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長官記者会見要旨(平成23年3月25日)

会見日時等

平成23年3月25日(金) 14時00分~14時50分
於:気象庁会見室

発言要旨

 平成23年3月11日、我が国最大級のマグニチュード9.0の地震、東北地方太平洋沖地震が発生しました。本日をもって2週間を経過しますが、すでに1万人を超える多くの方々の人命が失われ、さらにいまだ行方不明者が1万人を大きく超えている戦後最悪の未曾有の大災害となりました。
 ここに謹んでお亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈りいたします。また、被災者の方々には大変なご苦労の中、心よりお見舞い申し上げます。
 さらに被災者の方々は、厳しい避難所生活に加えて余震が続き、また、低温や雪、雨などの気象状況にも置かれています。体調管理に十分注意いただきたいと思います。
 本日の会見は地震後初めてということもございますので、気象庁のこれまでの対応状況について評価するとともに、今後の対応ぶりについて触れさせていただきます。
 まず、今回の地震についての評価でございますが、気象庁が発表いたしました地震情報と津波情報について見ますと、現在我々の有する技術あるいは知見から可能な限りの範囲において情報を発表できたのではないかと考えております。しかしながら、正直申し上げて、現実には発生した地震があまりにも大きく、我々の保有する技術がこのような大きな自然の脅威に対して力が十分及ばなかったということについても、痛感している次第でございます。
 今回の地震は非常に規模の大きな3つの断層の破壊が、全体で5、6分、主たる破壊で3分程度続いたということでございますので、緊急地震速報、さらに大津波の警報といったことについても、断層の破壊が進行している中で情報を発表するということになりました。このため、緊急地震速報の警報さらに3分後には大津波の警報を発表はしておりますが、速報性が特に求められる地震・津波情報では、避けられないことではございますが、最初の情報にはマグニチュード9.0という地震の全容を反映させるということが困難でございました。我々としましては、今回明らかになった巨大地震に対する技術的な課題について、しっかりと検証し、今後より的確でかつ迅速な情報が発表できるように、努めてまいらなければならないと考えてございます。
 我々に課せられた使命は、今回の地震に真摯に向き合い、気象庁を始め我が国の地震・津波にかかわる関係者が総力を挙げて、科学的に実態を解明しこの悲惨な経験を将来の地震・津波防災に最大限生かすことにあると考えます。気象庁としましては、今回の経験と教訓を基に一歩一歩着実に地震・津波情報を改善していきたいと考えています。
 次に、気象庁が今後果たさなければならないことについていくつか具体的に申し上げたいと思います。第一に重要なことは、現在の余震あるいは気象等について的確な情報を発表することでございます。現在多発している余震に関する情報あるいは関連する情報、さらには天気予報等情報も極めて重要な情報でございますので、被災者の方々、救出・応急復旧、さらには今後の復興にむけて関係機関をさらには一般の方々等を支援してまいりたいと思います。
 第2には、観測網の早期復旧でございます。情報発表の基盤となる観測網につきましては、発災後多くの地点で障害が発生しましたが、その後復旧に努めまして、現在ではごく一部の沿岸部を除いて復旧しております。これによって地震・津波情報あるいは気象情報についてほぼ従前の品質で国民に提供できる状況になっています。
 残されたアメダスや地震計等の障害地点につきましては、可能な限り早急に復旧に努めたいと思います。その中で三陸沿岸を中心とした検潮所は、観測所自体が損壊しているというものもございますので、その復旧には長期間かかることが見込まれます。しかしながら余震による津波に警戒が必要でございますので、当面の緊急的な措置として、今月中に臨時観測点を2か所、大船渡と仙台新港に設置したいと考えております。これによって余震による津波の観測を強化したいと思います。
 第3に、これは若干中長期的な展望になりますが、やはり観測網全体としまして、障害に強いなどを含めて強化する必要があると考えています。今回の経験を踏まえて既存の観測網を再点検し、障害等に強い観測網の構築さらに地震・津波監視体制を強化するために必要な具体的な対策を実施していく必要があろうと考えています。
