというような認識ではあるのですか。
A 周知の努力義務あるいは義務化ということですが、警報については努力義務となっています。我々気象庁としては発表した以上は、努力義務としても周知は行っていただいているのだろうという認識で臨んでいますので、義務と努力義務という差は実際上ほとんどないものだと思います。

Q 実際ほとんどないかどうかといえば、今回避難勧告がだいぶ遅れるという状況もあったわけですし、そのレベル化の議論のことでも若干言われましたが、特別警報ができたことによって通常の警報や土砂災害警戒情報が軽視されるのではないかという話もありました。実際、今回は土砂災害警戒情報が前の日の夕方から出ていたという状況の中でこれだけの災害になってしまったということで、そういう受け止めはいかがですか。
A 全体として、レベル化も含めて、段階的に発表される気象情報について自治体の防災担当者、さらには住民の方々に危機感のレベルというものをしっかりと認識いただくことが重要で、その点は今後周知の大きな課題とは思っております。台風第18号でも我々の情報あるいは川の水位の情報を使って、特別警報が発表される前の段階から早め早めの対応をして住民を助けているという自治体もあるわけですから、しっかりとその点について気象庁としても自治体と連携して周知していく必要があろうかと思います。

Q 台風第18号に関する特別警報の調査の中でも、先程注意報、警報、特別警報については細部についてはまだまだという表現をされていたのですが、それは今おっしゃったような危機感のレベルを伝えるということでよろしいですか。
A 危機感のレベルもありますし、実際の気象庁側の運用の通常の方策というところがまだ十分理解されていないところも散見されたということで、引き続き十分周知していきたいとは思います。また、そのような点をわかりやすくということで、現在レベル化というものを進めていますので、そういったことで情報自体も改善して、よりわかりやすくお使いいただけるように努力していきたいと思っています。

Q 大規模災害を捕捉できるような形で今の特別警報の基準を決めていて、今回みたいな局地的な災害は結果的には捕捉できなかったという形になっているのですが、その局地的な災害をどう捕捉するかということは伝え方だけではなくて、基準のほうを見直すというか、今後検討していくということですか。
A 特別警報の基準ということではなくて、そのような状況を捕捉するには雨量とか土砂災害警戒の指数とかいったどういうものを監視して捉えていく必要があるかというところの技術的な調査がいるのだと思います。こういう場合は局地的な結構規模が大きな災害について捕捉できるかどうかということを調査していく必要があろうかと思います。局地的に降るような大雨になればなるほど、実際に災害に結びつかないような例も増えてきますので、ここについてどう整理していくのかが大きな課題になってくると思います。

Q 当面はそういう伝え方の面でこういう対応をしていくことと、それから技術的な調査・検討というものを今後進めていくということでしょうか。
A 当然大規模災害と通常の警報の基準というものはかなり差異がありますので、その間にあります局地的でも大きな災害というものを捕捉する技術というものが果たして構築できるのかということが大きな課題になると思います。実際に過去事例を分析して、さらには予測技術的な問題も含めて整理をする必要があろうかと思います。


(以上)

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