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長官記者会見要旨(平成25年9月19日)

会見日時等

平成25年9月19日(木) 14時00分~14時45分
於:気象庁会見室


発言要旨

 本日は、最初に、今週初めに各地に甚大な被害をもたらしました「台風第18号」についてお話しします。次に、一昨日に開催しました「防災気象情報の改善に関する検討会」、「竜巻対策」、また「台風シーズンへの備え」ということで、以上4点についてお話をさせていただきます。

 はじめに、台風第18号は、今週の16日に大型の勢力のまま愛知県に上陸しました。これにより、西日本から北海道にかけて大雨や強風により各地に甚大な被害がもたらされました。ここに、犠牲となられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、多くの被災者にお見舞いを申し上げたいと思います。

 この台風第18号に伴い記録的な大雨になり、京都府、滋賀県、福井県の3府県に対して「大雨特別警報」を発表し、非常事態が迫っていることをお知らせしたところです。

 この台風第18号の接近にあたり、気象庁では9月14日(土)に記者会見を行うとともに、各地の気象台では上陸の2日前位から自治体や報道機関を対象として台風説明会を開催しています。また、台風接近に伴い、段階的に気象情報、注意報、警報、あるいは土砂災害警戒情報を発表し警戒を呼びかけてきたところです。さらに、各地の気象台では電話によるホットラインにより府県・市町村に今後の状況について直接解説するといった取り組みも進めております。

 今回の特別警報の発表は、このような一連の段階的な情報発表、あるいは自治体との対応といった中で、こういった経過を経て発表してきているということもあり、概ね適切なタイミングであったと考えております。
 テレビ等のマスコミにおきましては、特別警報に限らず、台風関連の気象情報を積極的に、かつ長時間にわたり危機感を伝えていただきまして、深く感謝を申し上げます。

 今回の特別警報につきましては、8月30日の運用開始以降最初の発表ということ、さらに、7月下旬以降3つの特別警報に相当する事例が発生し、この場合は短時間ということで3時間の雨量等の基準で発表しましたが、今回初めて48時間の雨量等の基準による発表でした。このようなことから、地方自治体へのヒアリングも含め調査・評価し、今後の特別警報の運用に活かしていきたいと思っております。

 自治体への調査にあたっては、次のようなことがポイントになると考えております。
 今回は、初めての台風による大雨のケースということで、先程お話ししましたように各地の気象台では上陸の2日前位から自治体等の防災関係機関と連携を強化し、さらに段階的に情報を発表しているということがあります。このため、「大雨特別警報」が調査の中心になりますが、気象台の情報発表や対応状況と地方自治体の防災対策、つまりは避難勧告や避難指示、さらには特別警報の住民への周知といったことについて総合的に調査し、今後の改善に活かす必要があると考えています。

 いずれにしましても、「特別警報」につきましては、気象庁が住民の皆様に、尋常でない大雨など命に関わる非常事態が迫っていることをお知らせする情報ですので、お住まいの地域に特別警報が出た場合には、自治体からの避難にかかわる情報に留意しつつ、直ちに命を守る行動をとっていただきたいと思います。

 次に、「防災気象情報の改善に関する検討会」についてです。

 大雨等の気象に関する防災情報の体系を改善するために、昨年10月11日から有識者で構成される「防災気象情報の改善に関する検討会」を開催し、一昨日の9月17日までに約1年間、述べ8回にわたり検討をいただきました。
 一昨日の最終回の検討会では報告書の原案についてご議論いただきまして、今後の防災気象情報のあり方、特にこれまでの気象情報、注意報、特別警報を含む警報等について、統一的な警戒レベルに分けて発表することによって体系化すべきとする方向性をお示しいただきました。

 このような統一的な体系化により、段階的に発表している情報の役割と機能が明確になり、受け手から見てもわかりやすく、理解されやすくなるものと期待しております。特に、これまでの「気象情報」と「注意報」の役割と位置づけに曖昧な点があったということで、この2つについて特に明確になり、「警報」に加えて、今般新たに導入した「特別警報」をさらに活かすことができるのではないかと考えております。