 その中で、このたびの緊急地震速報が的確に発表できない事態についての改善も含めて、地震・津波に関する情報の改善に努力していきたいと考えています。
 最後に、今回我々が真摯に対応しなくてはいけないと思っていることがございます。それは地震自体の実態の解明です。このためにも、現在多発している余震のデータ、これをしっかりと蓄えるということが重要でございまして、さらに津波の実態の解明といったところについても、関係機関と連携して進めたいと思います。
 そのうえで我が国の地震関係者が総力を結集して集中的に調査研究を進める必要があろうと考えています。そうして得られた知見を我々気象庁はリアルタイムの気象業務に最大限生かしていくということが最大の責任と考えております。
 以上に加えまして、当然のこととして非常に関心の高い東海地震の対応については、地震防災対策強化地域判定会の会長及び委員のご協力をいただきながら、引き続き厳重な監視に努めたいと思います。さらには東南海地震・南海地震対応ということも課題となりますが、これらの地震への対応も含めて今回の経験を踏まえて再点検し、必要な対策を講じていく所存でございます。
 以上が、地震等の対応でございますが、地震により非常に地盤が脆弱になったり、あるいは沿岸部で大規模に地盤沈下をしているということもございますので、気象あるいは、高潮・高波といった情報も重要でございます。その点について若干触れたいと思います。初めに天気予報等の気象情報、これは、いま被災者が極めて過酷な状況にございますので、低温あるいは雨・雪といった情報が極めて重要と考えます。このため例えば被災者あるいは輸送等の対策を支援するという観点から特別に気象情報を充実し、国や地方公共団体等への支援を強化しております。具体的にはホームページに全て掲載しておりますので、一般の方々も目に触れることができますし、さらにメディアの方々にも、そのホームページを活用していただき、積極的に被災者等への情報の提供にご協力をお願いしたいと思います。
 また、避難所の生活と健康管理ということが極めて重要でございますので、通常の気象情報、天気予報、週間天気予報等についても、積極的な活用をお願いしたいと思います。
 次に、地盤が脆弱になったというお話をしましたが、現在震度5強以上を記録した地域について、土砂災害警戒情報あるいは大雨警報の暫定基準の運用というものをやっております。さらに河川等の堤防が大規模に損壊するという報告もなされておりますし、また、沿岸部においては湛水がまだ続いているという地域もございますので、全体的に土砂災害、洪水・浸水等への対応も極めて重要となっております。これについては気象庁一人でできるものではございませんので、河川・砂防担当部局との連携を深めながら、その情報の提供について考えていきたいと思っています。さらに、先ほど触れました様に東北地方太平洋岸では、国土地理院の調査によると最大で1.2メートル沈下するというような話もございますので、当然、高潮の対策も重要でございます。また、沈下に加えて海岸堤防等も大規模に損壊するという報告が河川担当部局等からございますので、沈下と堤防の損壊等によりかなり高潮・高波にも脆弱になっています。近い将来において復興活動がかなり活発になるということを考えますと、やはり気象庁としてこの脆弱な沿岸部に対して、高潮と高波の情報を強化していくということが重要と思っています。
 以上、さまざまなお話をさせていただきましたが、今回の地震の対応につきましては、我が国が一丸となって取り組むべき大きな課題でございますので、気象庁としましても、従前の枠にとらわれす、柔軟かつ大胆に対応したいと考えております。報道の方々も様々な取材等において、気象庁に対してお気づきの点かあるかと思いますので、何かあればご指摘いただければ、被災者の支援、さらには復興への支援ということで気象業務の立場から一つでも多くの支援を行いたいと思いますのでよろしくお願いいたします。今回の地震の対応につきましては、気象庁の全職員が一丸となって対応していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
 いずれにしましても、最後に国民の皆様に一つお願いをしたいと思います。日本では地震がいつ起きても不思議ではないと言われる通りでございまして、常に地震への備えが必要であることを改めて強調しておきたいと思います。防災は気象庁も含めた国と地方公共団体による公助に加えて、やはり個人個人の普段からの備えが極めて重要ですので、この未曾有の災害を受けて、全国の皆様がもう一度身の回りを点検しまして、災害に備えるということをお願いしたいと思います。


