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風向風速計/観測環境

地上の風を測るための測器は、平らな開けた場所に独立した塔や支柱を建て、地上10mの高さに設置することが標準となっています。しかし、常にこのような理想的な環境に設置できるとは限りません。
ここでは風車型風向風速計の設置に際して考慮すべき事項を示します。


高い樹木や建物の影響

最寄りの建物や樹木からその高さの10倍以上の距離を置いて設置します。

高い樹木や建物の影響

風洞実験による風の乱れ(参考)

風洞実験による風の乱れの一例 (気象研究所における風洞実験から)

風洞実験による風の乱れの状態をタンポポ風向計で示した長時間露出写真


高い位置への設置

開けた場所の確保が困難な場合は、地面から測風塔を建てたり屋上に設置台や支柱を設けます。塔または設置台からは支柱によりさらに2m以上の高い位置に測器を取り付け、風の乱れが観測にできるだけ影響しないようにします。設置する高さは周辺にある建物の高さ、形状、配置を考慮して決定します。測風塔では一般的には最も高い建物の1.3〜1.5倍以上(屋上に支柱を設置する場合はその高さは建物の高さの0.35倍以上)の高さが目安になります。
また、屋上に設置する場合は風の乱れが小さい建物の中心付近に設置します。

高い位置への設置

寒冷地での設置

寒冷地では風向風速計の回転軸が着雪や着氷で凍結しないような対策が必要になります。
例えば、赤外線ランプの光を測器に照射して熱する方法があります。250Wのランプ2〜4灯が目安です。

ランプによる風向風速計の凍結防止対策

方位と水平の確認

風向風速計を設置する際には、取り付け方位と取り付け台の水平を確認します。
方位の確認には正確な地図、南中時刻における太陽の方向、方位磁石などを用います。
取り付け台の水平は水準器により確認します。

設置高さによる風速の変化

風は地面の摩擦を受けるため、一般的に上空では強く地表に近づくにつれて弱くなります。このため、同じ場所であっても風向風速計を設置する高さによって風速の値が異なるため、設置の高さを変更するときなどはデータの取り扱いに注意が必要です。
変化の度合いは地表の粗度(樹木や建物などによる凸凹の程度)や風速の大きさによって違います。一般に地表の粗度が大きいほど、高さによる風速の変化は大きくなります。また、風速が強くなると高さによる変化率は小さくなります。

設置高さによる風速の変化

設置高さによる風速値の一例

約45m離れた位置に設置された高さの異なる風向風速計の風速値の比較を以下に示します。

   

各風速値の2週間の平均値(m/s)

 

設置の高さ(m)

日平均風速値

日最大風速値

日最大瞬間風速値

A点

15.1

1.4

3.8

6.4

B点

49.3

2.6

6.3

7.8

 

高さの比

風速の比

B/A

3.3

1.9

1.7

1.2

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