 なお、一昨日の報告書の原案では、警戒レベルは5段階ということで示されておりますが、席上私のほうから発言しておりますとおり、受け手から見るとやや誤解を与える点があったと考えております。
 具体的には、大雨、暴風、高潮、高波等の多くの情報で災害の覚知にかかわるレベル5として想定しているものがないということで、事実上レベル4が上限となっている点です。このため、私から検討会の席上において「大雨等についてのレベル4の特別警報を上回るような情報が存在するとの誤解を与える可能性もあるということで、この点についての整理も必要である」というような発言したところです。気象等の警報等につきましは災害のポテンシャルのみから発表するということもあり、「情報」の「警戒レベル1」から「特別警報」の「警戒レベル4」までに段階的に発表するというレベル化の方針を変えるものではありませんが、このような誤解を避けるためにも最終的な報告書における書きぶりについては、早急に検討・調整を進めてまいりたいと考えています。

 いずれにしましても、検討会で座長をはじめ多くの委員よりご指摘いただいたとおり、具体化に向けては多くの課題が残されています。また、気象庁として課題の検討を進めるにあたっては、報道や自治体など関係機関にもご意見をしっかり聞いて進めるべきというご指摘もいただいているということがあります。このことから、報告書には、実施に向けた課題といったことがわかるように、「今後の進め方」ということについて最後の章として設けて、新たに書き加えることとしております。
 最終的な報告書につきましては、このような課題についてもわかるように記述したうえで、必要な手続を経ますので、来月中というものを目指して公表できるようにしたいと考えております。

 気象庁としましても、いただいたレベル化の趣旨を十分に尊重しつつ、多くの課題を精力的に検討し、具体化に向けて早急に取り組みたいと考えております。
 いずれにしましても、気象庁は、自然災害の防止・軽減に向けて社会・国民から期待される役割を確実に果たすということが目標ですので、利用者の立場に立って絶えず業務や情報を見直し、改善を図ってまいりたいと考えております。

 次に、3番目の話題として竜巻対策についてお話しします。

 今月2日から4日にかけて、さらに今週の16日に上陸しました台風第18号によって、西日本、関東地方、さらに東北地方にかけて多くの竜巻等の突風が発生し、被害がもたらされました。先程北海道のほうでも突風があったらしいということで、JMA-MOT(気象庁機動調査班)を派遣するということを聞いておりますが、このように多くの竜巻、あるいは突風の被害が発生したということです。ここに被害に遭われた多くの方々にお見舞いを申し上げたいと思います。

 今回の竜巻発生にあたりまして、気象庁では事前に気象情報、あるいは雷注意報を発表し、大気の状態が不安定であるといったことで竜巻等の突風に注意いただくよう呼びかけております。また、竜巻注意情報については、精度等大きな課題がありますが、竜巻発生直後になった、あるいは発表の状況に至らなかったという事例もありますが、多くの竜巻注意情報の発表を行い、警戒を呼びかけたところです。

 竜巻注意情報については今後も予測精度向上に努めてまいりますが、一方で時間的な余裕も少なく、場合によっては間に合わないということもあります。このため、積乱雲による激しい現象の兆候や竜巻に気づくといったことがありましたら、また竜巻注意情報が発表されたというような状況にありましたら、周囲の状況を注意し、確認いただき、安全を確保いただきたいと思います。
 9月上旬の竜巻では、多くの報道をしていただきましたが、学校の教職員が瞬時の判断により適切な対応をとって生徒を守ったなど、自らの身を守った多くの事例が伝えられています。
 竜巻対策としましては、やはり自ら身を守る行動をとることが非常に有効であることの1つの実証であると考えております。気象庁としましては、このような事例も併せて、特に事前の備えの重要性とともに、竜巻から身を守る行動についてより一層周知・啓発に取り組んでいきたいと思っております。
 このためには、マスコミの皆さんの協力ということが極めて重要と考えておりますので、今後ともご協力をよろしくお願い申し上げます。また、今回、小中学校等での被害の事例も多かったということを考えまして、これを機に、改めて文部科学省等とも連携し、学校関係への周知について対応を強化してまいりたいと思っております。

