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長官記者会見要旨(平成21年11月19日)

会見日時等

平成21年11月19日(木) 14時00分~14時40分
於:気象庁会見室

発言要旨

ひと月ぶりでございますが、よろしくお願いします。

私からは4点、一部には皆さんにお知らせしたこともございます、お話しいたします。

まず第1点は南極関連でございますが、来年の52次の南極観測隊の越冬隊長に、当庁観測部観測課の宮本仁美課長補佐が選考されました。気象庁から、越冬隊長を出すのは3人目でございまして、非常に名誉であって、とても素晴らしいことだと思います。越冬隊長としての職責を十分果たしてくれると期待しております。あわせて、今年の出発隊の第51次南極地域観測隊にも、気象庁から5人の職員が参加しております。来週24日火曜日に南極昭和基地に向けて出発することになっています。厳しい環境ですし、全く離れた所ですが、高層観測、地上観測、オゾン観測といったような定常観測の維持・継続をやってくれるものと期待しています。

 2点目は、10月の末に報道発表していますが、国際会議です。海洋政策研究財団の支援で11月30日から3日間、東京赤坂で『台風の進路予測技術の高度化に関する国際会議』を開催します。特に初日11月30日の午前中に国内外の研究者による基調講演ということで、台風進路予測技術の最前線をわかりやすくお話しいただく予定です。報道関係の皆様にも是非ご参加を頂ければと思っているところでございます。

 それから緊急地震速報関連でございます。気象業務法を改正して、緊急地震速報を予報・警報という位置付けにしまして、この12月1日で2年になります。この日の午前中には、訓練用の緊急地震速報を国や自治体だけでなく、一部の家庭あるいは事業所の受信端末にも配信することを予定しています。また、午後には講演会を予定しています。テーマは「あなたを 大切な人を 守りたい」ということで、フリージャーナリストの池上彰さん、危機管理アドバイザーの国崎信江さんを講師にお招きいたしまして、緊急地震速報に関連する講演会を開催いたします。現在、参加者を募集しておりますので、是非とも皆様にも御参加いただければと思っております。こういったことを通じて、緊急地震速報は伝え方の難しいものですが、うまく使うことで有効に機能すると考えております。その理解が深まって、利活用が促進されることを期待しています。

 4つ目でございますが、前回の会見の時に、緊急地震速報の行っている先を把握しているかという宿題をいただきました。結構把握するのが難しくて、たぶん、「それでは満足いかん」とおっしゃるかもしれませんが、一応現在我々の把握しているところについてお話をさせていただきたいと思います。大きく分けますと、地震動予報業務許可事業者を経由して専用端末に流れるもの、携帯電話でお受けになっているもの、ラジオ・テレビで受けていらっしゃる方、それからJ-ALERT、消防庁の衛星経由の伝達方式でございますが、それを防災行政無線で伝えているという自治体、これが大きなところかなと思います。
 まず、いわゆる専用端末でございますが、若干古い数字で恐縮ですが、今年の3月末現在をこの夏に調べた結果では、端末の出荷台数は17万台です。
 それから携帯電話でございますが、普通のメールではなくて同報機能で伝えるものですが、こういう機能に対応している機種が、今年の3月で2100万台とのことです。ただ、これが全部売れているかどうかということは掌握できません。また、緊急地震速報を受けられる機能があっても、ONしていない人もいるかもしれません。最近はデフォルトでONになっている、つまり工場出荷時でONになっているようなので、それを意識的に「いらない」とOFFにしない限りONなのですが、そこがちょっと不確実ですが、全体の数として2100万台ぐらいになっているということでございます。
 それから、ラジオ・テレビは、テレビにつきましてはかなりのところがやっていただいていますのでほぼテレビをつけていると皆さん入手される状態になっているのかなと思います。
 それから最後ですが、J-ALERTと呼ばれるものですが、これについては市町村の数で今年の11月で約270の自治体がこれを防災行政無線に乗せて流すという仕掛けまで作っています。これは消防庁の方で調べておられるものを伺ったもので内訳は分かりません。以上がこの間頂いた宿題の答えです。

 私の方からは以上でございます。


 

