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長官記者会見要旨(平成19年1月18日)

会見日時等

平成19年1月18日(木) 14時00分~14時20分
於:気象庁会見室

発言要旨

先週1月13日13時24分ころ千島列島周辺海域におきましてM8.2の地震が発生し、津波警報などを発表し津波も発生しました。幸い被害はありませんでした。この際、報道機関のみなさまにも警報の伝達に当たり適確に報道して頂き感謝しております。今後ともよろしくお願いします。

この津波の発生に際しておおむね適確に気象庁として対応したと思いますが、様々な課題も見いだされましたので取り組んでおります。具体的には、まず津波警報を発表しましたが実際には津波警報の基準に対応する大きな津波が観測されなかったことです。そもそも最悪のケースを想定して津波警報を発表しますが、そうならないこともあり得るわけで、その理由について鋭意調査を進めています。中期的に調査をしていきたいと思っております。

関連して、津波警報の発表にもかかわらず避難しなかったと報道されております。できますれば、気象庁が発表した津波警報に適確に対応して避難して頂かないと最悪の場合は人命の失われることもあります。そのようなことの無いようにお願いしたいと思いますし、報道機関の皆様にも周知広報にご協力頂きたいと思っております。

昨年11月15日にも今回と近いところで地震が発生し津波警報を発表しました。かなり長い時間、津波が続き、そのときは三宅島坪田で津波の高さの最大を観測しました。今回も西日本でかなり時間がたってから注意報基準くらいの高さの津波が観測されました。このような長引く津波現象の解明についても技術開発してまいりますが、このようなことがあり得るということを積極的にお知らせすべきであったかと反省材料として考えております。

さて、新年にあたり、今年の一年の抱負、見通しですが、気象庁としては防災に特に力を入れ、新しい台風予報の実施、ドップラーレーダーの整備とそれに伴う情報提供、緊急地震速報の一般への提供開始など様々な施策に取り組んで参ります。その都度、報道機関のみなさまにもお知らせしますので今後ともよろしくお願いいたします。

主な質疑応答

Q 緊急地震速報について、今年中には国民一般への提供が開始すると思いますが、その時期についてはいつくらいだとお考えですか。
A 現在、検討会のご提案に対して国民の皆様からご意見を伺っています。混乱の防止が適確になされるかという点がポイントだろうと思います。8月~9月、今年の秋にかけて提供開始できればと考えています。円滑に提供を開始できるよう関係機関とも協議していくことが大事であると考えています。

Q 当初は平成18年度内ということでしたが、半年あまり遅れることの原因というのは何だったのでしょうか。
A 一番大きいのは、全く新しい情報の提供ですから、単に最初に予定したからと言ってそれに無理に合わせるというよりは、みなさんのご意見を聞きながら、混乱無く提供開始できるようにするのが一番いいと考えています。この調整に時間を要したと考えています。

Q 緊急地震速報の認知度が一割くらいという調査がありますが、気象庁は昨年の11月にようやくパンフレットを作り、モデル地域の決定が11月末と、提供開始を年度末に間に合わせるような取り組みがなされていなかったようにみえるのですが。
A そういうご指摘は真摯に受け止め、もっとしっかり仕事しなければいけないと反省します。ただ、結果的に遅くなったことは良くなかったと思いますが、認知度の向上には、周知啓発の積み重ねをしていくことが第一で、今後、さらに鋭意進めまして、今年の秋までには円滑に提供開始したいと思っております。

Q 先行運用で情報を受け取っている者と、受け取れていない者がいて、それが1年もの差となることについて、どう考えるか。
A まず、情報を混乱なく扱え、受け取りたいと思っている方は、先行提供の対象として情報を受け取ることができますので、特定の人たちだけに閉ざして、他の人を排除しているわけではありません。ただ、一般への提供、劇場や自動車などへは、もっと周知して認知度を上げてから円滑に導入することが重要と検討会の有識者の方々より指摘されています。

Q 受け取りたい人とおっしゃいましたが、それはあくまでもお金を払った人が受け取れるのであって、お金のない人は受け取れない状態が続いている、ですから問題だと指摘しているわけですが、それはどうお考えですか。
A お金の問題というよりは、提供への課題となっていることは、混乱防止という問題をクリアできるかということです。一般への提供になれば、テレビのテロップに出るような状況になります。誰でも嫌でも受けとる状況になれば、そこで何か混乱が生ずることを恐れているわけで、その点はご理解頂きたいと思います。