主な質疑応答

Q 今回の地震と津波は気象庁としても予想だにしなかったと思うのですが、改めて地震と津波そしてもたらされた被害、これについて長官として率直にどう思われますか。
A 非常に悲惨な被害であって、想定外という言葉は不適切だと思いますが、我々が戦後経験がないような災害でございまして、この経験を将来の業務に活かしていく、つまりは国民を守るための地震・津波防災に一つでも多く活かしていくということが重要と思います。

Q 力が及ばなかったというお話がありましたが、改めてどういう点が力が及ばなかったのか、今後どういうところを強化していくのでしょうか。
A 今回3つの断層の連動ということでそれについて我々の技術的な知見の範囲内では適正に対応し最大限の情報を発表できたと思いますが、最終的に規模がマグニチュード9.0だったという結果においては、まだ不十分なところがあったということだと思います。そのため、今後今回のデータを十分に分析し東海地震等を含めて今回の成果を如何に活かすかということが我々の使命かと思います。

Q 本震の前に2つのマグニチュード7クラスの地震があったのですけれども、あの時点ですと、専門家でもこれは直接大地震の前触れにつながるものではないというような答えをしたのではないかと思いますが、今後一番難しい東海地震の予知ということになりますと、いまたぶん評価が変わって、あれはマグニチュード9.0の地震の何らかの前触れではなかったかという考え方もあるかと思うのですが、長官はそれについて今後の東海地震の困難な予知と関連してどのようにお考えでしょうか。
A 今回の、前に起こった津波を伴う地震と本震との関係でございますが、これについては十分これから調査をして、客観的に評価をしていく必要があろうかと思います。そういう客観的な評価なしに将来につなげることは極めて難しいということと、実際の東北地方のこれまでの地震の発生の形態と東海、東南海、南海では、だいぶ違うようでございますので、そのへんの違いについても地震の専門家、当庁にもおりますけれども、地震調査委員会等でもしっかりと分析していただきたいと思っています。

Q 駿河湾地震やこの前の静岡で起こった地震についても注意深く解析を進めるということですか。
A 我々は判定会という組織も持っていますし、文部科学省には地震調査委員会等がございますので、そこの英知を結集して分析していく必要があろうかと思っていますが、現時点で静岡のものについては、特段に東海地震とは関係はない、あるいは、今回の本震との関係についても現時点ではまだ分からないという判断が適当な状況でございますので、いずれにしましても客観的科学的に様々な調査が行われるでしょうから、将来の調査結果に期待したいと思います。

Q 今回の地震におきまして、改めて気象庁に期待されていること、あるいは気象庁がやらなければいけないことはどういうことだと思われますか。
A 今回様々なところで説明する機会がございましたけれども、気象庁はよくやっているという反応が多くて非常にありがたいことだと思いますが、引き続き的確に緊急地震速報を発表していく、あるいは地震情報、津波情報をさらに的確に発表していくということが極めて重い責任として我々にあるということを感じたところでございます。

Q 長官は被災地に行かれましたかあるいは行かれる予定がありますか。
A 応急復旧や行方不明者の捜索が行われていて、仙台管区気象台や地方気象台等では現地の地方自治体等に支援を行っているという状況です。現地職員を励ますあるいは現地の自治体関係者と地震防災の将来についてお話しするという機会があればぜひとも行きたいとは思ってございますが、現時点ではまだ早いのではないかと考えています。

Q 緊急地震速報ですけれども地震観測網のダメージを反映しているのか、精度が落ちているような印象を持っています。先ほど沿岸部を除き観測網はほぼ復旧とおっしゃいましたけど、その点についての現状認識と今後精度が上がるのかとかそのあたりの見通しについてお伺いしたいのですが。
A 発災後沿岸部の観測点が相当数障害となり、プレート境界で発生するような地震について探知するのが遅くなるというようなところで緊急地震速報に影響があったということは間違いないと思います。現在は復旧しまして、地震観測点のうち障害の発生している地点は2か所になってございますので、現状では従前の品質にほぼ近づいているのではないかと思っていますが、具体的には担当から説明させていただいた方がよろしいのではないかと思います。あまりにも同時多発が多いということで今回の地震に関する余震回数がマグニチュード5以上で300回以上と、日本全国でマグニチュード5クラスの地震が発生するというのが大体1年間に100回弱ということでございますので、一般の方々や国のそれなりの方々にご説明するときに、ここ2週間で通常であれば3ないし4年分のマグニチュード5以上の地震が集中して発生しているというような説明をして、同時多発がいかに多いかということについてご理解を得ています。これはたぶん事実としてマグニチュード5以上の同時多発がそのような状況ですから、実際上マグニチュード4や3とか緊急地震速報の対象となるような地震にしますと相当な数に上っていると思いますので、別の地震もほぼ同時にとらえるという確率が極めて高くなった結果ということでございます。今後余震が徐々に少なくなるということになれば、当然、統計的な考え方で言えば、同時多発を観測するという確率も少なくなりますので、品質は上がってくるのではないかとは考えます。

