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長官記者会見要旨(平成25年7月18日)

会見日時等

平成25年7月18日(木) 14時00分~14時20分
於:気象庁会見室


発言要旨

 本日は、初めに特別警報の運用開始に向けた準備状況について、次に秋田焼山への噴火警戒レベルの導入についてお話しします。そして最後に、大雨と熱中症への注意、これら3点についてお話をさせていだたきます。

 まず、特別警報ですが、法律が公布された5月31日から文書にて各都道府県、市町村に、約1か月間ご意見を伺いました。この意見を伺いましたところ、現在全ての都道府県から回答をいただいております。ここに関係する都道府県、市町村の方々に深く感謝を申し上げたいと思います。
 いただいた回答について、全体を見ますと、まず第一に発表基準について、これまで我々気象庁側が地元気象台等から説明をしてきたわけですが、不十分な点もありましたところから、若干の質問をいただいています。さらに発表基準についても、降水量など、量的により具体的に示すべきなどという意見もいただいております。また、運用に際しましては、気象台からの早めの事前連絡、特別警報の可能性等についての事前連絡が欲しい、あるいは特別警報発表についてのリードタイム、これを確保してほしいというような要望がありました。
 これらの意見や要望は貴重なものでありますので、気象庁としてもそれらに考え方を付しまして、現在地元気象台を通じてご意見等をいただいた都道府県に直接説明し、改めてご理解を求めているところです。
 特別警報の発表基準は今月末に発表したいと考えておりますが、全国の都道府県等からいただいた意見等につきましては、全国の関係者、特に都道府県、市町村の防災担当者が共通の認識や理解を得るということにも、極めて貴重な情報になると考えております。このため、都道府県等の了解が得られましたら、いただいた意見あるいは要望等につきまして気象庁としての考え方を付してホームページ等で公表していきたいと考えております。

 次に、特別警報を的確に活用していただくということについては、やはり最終的には住民、国民の皆様に特別警報の内容をご理解いただくということが重要です。このため、気象庁では引き続き周知広報活動に力を入れてまいりたいと考えております。これまで第1弾のリーフレットを作成し、関係する都道府県、市町村等に配布しております。これにつきまして急ぎ行いましたが、今後につきましては、緊急地震速報あるいは津波警報の改善のときの本庁あるいは全国の気象台を通じた周知・広報活動の経験を十分活かして、全庁的に様々な取り組みを進めていきたいと考えております。具体的にはご承知のことと思いますが、第1に政府広報、これについてはインターネットテレビ、ラジオ放送、新聞広告など多くの広報手段がありますので、これをフルに活用していきたいと考えております。第2には、ポスターあるいはリーフレットです。リーフレットにつきましては第2弾の作成を今進めているところです。第3には、自治体の広報誌、これは多くの自治体で広報誌を持っていますので、そこに発表基準あるいは運用について掲載いただくというふうに働きかけを行っていきたいと思っております。第4には、本庁のみならず地方における広報活動というのが重要ですので、気象台長が率先して広報にあたるというふうに本庁のほうから指示を出しているところです。地方ローカル局あるいはFM放送等ありますが、これらとの連携、さらには各種イベント、これから夏に向けて様々ありますが、そういうイベントを通じた広報というものを積極的に進めていきたいと考えています。引き続き中央の報道キー局も含めまして報道関係の皆さまには積極的なご協力をよろしくお願い申しあげたいと考えております。
 特別警報は8月30日からの運用開始を予定しておりますが、円滑な運用開始ということが重要ですので、新たな電文の配信という点を含めまして報道関係者とは、技術的な情報交換を幾度か進めてきたところです。本日18日からは新たな電文の配信試験を予定しておりましたが、東北地方の大雨の関係もありまして、本日ではなく明日に延期させていただこうと考えております。さらに、いずれにしましても運用開始までには5回ほど配信試験を行い、さらに直前には同様の試験を行い、円滑な運用開始を目指したいと思っております。引き続き報道関係者も含めましてご協力方よろしくお願い申し上げたいと思います。
 ところで先月も申し上げましたが、特別警報の運用開始以前におきましても、特別警報の基準に匹敵するような大雨等が予想される場合には、その旨を記者会見、あるいは関係する自治体にお知らせするというような暫定的な措置をとりたいということを考えており、現在も大雨等について厳重な監視をしているところです。なお、先日の山陰地方の大雨については注意深く監視し、警報あるいは土砂災害警戒情報等を発表しておりますが、特別警報の発表基準には達しておりません。