Q 一般への提供開始を今年度末に目標としていたものが、少なくとも半年遅れてしまうということになりますが、準備不足ということになるのでしょうか。
A 目標からの遅れは、最終的には気象庁の責任ということになりますが、その間関係機関とも協議しながら円滑に実施するための準備を進めてきました。

Q 準備不足とすれば、何が不足と考えか。
A 周知広報が一番大きいと思います。これがまだ足りないということです。

Q 一般国民が受け取れるようになる、その間に、もし、緊急地震速報が大きな効果を発揮するような大きな地震があって、その利用ができれば助かったはずの多くの方が亡くなったという議論も想定されると思うのですが、どういう風にお考えか。
A そういった意見があるということは承知しております。起こってないこと、仮定のことにはお答えできませんが、緊急地震速報が混乱なく有効に使われていくよう、提供開始に向け最善を尽くすだけです。

Q もし起こったらということは考えないというのでは無責任だと思いますけども。行政の責任者として、もしそうなったときにはどうするのですかということに答えてください。
A 考えますが、いまお答えする必要はないと思います。

Q 緊急地震速報の一般への提供開始時期について確認したいのですが、先ほど8月、9月、秋と3つの表現を使われたのですが、いつまでにはやるという意志を表示されてもいいのではないかと思うのですが。
A まさに開始時期を決める最終報告案への意見を募集中で、今は最終報告がまだまとまっていませんので、いつからと決めつけて申し上げることはできないということを理解いただきたいと思います。予定では、2月中に最終報告がとりまとめられれば、案通りならその6か月後、8月から9月頃には提供を開始できるのではないかと考えております。

Q 津波警報の精度について先ほど中期的に調査をしたいとのことでしたが、現時点で、技術的な問題点でこういうところが見えてきているというところがあれば聞かせて頂きたいのですが。
A 津波警報の発表には最も津波の起こりやすいようなケースについて計算した津波シミュレーションのデータベースを用いていますが、今回の地震に即したような岩盤の割れ方をしたときにどうなるのか、という計算などで、予測にどのような違いがあるかの調査を始めています。ただ現時点においては、今回の津波の観測状況を説明できる理由はまだはっきりわかっていません。より精度良く予測できるような技術については、地震学や津波の専門家とも相談し、中期的な目標でもって開発していきたいと思っております。

Q 中期というのは具体的にどういう期間でお考えか。
A 1、2か月でできるようなものではないという意味である程度の時間が必要と考えております。

Q 津波に際しての住民避難に関して、自治体の方で津波注意報なのに避難指示を出したり、前回も含めて勧告が出ていても住民が何もしなかったりと、気象庁の情報が出て行った先の対応の仕方というのもまちまちです。これは、情報を受けた者にどう行動してもらうかということで、関係機関も含めて話し合わなければいけないと思うのですが。
A それは、内閣府で避難のあり方を検討されているとうかがっています。気象庁としても協力して津波予報や情報に伴ってどのような避難をするのかについて議論して頂きたいと思います。そのときに重要になるのは、我々が現時点で出しうる津波警報の精度です。それを開示した上で議論をして頂きたいと思っています。

Q 緊急地震速報の周知広報の部分で足りなかったというお話でしたが、今後は具体的にどのように実施していくのか。どのようにしたら効果が上がるとお考えか。
A あらゆる機会をとらえて周知広報したいと考えています。各気象台からも地域の機関などへ説明させて頂いていますし、機会をとらえて講演会なども開催しています。これを積み重ね、だんだん認知されてくるよう期待します。

Q 津波の件で、11月の時にも1月の時にも三宅島、小笠原など島嶼部で一番高かった訳ですが、こういった島嶼部で最大波高が観測されたことについて何か調査を行っておられるということでよろしいんでしょうか。
A なぜ島嶼部で高くなるかについての大まかな理由はわかっているのですが、詳細に量的な解析ができないかという点で、後続波が周りの海の様々なところから集まったりするので、それを含めて精度よく予測することは技術的になかなか難しいところです。それをどの程度表現できるかが、調査の対象です。




(以上)

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