地球温暖化について




地球温暖化についてまとめているページはありますか?

 地球温暖化をご覧ください。

世界が温暖化したことはどうやってわかりますか?

 地上で観測している気温や海洋の温度、氷河や積雪面積、海氷の減少などの様々な観測の結果からわかります。地上と海面水温から求めた世界全体の平均気温は、100年間で約0.7℃上昇しています。

海洋は温暖化していますか?

 海洋も温暖化しています。10年以上の長期間で地球全体あるいは、太平洋などの広い海域で平均した温度でみると、温暖化していることがはっきりとわかります。ただし、北大西洋の一部の海域では、海洋内部の深層水の流れが十年規模で変動している影響などで温度が低下しているところもあります。

北極や南極の海氷はどのように変化していますか?

 北極域での海氷面積は、10年当たり3.8%で減少しています。また、北極海の冬季の海氷の厚さも1978年から2008年の期間で約1.8m薄くなっています。一方、南極域の海氷の面積は10年当たり1.5%のわずかな増加を示していますが、海氷面積が減少している地域、増加している地域があり、年や場所によるばらつきが大きくなっています。南極域の海氷の厚さは、測定結果が少ないため、減少しているか、増加しているか判断できません。

山岳の氷河は消滅しつつあるのでしょうか?

 世界の多くの山岳地帯では、この数十年間で氷河が消滅しつつあります。氷河の消滅は、カナダ北極圏、ロッキー山脈、アンデス、パタゴニア、ヨーロッパアルプス、天山山脈、南アメリカ・アフリカ・アジアなどの熱帯の山地で報告されています。

大気中に放出された二酸化炭素はどうなるのでしょうか?

 大気中に放出された二酸化炭素は、一部が海洋や陸上の植物(植生)により吸収され、残りが大気中に留まります。1750年から2011年までの人為起源の累積二酸化炭素排出量(555GtC)のうち、約40%が大気中に蓄積(240GtC)し、約30%が海洋で吸収(155GtC)、残り約30%が陸上の生態系に蓄積(160GtC)しています。

※GtC(ギガトン炭素)…炭素換算での排出量。1ギガトン炭素(=10億トン炭素)は、二酸化炭素を構成する炭素が10億トンあることを表す。

二酸化炭素の量を表す時に、含まれる炭素だけの重さ(炭素換算)で表すことがあるのはなぜですか?

 炭素の追跡を簡便にするためです。
 炭素は地球上やその内部を有機化合物や無機化合物など様々な物質に形を変えながら移動していきます(炭素循環)。その際、炭素そのものの重さは変わらないので、炭素だけの重さで数値化した方が計算を行い易くなります。

雲は気候と気候変動にどう影響しますか?

 上層雲はより効果的に赤外線を捉え、地上気温を上昇させます。一方、下層雲は、多くの太陽光を反射し、宇宙空間に返す効果があり、地上気温を低下させます。温暖化とともに雲がどう変化するかは気候モデルにより予測されていますが、地球温暖化を増幅させる可能性が高いと評価されています。ただし、増幅の強さは不確実であるとされています。

エーロゾルは気候にどう影響しますか?

 大気中のエーロゾルは、大気中に浮遊している小さな液体粒子や固体粒子のことを指し、自然起源のものと人為起源のものがあります。エーロゾルは、太陽の光を散乱・吸収して地表に達する日射量を減少させ気温を低下させる効果を持つ一方で、地球から放出された赤外線を吸収・再放出するという温室効果を持っています。さらには雲粒の核として雲の性状を変えることで、間接的に気温に影響する地球の放射収支を変化させる効果も持っています。このため、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書ではエーロゾルは気候変動の要因の中で最も大きな不確実性をもたらしているとされています。ただし、その不確実性を考慮しても、エーロゾルの増加は全体として地球の気温を下げる効果を持つと考えられています。

地球温暖化に伴って日本の梅雨にどのような影響を及ぼしますか?

 地球温暖化に伴って、梅雨明けが遅れることが指摘されています。将来の海面水温分布が変化し、フィリピン付近の対流活動が南東側にシフトすることで亜熱帯高気圧の北上が弱まり、梅雨明けが遅れる可能性や上空の大気の流れの変化が影響する可能性を指摘するなどの様々な研究が行われています。

温室効果とは何ですか?

 地球の大気には二酸化炭素などの温室効果ガスと呼ばれる気体がわずかに含まれています。これらの気体は赤外線を吸収し、再び放出する性質があるため、太陽からの光で暖められた地球の表面から熱放射として放出された赤外線の多くが、大気に吸収され、再び放出された赤外線が地球の表面に吸収されます。これらの過程により、地表面及び地表面付近の大気を暖めることを温室効果と呼びます。大気中の温室効果ガスが増えると温室効果が強まり、地球の表面の気温が高くなります。

温室効果ガスにはどんな種類がありますか?

 人間活動によって増加した主な温室効果ガスには、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスがあります。水蒸気には大きな温室効果がありますが、水蒸気の大気中の濃度は人間活動に直接左右されませんので、人為起源の温室効果ガスとしては扱いません。

二酸化炭素濃度は場所によって違うのですか?

 二酸化炭素濃度は場所によって違います。これは地球全体の空気がよく混ざるまでに時間がかかるためで、都市域などで人間活動により二酸化炭素が放出されると、その付近や風下で濃度は高くなり、森林地帯などで光合成により二酸化炭素が吸収されるとその付近や風下で濃度は低くなります。
 二酸化炭素の放出源は北半球に多く存在するため、北半球中・高緯度で濃度が高く、南半球で低くなっています。

なぜ北半球では春に二酸化炭素濃度が高くなるのでしょうか?

 陸域の植物の光合成が最も活発になる前の時期にあたるためです。
 植物の光合成は、春から秋にかけて活発になり、秋から春には不活発になります。このため、植物による二酸化炭素の大気からの吸収量は夏季に大きく、冬季には小さくなります。一方、動植物の呼吸をはじめとした自然要因や人為起源による二酸化炭素の大気への放出はおおむね年間を通じて一定です。この二酸化炭素の吸収量と放出量をあわせて考えると、北半球中高緯度では一年の中で春頃(3~4月)に濃度が最高となります。その後、夏季にかけて、濃度が一時的に減少します。

二酸化炭素濃度が南半球では北半球より低く、季節変化の幅も小さい理由は?

 北半球と比べて、陸地の人間活動や植物が少ないためです。南半球には陸地が少ないため、人間活動による二酸化炭素の放出源が少なく濃度が低くなっています。また、森林等の植物も少ないため、光合成の変化に伴う季節変化の幅も小さくなっています。

気象庁では、二酸化炭素の観測をどこで行っていますか?

 気象庁では岩手県大船渡市の綾里、東京都小笠原村の南鳥島、沖縄県与那国町の与那国島の3ヶ所で行っています。観測開始は、綾里が1987年、南鳥島が1993年、与那国島が1997年です。

気象庁で観測されている二酸化炭素の濃度は地上からどの程度の高さの濃度ですか?

 気象庁では、二酸化炭素濃度が地表近くでの植物活動や人間活動から受ける影響を小さくするように、地上から約20メートルの高さから取り込まれた空気の二酸化炭素濃度を測定しています。

気象庁では、二酸化炭素の観測をどのくらいの頻度で行っていますか?

 機器の点検等を除き、基本的に連続的に観測しています。観測所周辺の局所的な影響があると考えられるデータを除く等の品質管理を行った後、月平均値を求めています。

このページのトップへ