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長官記者会見要旨(平成22年4月15日)

会見日時等

平成22年4月15日(木) 14時00分~14時30分
於:気象庁会見室

発言要旨

本年度もよろしくお願いいたします。

 4月9日金曜日に気象庁の職員が地下鉄車内において窃盗未遂容疑で逮捕されるという事件が発生しました。国民の安全・安心を守るべき当庁の職員がこのような行為を行ったことは誠に遺憾であります。多大なご迷惑をおかけした皆様方にお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした。ただちに全職員に対し、今一度自らの行動を律し、国民の皆様からの信頼の回復に取り組むよう指導を行ったところでございます。

 今日は、平成22年度最初の会見でございますので、今年度の主な取り組みについてご紹介します。
 まず、気象関係の業務の改善のひとつとして、5月27日から大雨、洪水等の気象警報・注意報について市町村を対象として発表することを考えております。これは、平成16年に発生した多くの風水害を教訓として、住民の方がより的確に避難等の準備ができるように、あるいは市町村の方々の防災対応が容易にとれるように、警報・注意報について市町村を明示して発表するものです。このことで、どこが対象となっているか、より分かりやすくなりますし、予測技術の進歩に応じて、発表するエリアをさらに絞り込んで発表できるという枠組みが整うことになり、そういったことについても期待しているところです。
 また5月末ごろを目途に、雷と竜巻につきまして、発生する可能性の高い地域を10分ごとに1時間先まで予測するという、雷ナウキャストと竜巻発生確度ナウキャストの発表を開始いたします。竜巻に関しましては、平成20年3月から竜巻注意情報を発表しておりますが、さらに地域的、時間的にきめの細かい情報になります。

 地震火山関係の業務では、先般のチリ地震による津波も踏まえ、海外の地震に対する津波警報の精度向上策として、遠地津波データベースを改善してまいりたいと考えております。それから、緊急地震速報でに関しましては、昨年12月に行った訓練の際に明らかになった課題への対処としまして、受信端末の機能や、受信端末を適正に使っていただくことについてのガイドラインを現在作成しているところです。
 火山に関しましては、昨年度から進めてまいりました全国47の火山の観測施設整備を早急に完成させたいと思います。また、これらのデータを監視するための火山監視・情報センターシステムを今年度更新する予定でございまして、これらを併せて火山監視体制を強化してまいります。

 地球環境業務でございますが、本年度から、当庁の海洋気象観測船凌風丸および啓風丸の2隻の大型船を効率的に運航し、北西太平洋における二酸化炭素関連物質等の観測を強化して、海洋による二酸化炭素の吸収・放出のメカニズム解明に一層貢献してまいりたいと考えています。昨日、凌風丸、啓風丸が観測のためにそろって出航しました。
 気象庁は、国の機関として、海洋の温室効果ガスを長年、定期的に同じ場所で観測し続けています。しかしながら、先の凌風丸の二酸化炭素海洋観測におきましては、観測データを欠測することになり、とても残念でございますし、皆様のご期待に沿えず大変申し訳なく思っております。今後は、ミスが再発しないように防止策を徹底するとともに、貴重なデータの取得を確実に行うように努めてまいります。


主な質疑応答

Q 幹事からですが、新たな年度が始まって、新たな業務が始まるようですが、その準備状況というものはいかがなんでしょうか。たとえば、市町村警報とか、雷・竜巻ナウキャスト等の準備状況はいかがですか。
A 市町村を対象とする警報の発表につきましては、現在、実際に作業を行う慣熟の段階に入っています。4月後半ぐらいからは、現在の作業と並行し、新しいシステムを使って情報を作る慣熟の期間に入る予定です。新しい形式での情報発表は5月27日から開始する予定です。雷と竜巻に関するナウキャストにつきましては、現在システムの整備が進んでおります。情報発表の開始日をまだ皆さんに申し上げておりませんので、近日中に中身のご説明と発表日等について改めてプレスリリースをさせていただく予定です。

Q 遠地津波データベースですが、これはどういう計画でされていかれるのでしょうか。
A 我々が津波予報をする際、ここで地震が起きたらこのように津波が伝播していくだろうということを数値シミュレーションするのですが、これにはかなりの計算時間がかかるものですから、あらかじめいろいろな地震を仮定して計算をしておき、その結果をデータベースとして蓄えたものが津波データベースです。太平洋沿岸のチリやメキシコ沖で地震が起きたらどうなるかについては、今でもデータベース上にある程度計算結果がありますが、海底地形について今の計算で使っているものよりも、もっと細かいメッシュで計算をすることで、シミュレーションの精度を高めていくことが、一つです。現在のデータベースに保存されている結果は、主に日本の沿岸で津波の高さがそれぞれどのくらいの高さになるかということです。一方で、津波が太平洋を渡ってくる途中でいろいろな観測点で津波が観測されます。そういう観測点での実測値とシミュレーションの値と比べることで、シミュレーションの適切を中間評価することもできますが、現在は12点しか途中の計算結果を出しておりません。観測点はその8倍程度ありますので、そういった点についても計算結果を出しておいて、実際に地震が起きた際に、データベースの結果が実際に伝わってくる津波を適切に表現しているかをチェックしながら、予報に反映させることができるようにしたいと考えています。