(地震火山部)
 緊急地震速報が適切に発表できていない事例の大きな原因としましては、地震が同時多発して2つないし3つの地震、そういうものを1つの地震として処理をしてしまったために、過大なマグニチュードで計算してしまった、その分広い範囲に警報を出してしまったというものが非常に多く見られます。当然余震の数が減ってくればそのような状況は確率的には減ってくるわけですが、緊急地震速報で2つの地震を2つに分けれれば問題がないわけですから、その辺の基準につきましては、調整を行っておりますし、今後それをどうやって分離していくかという部分についてのプログラムの検討を今後進めてまいりたいと思います。

A よろしいでしょうか。分析能力を高めて可能なものから改善していきたいということでございます。ただ、相当数の地震があってその中から情報を抽出するということは極めて大変な作業だと思いますので、その点についてもご理解をいただけたらと思います。

Q 今回3分で、大津波の警報とかは迅速に出せたかと思うのですが、テレビラジオを通じて早く伝わった可能性もあります。一方で以前長官の就任会見でもお尋ねしましたが、携帯向けサイトとかですね、気象庁が防災官庁としてですね、積極的にさらに情報を発信していけるような仕組みをあらためてお作りになるようなお考えは今回の地震を受けていかがでしょうか。
A 今回の場合につきましては、非常に様々な情報を発信していく必要があるということと、現地では非常に大変な状況であるということで、ホームページ等も従前にはないほど拡充はしています。携帯自体の具体的な計画はございませんが、携帯が災害時に情報を伝えるという点では、被災状況から見てかなり脆弱な面もあるということが今回明らかになってるわけでございます。緊急地震速報についても、調べてみないと分かりませんが、エリアメールでございますので、揺れる前に届いているということは間違いないと思いますので、緊急地震速報自体は被災エリアの携帯に届いたとは思います。ただ、津波警報等については3分後ということでございますので、すでに揺れている状況で様々な被害が発生している可能性があります。したがって、今回のような大規模な災害において、携帯電話がどこまで有効だったのかということについては、事業者さんも含めて、十分評価が行われるのではないかと思います。私自身も興味がございます。平時と異常時、どのように携帯等を使い分けていくかという大きな課題が今回出たのではないかとは思いますが、実態が分かりませんので、まだ、具体的にコメントをこれ以上言える立場にはございません。そういった点も含めて気象庁としてどう取り組んでいくべきかというところは検討に値すると思っています。

Q 脆弱な部分はあるかもしれませんけれども、エリアメールで緊急地震速報だけではなくて大津波警報とか津波警報とか出せるようになるというのは、長官としては関心があるということですか。
A 具体的には、津波警報等につきましては現在地方自治体の長の判断で町ごとに提供できる枠組みはあると聞いてございます。ただ、実際今の枠組みが自動的にエリアメールで通報するという枠組みにはもう少し時間を要したところがございますので、自動化が重要かと思いますので、消防庁等とも連携して、推し進めるべきものと考えてございます。

Q 津波注意報に関して、実際大きな被害を受けたところはこれまでも頻繁に警報を聞いていて、実際津波が来る時刻というのはばらばらで、あるところはすぐ来る、あるいは30分ぐらい遅れてくるとか、やはり慣れが発生すると思うのですが、エリアごとにきめ細かい警報も必要だけれども、エリアごとに避難警報みたいなもっと上の危険を知らせるような、どこそこの地域に実際に津波が迫っていますよと、後1分ぐらいで来ますみたいなことはどうでしょか、そういうことが可能になるでしょか。
A 正直申し上げてそれが夢なのかもしれません。現状において例えばGPS波浪計、ご承知かと思いますが、国土交通省港湾局が設置していて、これが検知して数分後には沿岸に来るという状況でございます。正直申し上げてそれはまだまだ夢のまた夢のような気がいたします。

