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長官記者会見要旨(平成22年2月18日)

会見日時等

平成22年2月18日(木) 14時00分~14時20分
於:気象庁会見室

発言要旨

 2月も後半に入り、12月から2月という、いわゆる冬の期間がまもなく終わろうとしております。これまでのところ、平均気温は全国的に平年を上回っています。日本付近においては、気温の変動が非常に大きかったこと、さらに日本海側では寒気が入ったときに大雪となったことがこの冬の天候の特徴かと思います。一方、外国に目を向けますと、アメリカやヨーロッパなどでは再三寒気に見舞われて、大雪となっていますし、最近では、米国の首都ワシントンが記録的な大雪に見舞われて、行政府や議会の機能までが停止するという深刻な事態も報道されています。このように、地球全体を見たときには、この冬は北半球の中緯度に寒気が入りやすいという特徴があったと認識しています。こういった点を踏まえまして、3月3日に開催する予定の異常気象分析検討会の定例会で、今般の北半球の中緯度帯に非常に顕著な寒波をもたらした大気の流れについて分析をして、見解を取りまとめる予定です。異常気象分析検討会の開催につきましては、まもなく皆様に改めてご案内する予定でございます。


主な質疑応答

Q この冬は気温の変動が大きく、北極振動という相当難しい現象も起きて、気温や天候を予想することが難しかったと思いますけれど、寒候期予報や3か月予報といった気象庁の予報と実際については如何でしょうか。その評価についてどのように考えていますか。

A 評価は淡々とやっていかなくてはいけないと思っています。予報は確率表現になっていますが、寒候期予報の時点でこの冬については暖かいという確率が高かったと思います。先ほど申し上げました2月いっぱいまでの3か月の平均気温を出してそれで適切だったかどうか、これまでの予報についてと同様、チェックしていきます。前回の記者会見でもご説明したかと思いますが、今の技術では、冬の天候を支配するエルニーニョ現象が卓越している時は比較的予報がしやすいですが、これに加えて振る舞いの予測が難しい北極振動という現象の強弱あるいは盛衰によって、特に中緯度付近の天候が大きく左右されるという問題があります。
この課題については、今のところそう簡単に解決しないのかもしれませんが、いろいろな手法、たとえば季節予報モデルを良くしていくことで次のステップに進んでいくと思っています。

Q ウェザーニューズ社の台風18号の広報について指導されて、ウェザーニューズ社が変更したと思いますが、あの時は総務部長名で指導されていて、今、長官として何か見解がありましたらお聞かせ下さい。

A 文書で指導させて頂いた件につきましては、私どもが「変えていない」と申し上げているにもかかわらず、「変えた」という記述をなさったので、それは修正して頂きたいと申し入れたものでございます。この点につきましては、ウェザーニューズ社も御理解頂いて訂正されましたので、この件についてはこれで話は終わったと思っております。


Q 来月から桜のシーズンが始まりますが、今年から予想をやめられて民間3社で予想合戦みたいな感じになっていますけれども、それについて何かあれば。

A 桜の開花予想をやめるときに気象庁からご説明させて頂いていますが、気象庁が桜の予想を始めたのは皆様からの要望に応えてやってきたと思います。しかしある時期、桜の予想が気象庁としてやる仕事なんだろうかと疑問詞がついた時期があり、我々としては民間の方がやっていただけるならそれに越したことは無いと思ったわけですが、当初はなかなかやって下さるところも無さそうな雰囲気が続いておりました。そこで、我々もやり方を工夫し、効率化をして続けるという経緯たどってきたわけですが、ここ数年になりまして、民間気象事業者の方が開花予想を出すようになりました。それが私どもの出す予想と予測精度の上で拮抗するような状況になってきましたので、これはもう民間の方のお力で十分やって頂ける分野だと思って、私どもとしては開花予想をやめた次第です。


Q 桜の予想で3社出揃いまして、多少バラツキが今年もあるんですけれど、利用者の側からするとどう利用したらいいのかという悩みどころではあると思うんですが、その辺については何かありますでしょうか。

A これは私どもが開花予想を出していたときにも皆様にご説明していたのですが、私たちの手法では、気温が仮に全部分かったとして桜の咲く日を計算しても、プラスマイナス2日ぐらいの誤差が出ていました。そういうことから、そういう程度の誤差があるものだということを理解して使って下さいということを申し上げていました。また、気温の予想を1か月先まで予測して開花予想に使いますが、気象の予測を1週間より先に延ばしていくのは非常に難しいということは皆様も実感としてお持ちだと思います。従って、我々としては最新の予想を使って下さいとお願いしてきたものです。予測には幅があるということと、新しい予想を使うべきだということを理解して、使われればよろしいかと思います。どこの予想がいいかは、これはお好みもあろうかと思います。表示の方法でなかなかスマートなところもあれば、わかりやすい表現をしているところもありますし、予測対象の地点も色々あります。非常にバラエティに富んだものが出ており、需要にあったものを選択できる状態になっているのではないかと思いますから、ご自分にあったものを選ばれるのがよいのではないかと思います。


Q 長官も各社の予想は比べてらっしゃるんですか。

A 一覧表を新聞社さんが作って下さっていますから、それをちらちらと見たことがあります。


Q 独自に見たことはありますか。インターネットとかで。

A どんなふうに提供しておられるのかなと見たことがあります。


Q 桜島の爆発的な噴火の回数が増えてきて、先日の火山予知連では溶岩の流出の可能性もあるという言及がされたところですけれども、気象庁として現時点なり、あるいは溶岩流出に備えて特別な体制だとか、どういうことを考えていますか。