 なお、内閣府において、関係省庁の局長級をメンバーとする「竜巻等突風対策局長級会議」を立ち上げておりますが、気象庁としても関係省庁と連携して竜巻対策を一歩でも前に進めていきたいと思っております。

 長くなりましたけれども、最後に、台風シーズンへの備えということで改めてお願いを申し上げます。

 9月から10月にかけては、我が国は台風の影響を受けやすいシーズンです。
 台風は、大雨による土砂災害、浸水、洪水、さらには暴風、高潮、高波等により重大な災害が発生するおそれがあります。また、「台風第18号」の例に見られるように竜巻等の突風が非常に発生しやすい環境でもあります。気象庁の発表する台風情報や地元の気象台が発表します最新の警報等に十分注意いただきまして、万全な対策をとっていただきたいと思います。

 報道機関の皆様には、引き続き台風等が接近した場合には、積極的な報道ということで、国民の生命・財産を守るということで、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

 最後に、毎回お願いしておりますが、「東北地方太平洋沖地震」につきましても、引き続き余震が続いておりますので、今後もまれに強い揺れ、あるいは津波を伴うような地震が発生する可能性もありますので、周辺地域も含めて、引き続き注意をお願いしたいと思います。

 以上、長くなりましたけれども、私からの発言とさせていただきます。


主な質疑応答

Q 特別警報については、自治体に周知義務があるということだったのですが、一部の報道で、周知がなされていなかった自治体があったというふうに聞いています。気象庁としては周知状況をちゃんと把握しているのかということと、もし周知していない自治体があるとすればその理由を把握されているのか、それから、これまで自治体との綿密な連携をとっていたと聞いておりますが、現在のところでの長官の評価はどういうものであるか教えてください。
A 周知伝達について、市町村への義務ということで、この点につきましては、地元の気象台より当該府県と調整しながら、今後聞き取り調査等を行っていきたいと思います。例えば冒頭でも発言しましたように、その他の情報等の取扱、あるいは避難勧告等の対応も含めてしっかりとヒアリングあるいは調査を進めてまいりたいと思います。その際、特別警報の周知について改めて説明し理解を求め、市町村へは住民への伝達の協力について積極的に求めていきたいと思います。
 特別警報についての自治体の理解度、あるいは我々との共通の認識の度合いということですが、この点については特別警報を運用するためには極めて重要であります。都道府県に対しては、数次にわたり事前に説明をしてきたということで、かなりのご理解を得ているだろうと思っています。しかしながら、市町村となるとかなり多くの数がありまして、また公布後3か月という期間で運用を開始したこともありますので、一部には十分ご理解が得られなかったような市町村もあるのではないかとは考えております。今回、周知を行わなかった市町村ということについて、報道で私が見る限りの話ですが、やはり実際に発表された初めてのケースですので、緊急時・非常時の対応も同時に行っているということがありますので、そのような初めての経験の中で、防災対策の最終的な責任者は自治体ですので、この自治体の中での全体的な状況から判断して他のことを優先したというようなこともあろうかと思います。今回、最初の事例だったということもあり、周知の度合いということを総合的に勘案しますと、やむを得ないということもあったのではないかとは考えます。しかしながら、周知をしっかり行っていくということが重要ですので、今後さらに自治体等に説明を申し上げ理解を求め、必ず直ちに周知の措置をとっていただくというようにしていきたいと思っております。

Q 特別警報は、すべて当日の午前11時半までに解除されたということなのですが、この段階で川の濁流などの映像を見ておりますと、格子数というデータを基にしているということを承知はしておりますが、かなり違和感を覚えた人も多いかとは思います。この時間での解除というタイミングは適切だったのでしょうか。
A 特別警報について、雨を対象にしていたということもあり、実際その雨も止んで、少し時間が経っていたということがあります。そういうことから判断し解除したわけですが、その他、自治体等の対応を見ていまして、緊急避難というところから、次第に救助あるいは復旧の段階に移行しているというようなところもあります。警報によって警戒を呼びかけるのは引き続き行っておりますが、復旧や救助への影響も勘案しながら、解除のタイミングを判断したということです。また、特別警報の解除についての自治体・住民への捉え方といった観点での評価も必要だと思いますので、この点も先ほど申し上げたような、自治体等へのヒアリング調査の中で、意見を聞いて、今後の運用の改善に努めていきたいと思います。