Q 情報を出すということは一義的には気象庁に求められているところですけれども、今回の課題としてはいかに伝えていくかという部分でも、気象庁以外が検討しなくてはいけないと思うのですが、被災された方のインタビューを伺うと、最初の地震が起きた直後はメールでやり取りしていらっしゃった方も何人かいらっしゃるということで、逆に言うと、その脆弱な部分がまだ残されていると、そういった発信もあり得るというお考えでしょうか。
A 脆弱だけれども発災後少しの間は使えたというような事実関係があれば、積極的に利用を推し進めるべきものだとは思います。

Q 地震の前日に気象庁で開かれたシンポジウムで長官自身が冒頭ご挨拶された「津波警報その時あなたは」という催しがありましたね。そのシンポジウムのパネルディスカッションの時に石巻市の市役所の方が、津波警報は聞いてもそのあと何10センチという表記をテレビで見ると安心して寝てしまうという風におっしゃっていました。他の方は警報を伝えても避難行動に結びつかないというジレンマをおっしゃっていました。それが今回同じような被害を生んだことになったかという懸念はおありでしょうか。
A そのことについてはこれから、今回の津波についての事実関係をしっかり客観的に評価いただくことが重要なのかなと思います。その評価結果を受けて我々の情報自体をどう改善していくか、内閣府等防災関係の省庁とも連携して、当然地元自治体等との関係も含めた避難対策を含めて改善を進めていく必要があろうかと思います。いろいろな推測はあるのかもしれませんけれども、現段階において、やはりさまざまな調査がこれから行われるでしょうから、その調査結果を真摯に受け止めて我々の情報を改善していくということが必要と思っています。

Q 観測体制についてお伺いします。長官の冒頭ご発言の中で2カ所臨時の津波の調査ポイントを付けられるということで、今のところ全体的にみると情報の提供には問題ないという中で2か所付けるということで、この意味付けみたいな部分について長官はどのようにお考えでしょうか。
A 三陸沿岸はほとんどの検潮所が津波にやられておりますので、設置が可能なところからできるだけ早くという判断で現場が場所を決めています。今後も可能なところから臨時の観測点になるのかと思いますので、そういう設置の可能性については検討してまいりたいと思います。担当の方で何か情報があれば。

(地球環境・海洋部)
 三陸沖東北太平洋側の検潮所がやられたのですけれども、岩手県と宮城県は1か所ずつ最低限付けなくてはいけないということで、現地調査をしたところ大船渡は岸壁が残っておりましたので、そこに1か所、宮城県の仙台新港も設置が可能であるということが分かりましたので、そこに1か所、とりあえず早急に今月中に2か所付けたいと思っております。

A 津波予報自体については基本的に地震観測から発表いたします。検潮所は実際の津波の監視確認という役割でございますので、地震観測網がほぼ健全ですから、津波予報については従前の通り支障なく発表できるかと思いますので、あとは実際の監視ということについて2か所でも臨時につけて監視していくという話でございます。いずれにしましても、地盤沈下あるいは海岸堤防等が損壊していますので、これまで以上に津波に十分な注意警戒が必要かと思っています。特にこれから復旧活動ということで沿岸あるいは岸壁近くで相当作業がされるということで、一般の方々もまだ若干いらっしゃるようなところはあると思いますが、いずれにしてもそういう復旧活動をされる方に対して十分注意するようには喚起はしていきたいと思っています。

Q 観測体制の強化という話がございましたけれども、いまの時点で決まっていないかもしれませんが、機械の強いものを作るということなのか、あるいはエリアを増やしていくイメージなのか、どうでしょうか。
A 今回の障害を振り返れば、まずは大規模な停電による電力の障害が発生しています。当庁は基本的に24時間のバッテリーで担保しようとしておりましたけれども、電力の障害が長く続いたということもありますので、当然バッテリーについてもう少し長時間保つということができるようなものに変えていくということが第一にあろうかと思います。第2には通信障害、アメダス等ではかなりランドラインがやられているということでございますので、通信について、様々な手段があると思いますので、検討していく必要があろうかと思っています。また地震計自体も設置環境等もしっかりと点検して、脆弱性を少なくするということが重要かと思います。ただ先ほどの検潮所でございますが、これはどうしても津波を観測するということで沿岸部に置かざるを得ません。今回の検潮所を見ましてもリアルタイムの情報では3メートル止まりでしたが、最終的には、損壊される直前まで8メートルないし8メートル50センチまで観測していた測器もございますので、そういう経験も踏まえて、津波に対して脆弱な場所ですがさらに観測を継続できる工夫はないのか検討してまいります。さらに観測網全体ということであるならば、全体を再点検して、ネットワークとしての脆弱性を最小限にするように強化するということを具体的に検討してまいりたいと思っています。