A 桜島については、長い目で見た時に活動が活発化しているのではないか、ということで、この間の火山噴火予知連絡会による「全国の火山活動の評価」の中で、ひとつ項を立てて記述していますが、気象庁として特別、観測体制を強化するということはしていません。
(地震火山部)
 桜島だけ特別にということは、今長官から申しましたように、しておりませんが、今年度、補正予算で47火山について火山観測体制を強化しておりますので、その一環の中で桜島についても強化されることになります。


Q 桜の開花予想のお話に関連して、気象業務法が改正されて十数年ですが、今回3社がそろったというのは民間の気象業務の自由化の一つの象徴のような、そんなこともあるかと思うのですが、気象業務の自由化ということに関して、長官の目からみて道半ばというか、どの辺まで来たのかなという感じでしょうか。

A そもそも気象業務法を改正した時の一番大きな目玉は、ポイントの予報をケーブルテレビだとか一般の方々にも伝えていいですよという形で自由化をしたことだと思います。そのあと、さらに自由化の範囲を少しずつ広げてきて、例えば少し広めのエリアについてもいいですよとか、季節予報についても数値予報が出てくるにしたがって期間を延ばしていくというような形で広げてきたと思っています。当初想定された自由化の範囲については、かなりの部分ができあがっているんじゃないかと思っています。
桜は必ずしも関係がないと思いますが、桜の予想が一種の商品価値とか宣伝価値を持っていますので、民間の事業者さんもかなり熱心に行われるようになったのかなと思います。


Q ここまで来たというような思いはないですか。

A 桜でもってここまで来たとは思いませんけれども、それぞれの民間気象事業者さんもいろいろなユーザーを意識したサービスがかなりできてきているというのは気象業務法の規制を緩めたことで大きく効果があったのではないかと思います。


Q 測候所の無人化の件なんですけれども、一部の大学教授とかが、測候所の無人化によって環境が放置されてしまって木が生え放題になっていたりとか、環境が変わってきて今までのデータの正当性が崩れる可能性があるのではないかという指摘をされて、私財を投じて環境整備を御配慮した先生もいらっしゃるんですね。流れとしての無人化はある程度やむを得ない事情もあるかと思うんですが、測候所としての環境整備を進めていく、もしくはこうしていくというお考えはありますか。

A 敷地の中であれば比較的簡単ですが、敷地の外は人がいてもいなくてもいろいろ難しい問題をはらんでいると認識しています。もちろん長い時間をかけた変化を測るということであれば、できれば、ある程度周りの環境が変わっていかないのが望ましいのですが、われわれとしても資源等に限りがありますので、そこは留意できる場所とか変化しづらい場所をモニターに使うというように今まではやってきているところでございます。少なくとも自分の観測所の敷地の中で草が生い茂るとか、上から木が垂れ下がっているとかいうことはあってはいけないので、それは有人であれ無人であれ、気をつけてやっていきたいと思います。周辺の環境については、ケースバイケースの問題があるかと思いますが、長い年月についてのデータの比較をする際には、当然そういう環境を配慮して考えないといけないと重々承知しています。


Q 敷地内の場合は、無人化されても環境の維持管理といったものは変わらずやっていかれるということですか。

A ずっと人がいるわけではありませんから、毎日草を刈るというわけにはいきませんけれども、しかるべき頻度で行く、それはアメダス等も同じことでございます。非常に潤沢な資源があるわけではありませんからある程度の制約はございますが、なるべく良い環境を維持したいと思っています。


Q 測候所の無人化が具体的な例だと思いますが、業務の合理化・効率化の面で、従来やってきたことを止めて、新しい業務に取り組んでいらっしゃると思いますが、人員なり財政が圧縮される中で、長官として今後、集中的にマンパワーなりお金を向けていきたい分野というか、施策として気象庁が集中的にさらに強化していきたい分野はどういうところでしょうか。

A 一つは行財政事情が厳しいですので定員についても一定の割合で減らしていかなければなりませんし、経費につきましても制約があります。そのような状況下でも必要な経費は、例えば先年の気象衛星の費用のように、通常の我々の資源からは非常に厳しいようなものについて特段の御配慮を頂いたり、補正予算などを使って先ほどお話のありました火山の観測の整備などもやってきております。
皆様には報道発表でご覧頂いていますように、さしあたり平成22年度予算で、スーパーコンピュータを更新するなど、基幹的なところをしっかりやっていきたいと思っています。気象予報に限って申せば数値予報が非常に大きな柱になっていますので、数値予報がいいプロダクトを出してくれることが今後の予測精度を上げ、予測精度が上がることが皆様への良い情報として還元されると思っていますから、スーパーコンピュータの更新は重要なものと思っています。
人員ですと、市町村を対象とする警報のために定員を地方に配置する計画で、そういった形で一般の方々あるいは防災機関の方々に広く情報が届くよう、インターフェースの部分についてもいろいろな意味で配慮していきたいと思っています。
それから、観測というのはもちろん基盤ですので、レーダーをドップラー化していくとか、地上気象観測網の中で老朽化したものを更新していくとか、そういったことは最低限やっていかないといけませんから、そういう現状の必要な観測の維持、できうれば高度化をして、更新していきたいと思いますが、そこは全体の経費を見てやっていく話になります。


(以上)

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