Q (特別警報が発表される)2日前にこの気象庁でも台風に関する記者会見が行われましたけれども、この段階では主に太平洋側の被害の可能性というものが指摘されていたのですが、実際は京都・福井・滋賀という内陸部ですとか、日本海側のほうに被害といいますか、特別警報が出たということで、このあたりの予想はどういう感じだったのでしょうか。
A 台風については、予報円で示しているとおり、かなり色々なコースを通る可能性があるということで、2日前の段階ではやはり太平洋側を中心に警戒を呼びかけたことだとは思いますが、実際上は予報部のほうから何かコメントがあればと思います。

(予報部担当)台風説明会の折には、太平洋側を中心に大雨となる予想ということでした。ただし、北陸等にも、日本海側でも大雨が予想されているという話をし、全般気象情報でその旨を記しております。

Q 今回、福井県に関してなのですけれども、北部、嶺北の方では、それほどの雨は降らなかったということで、今回、府県の広がりで特別警報を出すということなのですが、そういった県内でギャップがある場合の運用に課題というものはあるのでしょうか。
A 実際に今回は、8月30日以前の特別警報に相当する事例と違って、広範に大雨が降っているということもありまして、警報を発表する地域が福井県のほぼ全域であるということで、特別警報を発表したと思います。これについては今回課題を整理して、今後の運用の改善ができる余地があるのか検討したいと思います。ただし、かなり難しいような気がしますけれども、少なくとも今回の課題についてしっかり整理して次につなげていくことが重要かとは思います。いずれにしても、広域で一様に降っていますから、県の単位で区分けして発表するというのがかなり難しいとは思います。

Q 防災気象情報の検討会でレベル分けのお話が出ていますが、注意報・警報・特別警報というものは法律で定められていて、このような改善の段階で法律の改正が必要になる可能性もなきにしもあらずですが、これは法律の改正は視野に入れていらっしゃるのでしょうか。それとも法律を変えないで運用の段階で、ということなのでしょうか。
A 基本的には特別警報・警報・注意報というものは法令の中で位置づけられていますので、この中での運用ということで、警戒レベルを導入していくと考えています。発表の方法も、例えば「特別警報:警戒レベル4」、「警報:警戒レベル3」、「注意報:警戒レベル2」といった形で発表をしたいと考えております。

Q 特別警報の自治体へのヒアリングなどをしていきたいということだったのですが、まず調査を始める時期と、まとまる時期の目処はどのように考えていらっしゃるかということと、もう一点、自治体への周知の関係で、今回特別警報が発表されて、初めて避難勧告や避難指示を出したという自治体も一部あったと、一定の数あったということなのですけれども、実際の特別警報の主旨からすると、最後のひと押しにはなるかもしれないけれども基本的には警報の段階で逃げるということをずっと言ってこられたと思いますが、そういうことを含めて今回の避難の伝わり方というのをどのように捉えていらっしゃるかということを伺います。
A 自治体へのヒアリング等の調査、これは既に大阪管区気象台あるいは東京管区気象台に実施するようにという指示を行っております。具体的な時期についてはできるだけ早くということを考えますが、自治体が復旧段階であるということもありますので、その状況を見て自治体と調整しながらできるだけ早めに実施したいとは考えております。結果がいつ出てくるかというのは、現段階で申し上げる情報を持っておりません。
 周知ですが、これについてはしっかり今後とも努力をしていくということを考えております。避難勧告や指示との関係、これにつきましては、消防庁とも連携して、その考え方等について自治体にお伝えし、具体的な地域防災計画に書いていただくということが重要かと思っております。今回、例えば福知山ですと、警報の段階から避難準備情報、避難勧告、さらに特別警報で避難指示ということで、段階を追って我々の情報と相当連携してそういう対応をとったというのが見えますが、京都の場合、若干福知山と違うようなところもあって、自治体あるいは都市の関係によって、いろいろな判断の違いもあります。そういった状況も総合的に勘案して気象台から自治体へ説明して、一歩でも進んでいくというようにしたいと思います。