Q 先ほど、気象庁としてはできる限りのことをやったのだけど、最終的にマグニチュード9.0という結果については不十分なところがあったとお話があったと思うのですが、具体的につまりどこが不十分だったということでしょうか。
A 基本的には、緊急地震速報はマグニチュード8クラスまでの規模を想定してございますので、当初からマグニチュード9までの話ができればよろしいのでしょうけれども、それが結局のところは、破壊が全て進むまでわからず、さらにその破壊が進んでも、モーメントマグニチュードによる結果については結構時間がかかります。これは全世界的な観測網でやらないと最終的なエネルギーが分からないというようなところもあって、どうしても技術的に時間がかかってしまうというのは避けられないところでございますので、そのへんの実際我々が保有する技術と実際に起こった地震の全容をとらえるまでの時間の差ですね、ここが一番大きいという風には認識してございます。

Q 今最初、緊急地震速報と言われたのですが、発生当初の緊急地震速報に不十分なところがあったというお話なんですか。
A 不十分ということではなく、マグニチュード9まではとらえることはできない技術でございます。

Q それは緊急地震速報に対応している地震計がという話ですか。
A マグニチュード8クラスについてとらえていくという技術ですので、その辺は専門の者から説明するのが一番良いと思います。

(地震火山部)
 緊急地震速報につきましては、地震が始まった際にとらえられる波形を利用して行うものでございますので、モーメントマグニチュードのように、長時間の波形を使って計算をするものではなく、非常に初期のデータを使うものですから値の最初の部分しかとらえられないという限界がどうしてもございます。そういうことで緊急地震速報は最初の波形を使ってやるという技術でございますので、マグニチュード8程度までしか対応ができないという状況になってございます。

Q ですから、緊急地震速報では別にマグニチュード9という数字が分からなくても、猶予時間を見出す意味では十分ではないのですか、つまり緊急地震速報の時点でマグニチュード9という評価が必要な話なのですか。
A (地震火山部)緊急地震速報の警報は最大震度5弱以上が予想されたときに震度4以上を予測した地域に出す情報でございます。今回の地震では、マグニチュードが当初速報を出した時につきましては7.2という数字でございましたので、警報の対象にならなかった地域があったということでございます。これが最初からマグニチュード9と分かればもっと広い範囲に警報が出るはずだったのですがそれは技術的に難しいということです。

Q 対象範囲を広げられたはずだというお話ですか。
A (地震火山部)今の技術であればマグニチュード9.0であるという予想ができません。仮にわかっていれば、もっと広範囲に緊急地震速報の警報が出せたということです。

Q そこを言われたのですか。
A 技術的には不可能だと分かっていることを述べたので誤解があったのかもしれませんけれども、緊急地震速報、当初東北5県ですか、を実際に発表して実際に5弱以上の地域が関東も含めて相当広範囲に及んだということも事実でございますので、緊急地震速報のある程度の限界というか従前からこれはいろいろ周知はして来てはいるのですが、そういうものが出てきたということを述べたところでございます。

Q 今の話は津波予報における想定される津波の高さ等にも反映される話ですか。
A 津波予報についても、ご承知のように観測データ等見ながら順次切り替えていったということでございます。

Q 福島原発に関して、地域気象情報の発表を始められてますけれども、これに関して伺いたいのは、確か21日だったですか、雨が予想される場合に、放射線の健康への影響がないようなくだりが発表されたというのがありましたけれども、こういう文言を付けたその背景とですね、あるいは今後もこういうような情報発表をされるのか、される場合に、完全にその所掌業務外だと思うのですけれども、何を根拠に健康影響かないと言い切るような文言を出していくのか、このあたりお聞かせください。
A 現在原発の対応については政府で精力的にやってございまして、健康への影響等についても政府において一定の評価が出て公表されています。我々は健康への影響という点では全く所掌外ではございますが、政府の一員としてそういう統一的な見解が出た場合には、協力していくという立場にあると思っています。我々が勝手に判断して所掌外のことを述べるということではございません。