 次に、秋田焼山の噴火警戒レベルの運用開始に移りますが、先般、7月10日にお知らせしましたとおり、25日13時より秋田焼山に噴火警戒レベルの運用を開始いたします。これにより、噴火警戒レベルを運用している火山は29から30となります。今後も、地元自治体等と噴火警戒レベルを活用した火山防災対策を気象庁としても積極的に推進し、全国で47という火山を目指しておりますが、残りました火山につきましても準備の整ったところから順次、噴火警戒レベルの導入を行っていきたいと考えております。

 最後に、大雨および熱中症への注意ということについてお話しいたします。
 梅雨明け前の北陸地方、東北地方ではたびたび大雨となっておりまして、本日も東北地方を中心に大雨が降っております。梅雨明けした中国地方でもご承知のように7月15日、総降水量が200ミリを超える大雨となりました。引き続き気象庁の発表する警報等の防災気象情報や地元自治体が発表する避難に関する情報等に注意いただき、川や崖など危険な場所には近づかず、ぜひ早め早めの避難等を心がけていただきたいと思います。
 また、各地で発達した積乱雲による局地的な大雨等が発生しておりまして、これにより落雷による死亡事故あるいは突風被害というのも比較的今年は多く発生しております。気象庁が時間を追って段階的に発表しております気象情報や雷注意報、竜巻注意情報をご利用いただくとともに、気象庁ホームページ、さらには携帯電話等からも入手できます、降水ナウキャスト、雷ナウキャスト、さらに巻発生確度ナウキャストといったものもご利用いただきたいと思っております。特に夏は屋外での活動が活発な季節ですので、雷や急な風の変化など積乱雲が近づく兆候がありましたら、頑丈な建物内に移動するなど、安全を確保いただきたいと考えております。
 次に熱中症ですが、今月に入って平年に比べて早く梅雨が明けたということもあり、各地で連日猛暑となっており、熱中症患者が急増しております。
 この夏は、季節予報によりますと平年並か高い気温の予報になっていますので、各地の気象台が発表します高温注意情報や気象庁ホームページの熱中症に関するポータルサイト、これは関係省庁とも結んでおりますが、こういうものも活用いただき、熱中症に十分注意いただきたいと思っております。
 終わりに毎回お願いしておりますが、東北地方太平洋沖地震の余震につきましても、今後もまれに強い揺れや津波を伴うような余震の可能性もあります。周辺地域も含めて、引き続き注意をお願いしたいと思います。

 以上です。


主な質疑応答

Q 特別警報に関連して、防災気象情報の改善に関する検討会の中でも意見がありましたが、レベル化の議論との関係が若干分かりにくいという指摘がありました。自治体のほうからもそのような意見があったのかどうか教えてください。また、先程おっしゃられた特別警報のリードタイムの確保の要望があったということですが、それに対して気象庁としてはどのように考えているのか、意見をお聞かせください。
A 現在、意見については整理し、さらに具体的に考え方を各地方気象台から自治体(都道府県)へ説明をしておりますが、具体的な意見として「防災気象情報の改善に関する検討会」で我々が提案しましたレベル化との関係についての意見は挙がってきていません。一方、リードタイム、これは我々気象庁としてしっかりと予測技術を高めて可能な限り十分なリードタイムを取っていくことが重要と考えております。現時点におきまして大雨災害、集中豪雨につきましてはリードタイムの確保は難しい場合もありますが、少なくとも台風につきましては十分なリードタイムをとって発表できるように今後も技術開発を進めていきたいと思っております。

Q 特別警報に関連して、自治体からの意見としていくつか、リードタイムとか基準に関するものがありましたが、ほかにどんな意見があったのかもう少しご紹介いただきたいです。2点目として、リードタイムの話があり、現象によってリードタイムが難しい場合があると思います。事前連絡について自治体としては急な大雨でも時間がなくても、確実に伝えるためにも事前連絡は欲しいところだと思いますが、そこは気象庁としてはどう要望に応えていくのか教えてください。
A 自治体の発表基準に関する意見について、やはり「数十年に一度」という定性的な表現でありますので、それについてもう少し量的な基準、指標や目安を示してほしいということもあり、50年に一度の降水量等のマップなどについても併せて説明し、順次各都道府県の担当者のご理解を得てきているところです。具体的には、降水量等のマップの状況も含めて丁寧に説明していく必要があろうかと思っております。また、事前連絡の話ですが、現象というのは段階的に進みますので、場合によっては先程ありましたように、集中豪雨等、十分な時間もとれない場合もありますが、できる限り早期に特別警報の発表の可能性がある段階からお知らせできるように、例えば記者発表や気象情報の中でその可能性に言及するということが挙げられます。現在注意報の中で、警報の発表の可能性について言及している場合がありますが、そういった形で、通常のルートでお知らせするということです。また、都道府県につきましても「事前連絡を」というご要望もありますが、様々な手段が考えられると思いますので、手段も含めて現在予報部のほうで検討をさせていただいているところです。都道府県プラス市町村ですとかなり数が多くなりますので、この辺は単にすべて電話連絡ということでは物理的に限界もありますので、その手法も含めてしっかりと検討し、効率的にかつ効果的な手法というものを選択していきたいと思っております。

