海上警報・予報

海上警報・海上予報とは

 船舶の運行には台風や発達中の低気圧などによる荒天時の安全性のほか、海上輸送における経済性や安全性などの確保が求められます。このため、気象庁では日本近海の船舶向けに低気圧などに関する情報とともに、強風・濃霧・着氷などの海上警報、天気や風向・風速、波の高さなどの海上予報を発表しています。これらの海上警報や海上予報に加えて、津波や火山現象に関する海上警報や海上予報も提供しています。 また、海上警報や海上予報と同じ海域について「風、波、視程(霧)、着氷、天気」の気象要素を格子単位(緯度・経度とも0.5度の格子)の分布図形式で提供する海上分布予報を発表しています。

海上警報の種類

 気象庁では、日本近海について次の表に挙げる現象が発生しているか24時間以内に発生すると予想される場合に海上警報を発表しています。

海上警報の種類 説明
海上台風警報 台風による風が最大風速64ノット以上。 気象庁風力階級表の風力12に相当。
海上暴風警報 最大風速48ノット以上。 気象庁風力階級表の風力10以上に相当。
海上強風警報 最大風速34ノット以上48ノット未満。 気象庁風力階級表の風力8又は9に相当。
海上風警報 最大風速28ノット以上34ノット未満。 気象庁風力階級表の風力7に相当。
海上濃霧警報 視程(水平方向に見通せる距離)0.3海里(約500m)以下(瀬戸内海は0.5海里(約1km以下))。
その他の海上警報 風、霧以外の現象について「海上(現象名)警報」として警報を行うことがあります。(例:海上着氷警報、海上うねり警報など。)

気象庁風力階級表の説明へ

海上警報・海上予報の発表海域

 気象庁は日本近海を12の地方海上予報区に分け、さらにそれぞれの海域を複数の細分海域に分割し、これらの地方海上予報区や細分海域を対象とした海上警報、海上予報を発表しています。

海上警報・海上予報の発表海域

海上警報・海上予報の担当官署

地方海上予報区 細分海域 担当官署
日本海北部及びオホーツク海南部 サハリン東方海上/サハリン西方海上/網走沖/宗谷海峡/北海道西方海上 札幌管区気象台
北海道南方及び東方海上 北海道東方海上/釧路沖/日高沖/津軽海峡/檜山津軽沖 札幌管区気象台
三陸沖 三陸沖東部/三陸沖西部 仙台管区気象台
関東海域 関東海域北部/関東海域南部 気象庁
日本海中部 沿海州南部沖/秋田沖/佐渡沖/能登沖 新潟地方気象台
東海海域 東海海域東部/東海海域西部/東海海域南部 名古屋地方気象台
四国沖及び瀬戸内海 瀬戸内海/四国沖北部/四国沖南部 高松地方気象台
日本海西部 日本海北西部/山陰沖東部及び若狭湾付近/山陰沖西部 大阪管区気象台
対馬海峡 (細分海域なし) 福岡管区気象台
九州西方海上 済州島西海上/長崎西海上/女島南西海上 福岡管区気象台
九州南方海上及び日向灘 日向灘/鹿児島海域/奄美海域 鹿児島地方気象台
沖縄海域 東シナ海南部/沖縄東方海上/沖縄南方海上 沖縄気象台