Q 逆にその検証作業を気象庁でやるということはされないですか。
A 我々は検証する力はまったく持っていません。

Q 雨が予想される場合には同じようなスタイルで発表されていくという理解でいいですか。
A 政府の見解に従ってやっていくという認識でございます。

Q 福島県と岩手県については、アメダスの他の形態として民間の携帯電話会社のデータを使っていますが、その手続きまで10日前後かかったのかわかりませんがホームページ等で公表するのに時間がかかりましたね。法律で受けられることになっているのでしょうけども、もうちょっと柔軟にやっていくとかあるいは別の枠組みを作っていくとかそういったお考えというのはあるのでしょうか。
A 気象業務法第6条第4項がございますが、これまでそれに従って、法に則ってこういう形で観測データの報告をお願いしたというのは私の記憶にある限りでは初めてのケースでございます。その手続きにも慣れていないところもあったのかもしれません。ドコモ側にとっても初めてのケースですし、さらにドコモ自体も障害基地局が相当出ているということもあって、その中から我々が必要な観測所についてデータの提供をお願いするということがございましたので、若干時間がかかったと考えています。さらに、ドコモの観測の様式、特にデータの様式とか通信の様式とかが我のものとは違いますので、ホームページに掲載するとなると、通信上あるいはデータの手続き上の整合を図らないと掲載できませんので、時間がかかったと思います。今回ドコモと実施したわけですが、やはり今後そういう届け出の観測所について将来大規模な障害が発生した時の利用ということもある程度前提として、すでに法的な枠組みはありますので、それを運用するレベルでの枠組みの整理かと思いますが、そういう観点の問題意識を持って、より円滑にできる様にということはあろうかと思います。

Q 極めて数が多い余震が続いているということで、場合によってはもっと規模の大きな余震があるかもしれないという話も毎日の会見で出ておりますけれども、改めて余震が続く中どういったことに注意しておくべきなのか、気象庁としてどのように取り組むのかそのあたりをお願いします。
A すでに家屋に相当被害が出たりしていますので、破損したような家とかにつきましては非常に危険ですので、特に注意を払っていただきたいと思います。また津波についても、やはり脆弱になっているということがございますので、沿岸部については特に注意をお願いしたいと思います。

Q 気象庁としてはどんなふうに取り組んでいきたいと思いますか。
A 今、観測網でしっかり観測していますので、余震の情報について確率的な問題も含めて的確な情報を日々提供していくということが最大限の使命と思っています。

Q 確認なのですが、さっき東海地震に触れられて引き続き厳重な監視に努めたいと言われたのですが、いま敏感になっている人も多いと思うので、厳重な監視と言われたのは従来も厳重な監視をしていて今後もなんら変わらないということで良いですよね。
A これは東海地震については、30年間で80%ということが言われていますので、このパーセンテージは極めて高いということは間違いないことでございますので、厳重な監視と申し上げたところでございます。

Q 監視を強化しているわけではないということですね。
A 特に今回の地震を受けて言いぶりが変更されたものではございません。

Q 観測網が、今回一緒にダメになったということがあって、今後強化していきたいというお話がありましたけれども、その原因として停電であるとか通信の断というのがありましたけれども、一部前から、例えば、新潟の中越の地震であるとかそういうことから、通信がダメになるとかそういうようなことはある程度想定されていたことだと思うのですけれども、それに対する準備不足だったというご認識はおありになりますか。
A これまでは局地的で個所数の少ない障害というものが多かったため、観測網で補完しうる状況にございました。従ってこれまでの対応は局地的というか、地域がかなり限定された災害についてはそれなりに機能していたという認識は持っています。今回の場合はほぼ東北地方全域あるいは東北地方の太平洋岸の広い地域でございますので、障害の規模がこれまでと大きく異なっていたということもございます。今後やはりこういうような大規模障害にも対応できるような観測網というものはどうあるべきかということについて再点検して必要な対策を講じる必要があると考えています。



(以上)

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