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ロゴ ~こんにちは!気象庁です!平成28年1月号~

目次

北西太平洋域における海洋内部の海洋酸性化について
気象科学館の年末年始のお休みについて
平成27年11月の地震の状況
平成27年11月の火山の状況
平成27年11月の日本の天候
平成27年11月の世界の天候
平成27年10月の毎日の天気図
リーフレット版「こんにちは!気象庁です!」【PDF形式:約448KB】
内容
北西太平洋域における海洋内部の海洋酸性化について
気象科学館の年末年始のお休みについて

北西太平洋域における海洋内部の海洋酸性化について


 海洋は、産業活動によって大気中に排出された二酸化炭素を吸収することで、地球温暖化の進行を抑制する働きをしています。しかし、二酸化炭素を吸収・蓄積してきたことによって、海水中の水素イオン濃度が上昇(pHが低下)する「海洋酸性化」が顕著に進行しています。一般に海水はpH8程度の弱アルカリ性を示しています。海洋酸性化とはこのpHが低くなっていくことを指し、海水がいきなり酸性(pHが7未満)になってしまうということではありません。海洋酸性化の進行については、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書」や、「世界気象機関(WMO)温室効果ガス年報」において報告され、「もうひとつの二酸化炭素問題」とも呼ばれています。

 気象庁では、これまで東経137度線及び太平洋域における海洋表面の海洋酸性化に関する情報を提供してきました。今回、当庁の海洋気象観測船の観測データに加え、国際的な海洋観測データも取り入れた解析を行い、新たに東経137度線及び東経165度線に沿った海洋内部の酸性化について「海洋の健康診断表」で発表しました。今後は定期的(毎年3月)に内容を更新して発表する予定です。
 北西太平洋域の深さ約150~800mにおける海洋内部でのpHは、東経137度線で10年あたり0.008~0.025、東経165度線で10年あたり0.001~0.031低下しており、いずれの観測線においても北緯15度以北の海洋内部で海洋酸性化が進行していることが分かりました(図)。両観測線とも、北部ほどpHの低下速度が早い傾向がみられます。この結果は、亜熱帯域(北緯20~30度)北部ほど人為起源二酸化炭素蓄積量が多いことと整合がとれています。

 海洋酸性化の進行は、海洋の生態系に大きな影響を与える可能性があります。例えば、海水のpHが低下すると、サンゴやプランクトン、貝類、甲殻類などの殻や骨格の成分である炭酸カルシウムが形成されにくくなります。その結果、海洋における生物多様性の宝庫となっているサンゴ礁では、造礁サンゴの発達や形成が阻害されるとともに、プランクトン、貝類、甲殻類は、小型化するのではないかと考えられています。さらに、食物連鎖の下位に位置するプランクトン類が成長・繁殖しにくい環境になると、食物連鎖のより上位を占める生物、すなわち魚類などの成長・繁殖にも影響が及ぶ可能性があり、ひいては水産業や海洋観光産業などの経済活動へ打撃を与えるおそれもあります。
 また、海洋酸性化によって海洋が大気中の二酸化炭素を吸収する能力が低下する可能性も指摘されています。これは、海水のpHが低下することで、化学的に二酸化炭素が海水に溶けにくくなるためです。その結果、産業活動によって排出された後に大気中に残る二酸化炭素の割合が増え、地球温暖化が加速することが懸念されます。

図 東経137度線及び東経165度線の各緯度における海洋内部での水素イオン濃度指数偏差の長期変化
図 東経137度線及び東経165度線の各緯度における海洋内部での水素イオン濃度指数偏差の長期変化
東経137度線及び東経165度線の各緯度における(深さ約150mから800m)の海洋内部でのpHの平均平年偏差時系列を示します。平年値は1991年から2010年までの平均としています。塗りつぶしは標準偏差の範囲(±1σ)、破線は長期変化傾向を示しています。図中の数字は10年あたりの変化率(低下速度)を示し、”±”以降の数値は変化率に対する95%信頼区間を示しています。


 気象庁では、海洋観測を長期にわたり継続し、二酸化炭素をはじめとして精度の高いデータを取得しています。これらの観測データは、「海洋の健康診断表」で公開しており、国内外の政府・研究機関などで広く利用されています。また、気象庁が長期にわたって取得してきた観測データを用いた研究成果のいくつかは、IPCC第5次評価報告書においても引用されており、地球温暖化をはじめとする気候変動や、海洋酸性化などの地球環境変化の監視・予測研究の進展に貢献しています。

「海洋酸性化」に関する情報
海洋内部のpHの長期変化傾向(北西太平洋)
表面海水中のpHの長期変化傾向(北西太平洋)
表面海水中のpHの長期変化傾向(太平洋)



気象科学館の年末年始のお休みについて

 気象科学館は、平成27年12月29日(火)~平成28年1月3日(日)まで、お休みをいただきます。

 (気象科学館について)
 気象庁では、現在の気象業務や、災害から身を守る方法を知っていただくために、映像や機械の展示などを中心とした「気象科学館」を設けております。
 年末年始を除き、10時~16時まで開館しております。土日、祝日(年末年始を除く)は、気象予報士が説明員として常駐しております。

平成27年11月の地震の状況

平成27年11月の火山の状況

   

平成27年11月の日本の天候

平成27年11月の世界の天候

低緯度域各地の高温

 インド及びその周辺、モーリシャス及びその周辺、中米から南米北部にかけて、オーストラリア北部から東部にかけてなど、低緯度域各地で異常高温となりました。月平均気温は、インド中部のハイデラーバードで25.9℃(平年差+2.2℃)、モーリシャスのロドリゲス島で25.5℃(平年差+1.2℃)、メキシコ北西部のシウダーコンスティチュシオンで24.4℃(平年差+3.7℃)、ブラジル東部のモンテスクラロスで28.5℃(平年差+4.3℃)、オーストラリア北部のテナントクリークで32.4℃(平年差+2.2℃)でした。

ヨーロッパ西部およびその周辺の高温

 ヨーロッパ西部及びその周辺で異常高温となりました。ドイツ南部のシュトゥットガルトでは、月平均気温が7.8℃(平年差+3.1℃)でした。ドイツの月平均気温は、11月としては1881年以降で最も高くなりました(ドイツ気象局)。

インドネシア西部及びその周辺の高温・少雨

 インドネシア西部及びその周辺で異常高温・異常少雨となりました。インドネシア中部のバリクパパン(ボルネオ島)では月平均気温が28.5℃(平年差+1.3℃)、インドネシア中部のバンジャルマシン(ボルネオ島)では月降水量が84mm(平年比28%)でした。

図 月平均気温平年差分布図・月降水量平年比階級分布図

月平均気温平年差分布図 月降水量平年比階級分布図

図をクリックすると、大きな図がご覧になれます。

平成27年10月の毎日の天気図

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