Q 遠地津波データベースの完成までのスケジュールはいかがですか。
A 今のところは、今年度いっぱいくらいかかるだろうと思っております。

Q 改めて、この間のチリの津波警報の出し方とかのシュミレーションの検証というのはされないのですか。
A どういうタイミングで出すかという意味でのお尋ねでしょうか。

Q このたび、計算されてああいう形の結果になったと思うのですが、改めて何かそのどこが今回ちょっと足りなかったので、こういう結果になったのかという検証とかはされないのでしょうか。
A(地震火山部)
 今のところ想定していますのは、津波の勉強会をやっておりますので、連休明けとか、まだ、日程は確定していませんが、そういった場での津波の専門家のご意見などもうかがいながら今回の予測の定量的な評価ということは若干やっておきたいと思っております。そういったことも踏まえて、今度のデータベースの改善に評価結果がうまく反映できるようなこともあれば、やっていきたいと思っております。まだ、具体的なところは定量的な評価が確立できている段階ではありませんが、ある程度そういうことはやっていきたいなと考えています。

Q 勉強会を開催する予定というのは。
A (地震火山部)調整中でございます。できるだけ早い段階でやりたいと思います。5月くらいにはできればと思っております。

Q 火山監視・情報センターシステムを今年度に更新するとおっしゃいましたが、いま、4つの官署で火山監視・情報センターを作って監視していると思いますが、このシステムとか仕組みとかを大幅に変えるようなこともあるのでしょうか。
A センターが4つあるというような仕組みは基本的には変わりません。火山監視・情報センターシステムは、データを集めて処理をして、各センターの火山監視や噴火警報等の発表などの業務に用いるものです。そのハードウェア及びソフトウェアを更新するというものですから、センターの監視エリアが変わるとかそういうことではございません。

Q このところ大変寒いですよね。それに暖かい日と寒い日の差がですね、非常に激しいのではないかという気がしていますけれども、長官なりに最近の天候等について見解を示してください。
A 私自身が感じるところといたしましては、やはり季節の変わり目でございますので寒暖の変化が激しいということはよくあることかと思っておりますが、確かに間隔が非常に短く、しかも、振幅が大きいということは実感しております。これらにつきましては、私たちの発表いたします、天気予報、週間天気予報、異常天候早期警戒情報などといったものでかなり表現ができているように思います。そういった情報を、皆さんの健康管理、農作物の管理、あるいは、そういったものに影響を受ける分野の対策にうまく活用いただければと思っております。

Q 長官もあちこちで「寒いですね、どうしてですか。」と聞かれませんか。
A それは聞かれることもないわけではありません。

Q 緊急地震速報のガイドラインはいつごろまでに作るのですか。
A 今のところ目標は今年中くらいです。関係する方々のご意見などを聞きながら進めておりますので、そのぐらいの時間がかかると見込んでいます。

Q 緊急地震速報の次の訓練が12月1日ということですから、それまでには間に合いそうもないということですか。
A それには間に合わないと思います。ただ、やはり我々としては12月1日の訓練は行いたいと思っております。前回、訓練報がくるということをご理解いただいていない方にまで訓練報が届いたということが、一番大きな反省点ですから、まず、そういう点を徹底的にチェックし、同意をいただいていない方のところには訓練報が届かないように十分配慮して、12月の訓練を行いたいと思っております。そういう意味で、皆さんにお知らせをし、かつ、ご同意をいただくという手順には、去年より早い段階から着手して参りたいと思っております。

Q 緊急地震速報のガイドラインなんですが、どういったスキームで設定をしていくかというようなところで何か決まっているものはありますか。
A (地震火山部)
 緊急地震速報のガイドラインの作成につきましては、まずは、こちらのほうで素案を作りますが、有識者の先生方のご意見を伺うであるとか、あと、国民の皆様のご意見をお聴きする機会を設けたりしながら、最終的に皆様にご覧いただけるようなガイドラインを作成して行きたいと考えてございます。

Q 有識者から意見を聞く機会とか、国民の意見を聴く機会とかそのあたりの具体的なスケジュールみたいなものは。
A (地震火山部)早い時期に発表できるようにしたいと思います。まだ細かいスケジュールは決まっておりませんので発表する段階ではございません。

Q ガイドラインは、一般の方向けなのか、もしくは、受信機を製造しているメーカ向けなのか、どういったものになっているのでしょうか。
A 第一義的には、専用受信端末をガイドラインに沿ってお作りいただけているか、訓練報を訓練報として認識できるか、いろんな試験ができるか、といったところかと思います。


(以上)

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