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長官記者会見要旨(平成24年10月18日)

会見日時等

平成24年10月18日(木) 14時00分~14時15分
於:気象庁会見室

発言要旨

 本日の会見では、先ず、先週開催しました「防災気象情報の改善に関する検討会」について、次に来週予定しています「長周期地震動に関する情報検討会」についてお話しいたします。また、この冬に向けて昨日報道発表しましたが、「異常天候早期警戒情報」に降雪の情報を加える改善についてもお話しします。さらに、来月予定しています「津波防災講演会」についても簡単に触れさせていただきます。

 はじめに、先週木曜日(10月11日)に開催した「防災気象情報の改善に関する検討会」についてです。
 気象庁は、大雨・台風・突風等の激しい気象に関する様々な防災情報を発表していますが、予測精度や情報体系の分かりにくさなどの課題があります。また、地方自治体や国民等において、避難等の具体的な防災活動や行動に必ずしも十分に結びついていないと認識しています。このため、防災気象情報のあり方と改善の方向性について、向こう10年間程度の中長期的な視点で検討していただくため、新たに検討会を設置しました。先週開催した第1回検討会では、事務局から予測技術や気象庁が発表している防災気象情報の現状について説明し、そのうえで各委員の皆様から課題と考えられていることについて様々有益なご意見をいただくことができました。今後、検討会につきましては、予測技術の現状を踏まえた上で、自治体や国民等の受け手の立場に立った情報の改善方策について、引き続きご議論し、さらに深めていただき、年度末には中間報告を、来年7月を目途にご提言をいただきたいと考えています。

 次に「長周期地震動に関する情報検討会」の開催についてお話しします。
 先(10月15日)に報道発表しましたが、来週月曜日(10月22日)に「長周期地震動に関する情報検討会」の第1回会合を開催します。これは、昨年度の「長周期地震動に関する情報のあり方検討会」の議論を踏まえてとりまとめた報告を受け、実際に発表する情報の内容、対象地域、提供手段などについて具体的に検討するものです。今回の検討会では、委員として前回参加いただいた地震工学・建築・防災情報の専門家や関係行政機関の方に加え、情報の提供や利用面についてもご意見を伺う必要があるため、新たに社会学の専門家や報道機関の方々にも参加いただき、多くのご意見をいただきたいと考えています。
 本検討会での議論を踏まえて、本年度以降の長周期地震動に関する情報の提供を順次実現して参りたいと思います。

 さて、先月(9月)は北日本を中心に記録的な高温となりました。この間、気象庁は、天気予報や週間天気予報、気象情報により高温について注意喚起し、さらに主に2週間目を対象として「異常天候早期警戒情報」を頻繁に発表し、気温が「かなり高い」可能性がある旨を注意喚起してきました。
 10月中旬になってようやく秋らしい天候となりましたが、これから冬を迎えますので、昨日(10月17日)報道発表しましたように、「異常天候早期警戒情報」において降雪に関して情報の改善を図ることとしました。これは予測精度について確認ができたことから行うもので、新たに日本海側の「降雪」に対する注意喚起を、この冬より開始いたします。
 この情報は、日本海側の降雪を対象として、主として2週間目の降雪量がかなり多くなる可能性が大きい場合に発表します。現象的には、冬型の気圧配置が持続し、数日にわたって降雪が予想される場合に発表します。この情報により、自治体が行う除排雪など各方面の対策において、1週間程度前からの事前準備などに役立てられることを期待しています。

 既に報道発表していますが、11月10日(土)に一橋講堂において「津波防災講演会」を開催します。この講演会は、津波から大切な命を守るために必要な知識を改めて一般の方々に知っていただくことを目的に開催します。できるだけ多くの方々にご参加していただきたいと思っていますので、報道各社にも講演会開催について広報にご協力いただけますと幸いです。

