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長官記者会見要旨(平成23年10月20日)

会見日時等

平成23年10月20日(木) 14時00分~14時15分
於:気象庁会見室

発言要旨

 前回9月15日の会見の後、9月21日に台風第15号が静岡県に上陸し、その後東海地方、関東地方、さらに東北地方を進み各地に大雨や暴風をもたらしました。これにより、多くの災害や交通等の障害がもたらされました。ここに被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。
 本日の会見では、まず台風第12号及び東北地方太平洋沖地震の被災地への対応状況、さらに先日発生しましたアデス障害、また、津波警報の改善に向けた検討会の開催等についてお話したいと思います。

 はじめに台風第12号ですが、甚大な土砂災害や洪水の被害が発生した紀伊半島では、今現在でも多くの方々が避難所生活を送られています。心よりお見舞いを申し上げます。また、河道閉塞等により土砂災害等の2次災害の危険性が高まり、引き続き厳重な監視が必要な状況ですので、大阪管区気象台、和歌山地方気象台、奈良地方気象台等の地元気象台を通して、整備局、県・市町村等による2次災害防止や復旧等の対策との連携を進めております。具体的には、雨の予測資料の提供など様々な形での支援や職員をリエゾンとして整備局に派遣して解説をするといった対応を行っているところです。

 次に、東北地方太平洋沖地震ですが、被災地は引き続き大雨や高潮等に非常に脆弱な状況が続いていますので、引き続き気象庁として警戒・注意のために情報を発信していきたいと思います。仮設住宅等の厳しい生活が続いており、寒さ対策が必要な季節になっていますので、気象庁の発表する天気予報、特に最低気温や雪等の予報に注意をお願いします。
 気象庁としましては、引き続き、注意報・警報等の気象情報の的確な発表に努めるとともに、地元気象台を通じて県・市町村等の復旧・復興との連携を進めて参りたいと思います。また、気象庁ホームページにポータルサイトを設けていますので、引き続ききめ細かな情報の発信に努めていきますので、ご利用をお願いします。

 次に、先日発生しました気象情報伝送処理システム(アデス)の障害及び地上気象観測装置のデータ処理の誤りの2件についてお話しします。
 国民の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしました。
 気象庁としましては、今回の障害等を受けて、原因箇所を特定し対策を講じたところです。特に、アデスにつきましては、再発防止策とともに、仮に今回のような障害が発生した場合においても、すぐに大阪の西日本システムに回線が切替えることができるように、作業手順の見直しを行ったところです。
 また、今後いくつかの更新整備作業が予定されていますので、観測装置やシステムの検証をさらに徹底し、更新作業の工程管理に万全を期すこととしています。これによって再発防止を図っていきたいと思います。

 次に、津波警報の改善に向けた取り組みについてです。
 9月12日に「東北地方太平洋沖地震による津波被害を踏まえた津波警報の改善の方向性」について取りまとめを行い、公表しました。この中で、警報での津波の高さの基準や区分、定性的な表現等については課題として残され、別途検討することとしております。
 今般、「津波警報等の発表基準等と情報文のあり方に関する検討会」を開催することにしました。検討会の委員には、地震・津波等の専門家、国・地方自治体の防災関係機関、報道機関、通信事業者や気象事業者に協力を求め、座長を阿部勝征東京大学名誉教授、副座長を田中淳東京大学総合防災情報研究センター長にお願いしております。第1回を来週の26日に開催する運びとなりましたが、検討会には年内を目途にご提言をいただきたいということでお願いしております。
 気象庁としましては、検討会からいただいた提言を踏まえて津波警報の第一報や津波観測情報の具体的な内容を新たに定め、関係システムの改修を進めたうえで、平成24年中には新しい津波警報の運用を開始したいと考えています。

 最後に、これまでの繰り返しになりますが、余震に対しての備えについてお話しします。
 東北地方太平洋沖地震の余震は次第に少なくなっておりますが、  今後もまれに大きな余震が発生する可能性がございます。場合によっては震度5弱以上の揺れの可能性がありますし、さらに大きな余震になりますと津波が発生する可能性もありますので、引き続き注意をお願いします。

 以上、私からのお話とさせていただきます。




主な質疑応答

Q アデスに関してですが、仮に再び障害が発生した場合の再発防止策を今回講じたということですが、システムの復旧までに大体どれくらいかかるということでしょうか。
A 作業手順の見直しを行ってスピードアップを図るということですが、具体的な数値としては予報部の方からお答えします。

 (予報部担当)概ね数十分での回線切替えを予定しております。

 今後十分にチェックして、回線切替えのスピードをアップする方向で考えています。アデスの次期システムについては、現在、平成24年度概算要求をしておりますが、より障害への対応がとりやすく、耐性のあるシステムに更新するべく考えていきたいと思っています。

Q 地震学会が先週終わったところですが、かなり色んな知見が出てきたと思います。率直に感想をお願いします。
A 私自身学会へは出ておりませんが、新聞記事等の中でかなり活発な学会のご議論を見ております。気象庁でも地震の解析をしておりますが、様々なデータが蓄積されていますので、これらについて地震学会が一丸となって全体で研究を行っていただいて、今回の地震等について解明を急いでいただきたいと思います。気象庁としては、それらの成果を活用して一歩でも着実に地震・津波業務について改善を進めたいと思っております。

Q 震災を受けて地震の予知というものに対する考え方も話題に上っておりまして、研究者の中には地震予知はできないのでやめた方がいいという意見もあるようですが、今回の震災を踏まえて東海・東南海地震の予知体制とか、南海トラフでの地震予知に進んでいく方向性とか、具体的なものはまだ出ないと思いますが、考えられていることがあればお聞かせください。
A 現在、気象庁は東海地震の予知を行っております。3連動の可能性とか様々指摘されていますので、津波警報の改善の方向性のとりまとめにもありますが、仮に3連動地震が起きたとしても的確に情報を発信できるように津波警報も含めて改善していく、また、緊急地震速報についても海底地震計等のデータを活用して一秒でも早く発表して国民の生命財産を守るという方針です。
いずれにしても、当該地域については観測網がかなり充実していますので、そのデータを最大限使って的確な情報の発表を進めていくというのが我々気象庁の責務と思っています。


(以上)

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