Q 現状での一部の自治体では周知の作業が進展していなかったということもあるということですが、気象庁としての把握として、何か所の自治体が、どれくらいの自治体が、そのような状況に陥っていたのかというような把握状況があるのかということと、ヒアリングについてなのですが、基本的には自治体というような表現になっていますが、自治体の担当者のみなのか、それとも一般の方も含めての調査を行う予定なのか、もう少し調査の詳細等ありましたら教えてください。
A 具体的な調査内容については今後詰めていくということになるかとは思いますが、まずは府県と調整して、市町村等の調査を進めていくという話になろうかと思います。また、住民等についても、特別警報を聞いてどのように対応をとったのかというのも一部は調査する必要があろうかと思いますが、具体的にどう進めるかというのはこれからということです。
 周知の措置の把握状況といいますと、実際我々はまだ調査していませんので、データを持っておりません。報道等の状況のみということです。

Q 周知なのですが、一言で周知と言っても、防災無線で流したりですとか、色々な手段があると思うのですが、なかなか状況によって一律に何をもって周知となすかを設けるのは難しいと思うのですが、一方で、結果的に何もしなかったというのもよろしくないと思いますが、そこの線引きといいますか、運用をどのようにお考えでしょうか。
A 法令上、直ちに周知の措置をとっていただくということで、自治体が保有する様々な手段があります。今回はエリアメールとか、様々な防災行政無線で伝えるという話、あるいは有線で伝えるというものもありますので、自治体が保有するものを最大限利用いただいて、ただちに周知いただくということが重要かと思います。特別警報のみでなく、やはり災害の状況も含めて、あるいは避難勧告・指示等の情報も含めて総合的にお伝えいただくということも可能かと考えております。その点についても自治体と連携を進めていきたいと思っております。

Q 今回の大雨特別警報は、大雨特別警報自体、土砂災害中心への警戒ですが、今回洪水被害がひどかったと思います。洪水についての特別警報の必要性、また、指定河川洪水予報が既にレベル化でありますが、そのあたりとの調整とかが改めて必要なのか、そのあたりをどのようにお考えでしょうか。
A 指定河川洪水予報ということで、実際の水位に基づいて、河川を特定して発表しているということがありますので、特別警報に相当するような段階的な情報が既に存在しているということがありますので、現時点においては洪水予報は現状のまま進めていくということです。地方の河川事務所と気象台が共同で発表しています。指定河川洪水予報の枠組みでそういう情報が自治体に伝えられることによって、また、大雨の特別警報と併せていくことによって、総合的な判断が自治体によってなされると考えております。

Q なかなか一般の方には指定河川洪水予報は伝わりきれていないというか、周知がなかなかうまくいっておりませんが、そのあたりはいかがでしょうか。
A その点も含めて、国土交通本省とも連携して、大雨特別警報と併せて周知していくことが重要と考えております。

Q 周知措置の義務の関係ですが、仮に今後の調査で、そういう義務を果たしていないことが確認された場合、当該の自治体に対してどういう対応をすることになりますか。
A 実際、周知の措置をとっていないということが確認されますと、我々の特別警報の主旨というのを再度ご理解いただいて、次には確実にしっかりお伝えいただくということについて協力を求めていく、これが最も重要なことだと思っております。それによって住民の生命・財産を守っていただくために、周知の措置を必ずとっていただくということにつなげていくことが重要だと思います。

Q 何か指導とか、注意とかではなくて、理解を求めていくということでしょうか。
A 理解を求めて、次は必ず行っていただくということにつなげることが重要だと思います。

Q 自治体へのヒアリングですが、これは今回特別警報が出た県と、その市町村ということになりますでしょうか。
A 気象庁では、大きな災害が発生したときに、あるいは警報を発表したときに、多くの気象台でヒアリングをしますので、当然特別警報に限らず、今回の台風の情報を発表した地域で、かなり被害が出たという地域については、地元気象台あるいは管区気象台の判断で積極的に調査・ヒアリングを行うということを考えています。