主な質疑応答

Q:明日11月20日に観測部のアメダス観測点が廃止になるということで、そのことについてどういった形で廃止するという経緯になったのか、また、それに対して防災上、また今後の観測上の問題はないのか、その2点をお願いします。

A:観測網の見直しは常々行なっています。限られた経費の中で最大限の効果をあげるというのが我々に課せられたミッションだと思っています。最近は観測技術が進化してきています。また、レーダーが普及し、それから私どものレーダーのデータだけでなく、河川局のレーダーのデータも使えるようになってきています。また、都道府県・河川局等の部外の雨量観測データが使えるようになってきています。こうした状況の中で観測網を見直した時に、アメダスやレーダーが無かった時代に整備された無線雨量観測点については、かなり役割が低下してきているという判断にいたりました。
山岳の中にあり、メンテナンスにも相当の経費と人的要素がかかりますので、最適な観測網を検討する中で、なんとか他の観測手段で代替できないかと見直してきたところです。その上で、近くに観測点があればそれで良いし、どうしても必要なところは少し場所を移して有線化して残す、ということを数年来やってきました。そうした経緯で、数を減らして来て、今回ゼロになったということです。
また、現在はレーダーやアメダスのデータを用いて「解析雨量」という信頼性の高い雨量分布を得ることができるようになってきていますので、防災上の大きな問題はないと判断しています。


Q:雨量とかそういった点で、昭和49年とかかなり古い段階から連続してデータを取り続けていますが、日出岳とか全国一位を観測しているところもあり、そういったところでデータの連続性が途切れるといった点に対して、疑問を投げかけている研究者もいますが、そういった点について、どうお考えですか。

A:長い期間に渡って気候がどういうふうに変化をしていったかを調べる上で、そうした山岳の地点が適当かどうかは疑問があります。長い記録を取らなくてはならない所は、こちらでもそのような判断をして残していますので、それほど大きな影響が出るとは思っておりません。


Q:先だって台風の件で、温帯低気圧になってもしばらくの間台風として報じられていたという点が議論になっていますが、長官ご自身はこれについてどういう見解をお持ちでしょうか。

A:過去のイベントとしては、台風から温帯低気圧に変わりつつある状態でも非常に強い風が吹いたりすることがありました。また、温帯低気圧に変わりつつある台風というのは、台風が持っている風の分布と若干違ってきます。すなわち台風は中心付近が風が強いですが、温帯低気圧になると周辺部まで強い風が吹きます。台風から温帯低気圧に移行していく段階にそういう性格を台風が持ち出すことをどのように伝えるかという議論があったと思います。
 そうしたことから、温帯低気圧にかわりつつある台風について丁寧な情報を出すべきだろうということがあって、台風の進路予報の表示とともに温帯低気圧に変わりつつある台風についても、そういう状態にありますよということを丁寧にお伝えしようということで情報の表現の仕方等を変えたものです。
 もう一つ大事なことは、誰が見ても台風、誰が見ても温帯低気圧という状態の間に、移り変わっていく遷移期間があります。これは皆さん時々誤解されるのですが、熱帯低気圧から台風に変わるときは風速が何メートルを超えたらという定義がありますので、定義上の問題はクリアです。ところが、台風から温帯低気圧に変わるというのは中の構造の議論ですから、風速が何メートルになったから温帯低気圧というものではありません。台風から温帯低気圧に変わる間の遷移期間にどちらとして伝えるのが適当かというのがこの問題のミソです。
 我々のPRがまずかったのかもしれませんが、温帯低気圧というキーワードが出たときに安心されるということが過去にありました。それで、平成17年度末に関係の有識者の方にお集まりいただいて懇談会を行ない、そのときは温帯低気圧に変わっても台風として情報を発表したほうがよいという結論になりました。その後、私が予報部にまいりまして、誰が見ても温帯低気圧というものを台風と言い続けるのもしんどいねということもあって、遷移期間であれば台風ということで、伝えたほうが、皆さんが慎重に聞いて下さるということであれば、防災上そのように伝えたほうがいいということから今の方針で来ています。事実をわざと歪めてお伝えしているというふうに言われると、エッという感じに思うのですが、私達としてはそのようにお伝えすることで、その方が皆さんの防災・災害対応の警戒が維持されると信じてやっておりました。