Q 今検討されている段階では電話連絡には限界があるという話で、それ以外に何か考えられるものやツールはあるのでしょうか。
A 具体的には台風のような説明会です。説明会は必ずやろうと思いますし、都道府県ですとネットワークを持っていますので、県のネットワークを通じて解説を加える等、様々あると思います。具体的には一つ一つ自治体によって環境が違いますので、自治体の状況を地元気象台が把握して、最善の策をとっていくことになろうかと思います。現在、九州や沖縄など大雨災害の多い地域では、自治体の持っている防災ネットワークを通じて解説を加えたり、テレビ会議等を通じて解説を加えたり、様々やっておりますので、そういうものをフルに活用していくということが重要と思っております。

Q 特別警報に関連して、自治体から経費について、特別警報に対応するのもそうですし、その後もしレベル化というと、また3年後とかにいろいろシステム変えたりすると思いますが、経費について困っているというような意見というのはどれぐらいありますか。
A 経費についての意見は多くはなかったのではないかと思います。これについては我々の情報を変えますと、システムの改修が必要な場合もありますので、そこのところは常に自治体から要望が挙がってきているものです。この点については関係省庁とも連携しながら進めていきたいと考えております。いずれにしましても、できるだけシステム改修に関する負担がないような形で今回進めております。今後レベル化を導入する場合はかなり大規模な変更になるかと思いますが、その場合にはやはり短時間での対応は困難ですので、十分な予算措置が県、市町村にもできるような時間的な余裕を持って準備を開始する必要があるかとは思います。数年とかそういう単位を視野に入れる必要があると思います。

Q 例えば補助金みたいなものを考えているとか、そういうものを政府に要請するとかはありますか。
A 防災行政無線等の補助金の問題は、常に存在しているもので、各県が関係省庁に要請しているものと思っております。それはそちらのほうのラインでお願いするものと認識しております。

Q 事前連絡に関して、気象庁としては可能な限り事前連絡、例えば「特別警報を出しますよ」とかそういうことを何らかの形でできるようにしていきたいという方針なのでしょうか。それとも無理な場合もあるのでしょうか。
A 監視していて技術的に無理な場合もあろうかとは思いますが、可能なものについてはできる限り記者会見も含めて対応させていただくということが、より効果を高めると考えておりますので、その点はしっかりやっていきたいと考えています。

Q 急な現象に関しては、テレビ会議とか記者会見は間に合わないと思いますが、いかがでしょうか。
A 間に合わない場合もあろうかと思いますが、可能なものはできる限り対応させていただきたいと考えております。

Q 急な現象に関しては、自治体にはなるべく連絡をできるようにするということでしょうか。
A 実際上間に合わない場合もありうるというのは前提ではありますが、最善の努力はします。

Q 事前連絡というものがよくわからず、事前の連絡ができるのなら発表すればよいと思うのですが、事前の連絡というのは何を伝えるものなのでしょうか。
A 実際、今言われたように、現象がしっかりと確度高く予想できるというのであればそれを発表すればよいという論理はあろうかと思いますが、そうではなくまだ可能性はあったとしても実際に発表する段階になるかどうか、確度が高まっていないような状況でありますので、そういうものについては、発表しない場合もあるということを前提に安全サイドに立ってお知らせしていくということになろうかと思います。

Q 例えば発表を検討しているとか、可能性も十分あるけれども場合によっては発表しないというケースもあるというようなことをお知らせするようなことを想定されているのでしょうか。
A 自然現象なのでイチ、ゼロでは行かないケースが多々ありますので、そこのところをカバーしていくというためにも、できるだけ安全サイドに立って、可能性を検討する段階から情報を発信することが重要かと思います。

Q 我々メディアに対して発表する可能性があるとなると、それがニュースになったり、会見がそのまま流れたりして、結果的にその後発表しなかったということがあるかと思いますが、会見などの公の場ではないところで、関係者に「もしかしたらあるかもしれないので心づもりをしといてね」と伝えるケースもありうるのでしょうか。
A ありうるとは思います。


(以上)

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