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長官記者会見要旨(平成25年6月20日)

会見日時等

平成25年6月20日(木) 14時00分~14時15分
於:気象庁会見室


発言要旨

 本日は、2点ほど報告させていただきます。まず第1点目は、「特別警報」の運用開始に向けた準備状況についてお話しします。次に梅雨期の注意点、この2点についてお話をいたします。

 まず、特別警報についてです。
 警報基準をはるかに上回るような現象が予想されるといったときに、その旨を防災関係機関や住民にお伝えするという趣旨で、特別警報の導入のために気象業務法の改正を進めてきましたが、おかげさまで国会において5月24日に成立し、5月31日に公布されました。
 これを受けて、現在特別警報の運用開始に向けて、関係機関の協力もいただきながら、急ぎ準備を進めております。
 現在、法律に基づきまして、特別警報の発表基準について都道府県、市町村にご意見を伺っているところです。これにつきましては、公布当日の5月31日に書面で都道府県に意見を聴くという手続きに入っております。これと併せて、書面での照会に加えまして、改正法成立以前から都道府県などには説明しておりますが、直接的な説明会を催すといったことも行いまして、ご理解を深めていただくという努力をしております。また、現在全国規模で各地の気象台から県等に説明しそれを踏まえたうえで、ご意見を今月の28日までにいただくこととしております。また、先週の10日(月)に本庁でも都道府県を対象に説明会を開催しまして、26の都道府県に参加いただきまして、意見交換あるいはご要望等を伺ったところです。
 また、特別警報の広報活動は極めて重要ですので、本年3月7日の津波警報の改善の時も報道等関係機関にご協力をいただきつつ様々な取り組みを進めましたが、こういった経験を活かしながら、地方自治体、報道機関の協力も得て、全国の気象台を通じて、全庁的に取り組んでいきたいと思っております。特に最終的にご利用いただく国民の皆様に身の安全を守っていただくということが重要ですので、特別警報が発表されたときにどのような適切な行動をとっていただくといった観点から、その意味付けや位置付けについて、普及啓発を進めてまいりたいと思っております。
 一方、地方自治体等の防災関係機関あるいは報道機関等につきましては、気象庁から特別警報の警報事項の通知を受ける、あるいは周知に協力をいただくという利用者ですので、新たに作成することとしている特別警報に関する電文を適切にご利用いただくという観点から、配信試験を7月半ばから開始したいと考えております。この点につきましては、関係者の皆様と調整しながら8月下旬までに順次何回か試験を行い、円滑な運用開始を目指したいと思います。
 これらの準備に必要な期間を考えまして、現在特別警報の運用開始の予定日時を考えておりますが、8月30日(金)午前0時を予定日として今後作業を進めたいと思っております。正式には後日、政令で決定されます。また、8月30日の実施に向けましては、今後とも報道機関を始め、関係者の皆様のご協力をお願い申し上げます。
 なお、特別警報の運用を開始する以前、つまりはこれから8月30日までの間においても、集中豪雨、あるいは台風等による大規模な災害の起こるおそれがあると予想される場合には、つまりは匹敵するような現象であるということを我々が検知しましたら、記者会見を開く、あるいは地方自治体等にお伝えするということで、特別警報に匹敵する現象が予想されるという旨の注意を喚起し、厳重な警戒あるいは対策を取っていただくということを考えております。

 次に、特別警報とも関係しますが、梅雨期の注意点についてです。
 本日も、梅雨前線が西日本から伊豆諸島に延びている状況です。また、台風第4号が沖縄の西の東シナ海を北上し、さらに九州に接近するおそれがあります。明日21日にかけて前線はほぼ同じ位置に停滞し、前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むということで、前線活動が引き続き活発ということですので、注意をお願いし、特に最新の気象情報をご確認いただき、早め早めの対応をとっていただきたいと思います。
 今年も、これから梅雨末期にかけて大雨となりやすい時期となりますが、毎年、各地で集中豪雨等による河川の急な増水・氾濫、内水氾濫、土砂崩れ、竜巻等の突風により多数の人的被害及び住家等の被害が生じています。昨年は、記憶に新しいですが、平成24年7月に九州北部豪雨で多くの人命が失われております。
 このような大雨の時には、気象庁が発表する警報等の防災気象情報、さらには地元自治体が発表する避難等の情報に注意するとともに、川や崖など危険な場所には絶対に近付かない、あるいはできるだけ早め早めの避難等、あるいは安全の確保を図るといった行動に心がけていただきたいと思います。また、浸水あるいは氾濫が起こっている中で避難等を行いますと、大きな危険がはらんでいますので、そのような状況では、個人個人の置かれた状況によって判断し、例えば2階に避難するということもありますので、その状況を踏まえて身の安全の確保をお願いしたいと思います。
 いずれにしましても、大雨等による災害は、どのような避難等の安全確保行動を選択すべきかは、災害の種類により、さらに個々人の置かれた状況によって異なってまいります。このため、国民一人一人が自らの判断を行うことが大切です。特に、日頃からの事前の準備として、避難先や安全確保のための行動について、個人個人が家族や地域とともに考え、備え、その時に実際に身を守る行動に移せることが重要です。
 気象庁としましても、全国の気象台において大雨等の状況を監視し、的確に予警報等の発表等に努めたいと考えております。また、8月30日を予定している特別警報の運用開始に向けて、関係機関にもご協力をいただきながら着実に準備を進めたいと考えております。