 最後に、台風への備えと、余震への注意についてお話しします。

 台風第17号は、9月末に大型で非常に強い勢力で沖縄・奄美を通過し、その後愛知県東部に上陸し、全国的に広い範囲で大雨と非常に強い風をもたらし、多くの被害が発生しました。また、台風が上陸した東海地方を中心に太平洋沿岸において過去に記録した最高潮位を上回る潮位を観測し、各地で高潮による被害も発生し特徴的な台風となりました。
 現在も、台風第21号が南大東島の北東海上に、第22号が日本の東海上にあり、船舶等の航行には注意が必要です。また、沖縄・奄美から東日本にかけては強風やうねりによる高波などの影響がありますので、引き続き最新の台風予報に注意をお願いします。
 なお、これから12月にかけては、年間で最も潮位が高い時期です。特に三陸沿岸では東北地方太平洋沖地震により地盤が沈下しておりますので、高潮・高波への特段の注意をお願いします。

 最後に、余震への注意のお願いです。
 「東北地方太平洋沖地震」の余震については、今後もまれに強い揺れや津波が発生する可能性もあります。周辺地域も含め、引き続き注意をお願いします。

 以上、私からのお話を終わります。


主な質疑応答

Q 日本地震学会が、地震予知は事実上不可能であるとして活動を変えていく方向でいくようですが、それについて長官はどうお考えでしょうか。
A 地震学会が、東北地方太平洋沖地震を受けまして、課題を整理し、地震予知を含めて議論をされていることは、承知しております。その中で検討されています行動計画案を見ますと、地震予知については、非常に困難であるとしているが原理的に不可能であることが証明された訳ではなく、地震発生の予測の研究は今後も基礎研究として継続する価値があるとも述べられております。
 気象庁としましても、地震予知について一般論としては非常に難しい点で地震学会と同様の認識をしていますが、地震予知について否定されたものではなく、東海地域においては、国内で唯一、プレート境界の震源域直上の陸域においてひずみ計等、近代的な観測網を稠密に整備していますので、引き続き、予知に向けて前兆すべり等の監視に取り組み、最善の努力をしていきたいと考えています。
 気象庁としましては、巨大地震の実態解明とともに我が国全体の地震学が発展することを期待しています。さらに、大学等での新たな研究成果のうち、地震直前に発生する現象に関わる成果については、東海地震の予知のために積極的に業務に取り入れて、監視を強化していきたいと思います。

Q 地震学会のことに関連してですが、今の認識では、東海に関しては予知の可能性もありますし、これからも取り組んでいくと。そうすると、今回このような案がまとまったことによって、気象庁の業務への影響について、今後何か考えられることがありますか。
A 地震学会の行動計画案によって、気象庁の業務自体に影響があるとは考えておりません。
 地震予知について否定されている訳ではありませんので、難しさはあるものの、稠密な観測網を敷いていますので、引き続き監視を強化し、予知情報の発表に向けて努力していきたいと思っております。

Q 地震学会では、「予知」と「予測」の言葉を両立して使い分けることで、短期的により確実なものについては「予知」、長期的に曖昧なものについては「予測」の言葉を使っていくとの方向性が出されています。気象庁では、「地震予知情報課」や伊豆東部の地震については「地震予測」などがありますが、これら言葉の使い方を変える考えはあるのでしょうか。
A 特にありません。
 基本的に「大規模地震対策特別措置法」並びに「気象業務法」に基づき「予知」の業務として行っているものは、引き続き同様の趣旨で使っていきたいと思っております。
 また、地震学会で「予知」と「予測」についての言葉の整理をされたようですが、「予知」と「予測」は全く次元の違う話ではなく、「予知」は「予測」に含まれるような概念として整理されているのではないかと、行動計画案の文章を読んで感じております。この点は、地震学会で十分議論されるものと認識しております。

Q 今、気象庁が行っている東海地震の予知についてですが、一般論として予知は非常に難しいものとの認識だと思いますが、今、気象庁が行っている東海地震予知についても、非常に難しいものだとの認識でしょうか。
A 予知ができるように努力しているところですが、前兆現象が現れずに地震が発生する可能性も我々は否定しておりませんので、その点の難しさはあると思います。そのためにも、様々な地震学のレベルでの現象解明を進めていただき、気象庁としては、最新の成果を積極的に取り入れて、予知についてより確度を高められるように努力していきたいと思います。



(以上)

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