Q:台風ひとつとっても以前は並とか弱いとかいう表現がありました。そういうものも防災上あまり安心しきるのはどうかということでそういう表現はなくなりました。温帯低気圧について、将来的に、表現について何か検討するということはありませんか。

A:名前について色々検討したこともありましたが、国際的に、船舶に対して情報を発表したりするので、国内だけに通用する名称を導入することはいかがなものかという考えもありますので、今のところそのようなことは考えていません。


Q:再度アメダス関連にもどりますが、会計検査院の指摘を受けていると思いますが、それについてどのようにお考えですか。

A:私達が仕事を進める上での背中を押して頂いたと考えています。


Q:緊急地震速報の関係で、J−ALERT加入自治体はだいたい15%くらい。緊急地震速報との関連でいうと、これまで震度5弱で7回くらい流れていると思いますが、実際J−ALERTの立ち上げに時間がかかったりして、地震速報だけが間に合ってても、システム上J−ALERTで防災行政無線に流れているということがない状況で、気象庁として、緊急地震速報の伝達手段として、4つ挙げられたもののうち、どれが主になるツールで、あるいは気象庁として伝達するために何か方策を今後とっていくというようなことはないのですか。

A:ご利用になる方の立場や利用環境によって、今挙げた4つの方法の得手不得手がそれぞれありますので、状況によって使い分けがあると思います。提供の仕方については今は支援センターを経由する形が確立されていますので、それでだいたい良いのではないかと考えていますが、質問の主旨はどういうことでしょうか。


Q:例えば、個別受信機をもっと普及させるために、気象庁として取り組むとか、携帯電話についても、個人に伝えるツールとして重要だと思いますが、実際どこまで一般の人が受け取っているかなかなか把握できない状況で、それをできるだけ個人に伝える方法として、業務支援センターは対応されていると思いますが、携帯電話会社とやりとりするとか、より多くの人に伝えるための施策として、気象庁として何か考えていますか。

A:緊急地震速報が良いものだと思って頂くことが一番で、講演会などで理解を深めて頂きたいと思います。私自身、試験運用段階で実際に経験したときに、ある種のカルチャーショックがありましたので、実際に経験するなどして、需要が高まると、より多くの人に伝えられる環境もできあがっていきやすいと思っています。
毎日の生活の中にあるテレビ・ラジオ等のおかげでずいぶんなじみつつあると思うので、促進策のかなり重要なところだと思っています。具体的にそれ以上のアイディアは今はありません。


Q:12月1日の訓練について、公的機関やJ−ALERTを運用している機関としてどの程度参加していますか。

A:(地震火山部)防災行政無線で住民に伝達する団体が、10団体、庁舎内放送を行なう団体が5団体です。これは11月17日の報道発表資料にも載っていますのでこちらまでお尋ね下さい。


Q:J−ALERTを使った仕組みを整備している中で、15団体というのはあまり多くないと思いますが、長官として、こんなものなのか、もっと参加してほしいのか、そのあたりはどう思われますが。

A:参加者は多いに越したことはないと思っています。


Q:アメダス観測点が74箇所も廃止されるときに、何か発表はされないのですか。報道発表は特にありませんでしたが。

A:(観測部)雨ロボットを含めて、アメダスの廃止等については特に個別に報道発表はしていません。データを配信している気象業務支援センターからお知らせという形で行なっています。


Q:報道発表はできるだけ、必要性がある時に、そう感じなかったのかもしれませんが、してほしいと感じました。

A:御意見として承ります。


Q:南極の観測隊員としては気象庁から毎回参加しているが、越冬隊長は気象庁から3人目ということで、誉れ高いことであると思いますが、こういった場合は、特別ボーナスとか位があがるということはないのですか。(笑)

A:無いです。


Q:今までもなかったし、仕事のうちということでしょうか。

A:そうですね。


Q:責任も持たなければいけないし、大変な職務であろうと思います。誉ですよね。

A:そういう人材を輩出できたということが素晴らしいと思っています。技術だけでなく、チームワークですとか人の気持ちを汲んでうまくまとめていくという能力を買われた上でのことなので、私どもとしても非常に嬉しいことです。


(以上)

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