 最後に、毎回お願いしていますが、「東北地方太平洋沖地震」の余震について、今後もまれに強い揺れ、あるいは津波を伴うような地震が発生することがあります。また、周辺地域も含めて、引き続き活動が活発なところもありますので注意をお願いします。

 以上です。


主な質疑応答

Q 特別警報に関して、今回初めて運用開始日が具体的に示されたわけですが、特別警報とはどういう状況で発表されるもので、気象庁としては発表を受けてどのように行動してほしいといったことを改めてお聞かせください。
A 特別警報につきましては、昨年の九州北部豪雨、あるいは一昨年の台風第12号の大規模な災害というものを踏まえまして、従前の警報の基準をはるかに超えるような大雨が発生し、それによって大規模な災害となっているということがあります。警報発表後、特別警報を発表することによって、我々の考えている基準でいいますと「数十年に1回」という、人生の中でこれまで経験のないような非常事態であるということをお伝えする警報ですので、それを受けましたら最善の策をとって身を守っていただくということが重要と思っています。特に大雨等にかかわる災害の場合は、先程私のほうから言いましたように、個々人の置かれている状況によって違います。激しい雨が継続的に降っているようなところで避難するということは、逆に避難所に行くことが危険な場合もありますし、そのあたりも踏まえまして、日頃から避難等の安全確保行動を自ら考えて、具体的に特別警報が発表されたときに行動に移すことができるというような心構えを備えていただけたらありがたいと思います。

Q 自治体にとっては避難勧告、避難の呼びかけとこの特別警報をどう結びつけたらよいか悩んでいるところがあると思うのですが、そこの考え方はいかがでしょうか。
A 避難勧告、避難指示は最終的には自治体の首長の判断によるものですが、我々としましては特別警報が発表されましたら、少なくとも直ちに避難勧告、あるいは避難指示の判断をしていただきたいと考えています。この点につきましては、現在公式に発表基準の意見聴取ということをやっていますが、この意見聴取のプロセスの中で避難勧告、避難指示との関係について、より深く自治体等の関係者とお話しし、結果として地域防災計画等に反映できるようなことになればと思っています。

Q 今回の大雨は、要するに特別警報を出すような事例にはならないですよね。
A 今回の大雨は警報等を発表する基準には達していますが、重大な災害が発生するおそれが著しく大きい場合に発表する特別警報にはあたらないと考えています。いずれにしても、こういった警報基準レベルの大雨でも災害は個々で発生している状況ですので、危険な地域にお住まいの方は早め早めの対応をお願いしたいと思います。

Q 周知と広報が非常に大事だという話がありました。公布から1か月ぐらい経って、運用まであと2か月なのですが、今のところの広報は長官から見て国民に浸透しているのか、まだまだなのか、どのようにお感じでしょうか。
A これからだと思います。これから8月30日までが重要ではないかと思います。したがいまして、これから記者の方々にも積極的に協力いただきつつ、また気象庁自らもしっかりと対応して、本庁に加えて、地方の地元気象台も含めて、組織的に対応したいと思います。この点につきましては、気象庁は緊急地震速報を導入した際、あるいは津波警報を改善した際、様々な取り組みを本庁、気象台でやってきましたので、こういった個々の取り組みを総動員して対応していきたいとは思っています。通常でいえば、リーフレットですとか、パンフレットですとか、色々ありますが、そういうものを総動員していくということを考えています。

Q 8月30日までに一番感じるハードルといいますか、自治体からの意見聴取をしている最中だとは思いますが、今までのそういった作業の中で浮かび上がってきた課題みたいなものがありましたら教えてください。
A 現時点では説明会を設けるなどして自治体等に説明しご意見を聞きますと、好意的、あるいは「よい施策である」という反応をいただいていると思っています。「具体的にどう運用するかということが見えない」といった意見もありますので、そういった点を解消していく努力が重要と思っています。この点は地方自治体にも説明を何度かしていますが、今後、何回か地元気象台を通じて都道府県等に接触して、丁寧に対応していく必要があると思います。一方、運用に向けた準備についてはかなり順調にいっていると思っていますが、いずれにしても時間が短いというところもありますので、報道機関の協力もいただきつつ、地方自治体等の関係機関とも連携・協力し、丁寧な対応をしていきたいと思っています。


(以上)

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