Q 3府県以外でも、ということでしょうか。気象庁として、大体何県位とかありますか。
A 今回は被害等の地域が相当広いですから、都道府県の数でいったら数十になるのではないかと思います。先程言いましたように、気象庁は、警報等を発表し、被害が出るような状況の場合に、かなりの割合で都道府県あるいは市町村から意見を聞いて、次の警報の運用に活かしていくという取り組みをずっとやってきておりますので、その一環として当然今回の台風第18号では、これだけの被害が出ておりますので、様々な調査を行うことになると思います。

Q 特別警報について、その地域で「50年に一度」とか「数十年に一度」ということを繰り返し気象庁のほうでも言っているとは思うのですが、テレビ等でも度々、それは自分の所の地域だけに限らず毎回どんどん流れることになるわけで、それに対しての慣れという部分も考えられるのではないかと思うのですが、それについては今後どのように対応していくお考えでしょうか。
A 実際今回発表した事例を見ましても、かなりの重大な災害が発生していますので、そういう災害と特別警報というものを見聞きすることによって、安全な地域にいる人も、それによって再度、自らの住んでいる場所の安全確保をどうしたらよいのかということに考える機会につなげていただけたら非常にありがたいと思っております。逆に慣れるのではなく、あのような被害状況を見聞きして、自らの状況を見直す機会にしてほしいと思います。

Q 今回は特別警報が朝方で、避難に上手くつながらなかったという面もあると思うのですけれども、このタイミングの難しさや、今回早めに、基準に至る前に出していますけれども、夜間、夜中に発表することの難しさについて何かご発言があればお願いします。
A 特に台風の場合は、数日前から危険が高まっている状況についてお知らせしていますので、避難が必要となるような地域にお住まいの方は早め早めに対応いただくということがポイントではないかと思います。今回の台風第18号も、危ない地域に住んでいる方は上陸の前の明るいうちに避難していただくということがポイントではないかと思います。特別警報を待たずに早め早めに対応いただくということが自らの身を守るということで重要かと思います。また、今回、夜間あるいは早朝ですので、こういった場合には予報課長の会見でも言っておりますが、やはり避難することが逆に危なくなりますので、洪水や浸水の場合ですと2階に避難するなど、周囲の状況に応じた行動が非常に重要ですので、そういったことも念頭に対応いただきたいと思います。

Q 特別警報の自治体への周知措置についてなのですが、まず、今回特別警報が出た地域はあまり災害がなく、対応がなかなか難しかったという声が上がっているわけですが、地域によって実情が違ったり、あるいは今回京都府からはエリアメールが出ていましたが、市町村の中には「京都府が出しているということで出さなかった」というところもあるわけで、市町村が少なくとも「府がやっていればいいじゃないか」という判断もありえるわけです。そういう点、システムが法律で一律に取り決めてしまっているわけなのですけれども、柔軟に対応する必要があるのではないかと思います。そのあたり、あくまで「市町村が考えて気象庁がやってもらいたい」という姿勢なのか、ある程度気象庁のほうで柔軟に説明をしていく方策を考えていくのか、どうでしょうか。
A 周知の措置については、市町村にも課したからといって、市町村だけにお願いするというものではないと思っています。当然報道機関は極めて重要な役割をしていますし、また、津波警報や緊急地震速報のように我々が携帯事業者等に協力を求めて実施している例もありますし、我々としても特別警報についてそういった形での携帯事業者への協力の要請、あるいは消防庁との連携など、様々な手段を用いるということが重要かと思います。多様な手段で、色々な手立てで情報が行くということが重要かと思います。また今回、府と市の話がありましたが、これについてもダブってもよいからということで、多様な手段でどんどん住民に情報をお伝えするということが重要と思っています。

