総64-2 気象審議会第21号諮問に関わる中間報告の審議経過について

総64-2
平成12年2月3日

気象審議会会長 下鶴 大輔 殿

気象審議会 総合計画部会部会長 浅井 冨雄

本部会は、先に付託された「21世紀における気象業務のあり方について」について下記の経過で審議した結果、別添のとおり結論を得たので報告します。なお、別添報告をとりまとめるに当たっては、インターネット等により一般からの意見を公募し参考としました。

1. 中間報告の概要

気象庁は、中央省庁等改革基本法において

  • 「気象庁が行う気象情報の提供は国が行う必要があるものに限定するとともに、気象業務を行う民間事業者に対する規制は必要最小限のものとし、また、気象測器に対する検定等の機能は民間の主体性にゆだねること」

とされている。中間報告は,これらの事項に対する対応のあり方について取りまとめており,その主要な結論は下記のとおりである。

  1. 気象庁が国として提供すべき気象情報
    • 注意報・警報等の防災気象情報
    • 国際的な責務・貢献として作成・発表する気象情報
    • 国の政策等に必要な基盤的情報
    • あまねく国民が享受すべき共有財産としての性格を有する気象情報
  2. 予報業務許可事業者への規制緩和及び気象予報士制度の充実
    • 予報区設定を自由化(これまで局地に限定)
    • 予報期間を1か月まで開放(これまで1週間に限定)
    • 中核的な技術者を確保するための気象予報士制度の充実

2.審議経過及び今後の審議スケジュール

第1回部会(平成11年9月14日(火))

  1. 諮問第21号及び審議スケジュール
  2. 行政改革について
  3. 気象庁の提供すべき気象情報
  4. 予報業務許可制度及び気象予報士制度
  5. 気象庁以外の者の行う観測及び気象測器検定制度、等

第2回部会(平成11年9月30日(木))

  1. 気象庁の提供すべき気象情報
  2. 予報業務許可制度、気象予報士制度等の今後の方向性
  3. 気象測器検定制度の今後の方向性

第3回部会(平成11年10月20日(水))

  1. 中間報告(案)
  2. 中間報告(案)に対する意見募集について
    中間報告(案)公開(11月22日(月)-12月17日(金))

第4回部会(平成11年12月2日(木))

  1. 情報通信等の動向(有識者による講演)

第5回部会(平成12年1月20日(木))

  1. 中間報告(案)について
  2. 衛星による地球観測(有識者による講演)
  3. 気候・環境分野における課題

第6回部会(平成12年2月3日(木))

  1. 予報分野における課題

第7回部会(平成12年3月28日(火))

  1. 地震・火山分野における課題

全般事項の審議

  • 平成12年4~5月(部会開催回数等については,審議の状況を踏まえて決定する。)

答申案作成

  • 平成12年5~6月

気象審議会 総合計画部会(別添1)

気象審議会委員名簿
部会長 浅井 冨雄 東京大学名誉教授
(科学技術振興事業団 研究統括)
委員 石井 和子 アナウンサー
気象予報士会 副会長
石田 瑞穂 防災科学技術研究所
総括地球科学技術研究官
松野 太郎 地球フロンティア研究システムシステム長
柴崎 信三 日本経済新聞社東京本社編集委員
西尾 敏彦 (社)農林水産技術情報協会理事長
中島 健三 (社)全日本航空事業連合会理事長
専門委員 石橋 博良 気象事業振興協議会
(株式会社ウェザーニューズ代表取締役社長)
小縣 方樹 鉄道気象連絡会 副会長
(東日本旅客鉄道株式会社 安全対策部長)
長見 萬里野 (財)日本消費者協会 理事
亀岡 輝雄 気象測器工業会 理事
(株式会社メティック代表取締役)
西郷 從節 株式会社ファミリーマート取締役情報システム本部長
竹下 洋 (社)日本民間放送連盟報道委員会 気象情報専門部会 幹事
(日本テレビ放送網株式会社 報道局設備・システム担当副部長)
田中 正之 東北大学名誉教授
藤吉 洋一郎 日本放送協会 放送総局 解説委員室 解説主幹

気象審議会 諮問第21号(別添2)

諮問第21号

21世紀における気象業務のあり方について

諮問理由

災害の予防、交通安全の確保、産業の興隆等公共の福祉の増進及び国際的な貢献を目的とする気象業務は、これまで気象庁自身による最新の地球科学技術や情報通信技術の成果の導入による予警報等の高度化に加え、関係省庁、地方公共団体、報道機関、民間気象事業者等との連携・協力によって発達してきている。

このような中、

  • 台風・集中豪雨・地震・津波・火山噴火等による自然災害発生に対する国・地方公共団体の防災対策や危機管理体制の強化
  • 社会・経済活動の多様化とグローバル化
  • 地球環境、気候変動、異常気象等地球規模の諸問題の顕在化

といった気象業務をとりまく環境の変化が起こってきている。これらの新たな変化に対応するため、気象・地震・津波・地球環境等の監視・予測技術や情報通信技術の現状や今後の見通し、行政改革、規制緩和、地方分権の推進等の動向を踏まえ、21世紀に向けて気象庁が総合的な気象業務の健全な発達を図ることが必要となってきている。

このため、今回の諮問は、21世紀初頭の10年間程度を展望した中長期的な気象業務のあり方を問うものである。

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