黄砂・酸性雨について

気象庁が発表する黄砂に関する情報にはどのようなものがありますか?

 気象庁ホームページでは、「黄砂情報(黄砂観測実況図、黄砂予測図)」を毎日公表しています。また、視程の悪化による交通への影響や日常生活に広い範囲で影響を及ぼす黄砂が観測されたり、黄砂予測モデルや天気図等の解析から向こう24時間先までに影響を及ぼすような黄砂が予想された場合には、各地の気象台は、担当予報区内における影響を踏まえて「黄砂に関する地方/府県気象情報」を発表します。黄砂の影響が全国的に広い範囲に及ぶ恐れがある場合には、気象庁予報部が「黄砂に関する全般気象情報」を発表します。黄砂に関する気象情報を発表する場合や、黄砂の動向に特に注意が必要と判断される場合には、「天気予報」の天気概況にも黄砂の状況やこの先の見通しに関する記述を行います。

黄砂の初日(終日)の平年値はいつですか?

 黄砂は一般的に春に多く観測されますが、どの季節にも観測されるため初終日の統計は実施していません。

黄砂が日本に来るのは春だけでしょうか?

 黄砂発生源が乾燥していて上空の風が日本へ向いて吹いているなどの条件が揃えば、春でなくても黄砂が飛来する可能性があります。春に黄砂がよく飛来するのは、黄砂発生源の地面状態の違いが大きく影響していると考えられています。夏から秋は植物が地面を覆っており、冬は土壌の凍結や積雪により、黄砂の発生が抑えられます。これに対し、春先は植物が充分に育っておらず、土壌の凍結や積雪もないため、黄砂の発生する可能性が高くなります。

空がかすみ、ベランダに塵が付着していますが黄砂情報が出ていません。黄砂ではないのですか?

 大陸から黄砂が飛んできていない場合でも、高気圧に覆われて風が弱い時には、大気中に浮遊する細かなちりやほこりが風に飛ばされることなく滞留し、その結果空がかすむことがあります。気象台ではこの現象を「煙霧」として観測しています。

雨は降り始めの時が酸性が強く、だんだんと弱くなると聞きましたが本当なのでしょうか?

 本当です。空気中の二酸化硫黄や窒素酸化物などの酸性物質が溶け込んだ雨が酸性雨ですが、雨の元になる雲が出来る段階で、雲粒の核として酸性物質が溶け込むという仕組みと、雨粒として雲から落ちてくる途中に、空気中に漂っている酸性物質を取り込むという仕組みの二つが合わさって酸性雨になります。二つ目の仕組みは、空気中の酸性物質を雨で洗い流すようなものですから、降り始めほどたくさんの酸性物質が含まれて酸性も強くなります。

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