Q 最終的には住民に伝達されればということが重要だと思うのですが、先程住民への調査も行うということでしたが、今回特別警報が初めて発令されまして、実際住民がどう行動したのかというのが非常に重要な部分かと思うのですが、この住民を対象にした調査をどの程度の規模でやられるかお考えをお聞かせください。被害が甚大なところと、そうでないところと、地域バランスが色々とあると思いますが、当然考えられているのでしょうか。
A (予報部担当)現時点ではアンケート調査をやろうとは思っているのですが、規模と経費の兼ね合いもあるので、検討しているところです。また、詳しい専門の先生等とも相談しながらそういう規模や対象地域を考えてやりたいと思います。

 緊急地震速報もいろいろと調査しておりますが、この調査の際には災害の専門家にもご意見を聞きつつ、調査内容や広がりを助言をいただきながらやっておりますので、そういった形で進めていくということだと思います。

Q 規模はこれからだと思いますが、少なくとも特別警報が出された3府県の住民という理解でいいですか。それより外に広がることもありえるわけですか。
A (予報部担当)それは外せないとは思っています。広がりについては、詳しい専門家の意見も聞いてやっていきたいと思います。

Q 防災情報のレベル化について、レベル4が上限のことに関して若干誤解のあるような話をされていたと思うのですが、この間示された原案から最終報告書になるにあたって、5段階というレベルが、また違う4であるとかそういう数になることもありえるということでしょうか。
A 5段階という数字はまったく変更はありません。ただ実際我々が災害のポテンシャルで発表する大雨等の関係につきましては、警戒レベル1から4、4が上限であるということが明快にわかるようにしておきたいと考えています。そうしないと4の上に常に5があるというような受け止め方をされますと若干逆にマイナスの影響になってしまうということで、大雨について、例えば情報、注意報、警報、特別警報と4段階で4が最高であるということが明示的にわかるようにしたいというところです。

Q 最初、報告書の中身で大雨に関してはレベル4が最高だということを明記するということでしょうか。
A 明示的にわかるようにしたいということです。大雨というか、通常の気象の大雨・高潮・高波は4が最高になりますので、その点についてわかるようにしていきたいと思っています。

Q 今の点の確認なのですが、警戒を呼びかけているときには4までで、後になって結果的に「災害の状況を見てこれは5でした」という、そういう使い方はしますか。
A それについては想定しておりません。現在想定されますものは、土砂災害で検知システムを国土交通省水管理・国土保全局のほうで整備しておりますので、そのシステムを整備して検知された、土砂に関わる情報についてレベル5というものを用意してあるということになります。

Q 確認なのですが、土砂災害だけが5があって、他は4止まりということですか。
A 気象庁だけで発表するものは4止まりです。

Q 洪水に関してはいかがですか。
A 洪水に関しては指定河川洪水予報というものがあって、それについては「はん濫発生」も含めてレベルが5に分かれているということです。

Q この場合、わかりやすさという観点からはどうでしょうか。今の説明を聞いただけでもわかりにくいと思うのですが、長官の今の印象としてはいかがでしょうか。
A 実際上、4が上限であるということについてはしっかりと周知していく必要があろうかと思います。その点については、やはり数字が上がることによって危機感が伝わっていくということがありますので、その点はわかりやすくなってくるのではないかと思います。

Q 逆に、「5なのですよ」という大前提があると、「やっぱり5だ」というものを我々自身書かざるをえなかったりする部分もあります。その中で、「でも気象庁が発表する、例えばテレビとかで流れるような警報はレベル4が最高です」となると、逆に一般の方々からすると「何が違うの」とか、わかりにくいような気がします。そこで、例えば今さらな論で恐縮なのですが、逆にその4段階の評価というものにして、別の特記として逆に5があるとか、大枠はそもそも4とする筋道とかはなかったのでしょうか。つまりは、4段階にまとめ直すという可能性もあるということですか。
A 方向性については、今、原案の段階ですので、そういう形で、例えばわかりやすく書けるように、内容を検討・調整していきたいと思っております。土砂については5としていますが、気象のほうは4段階だということがわかるように書き込んでいくという形です。

Q そのあたりの考え方については、検討会の委員の皆さんや座長ともコンセンサスが取れている考え方ということでよいのでしょうか。
A 最後の検討会で私がお話しして、座長も含めてご理解いただいているものと認識しております。


(以上)

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