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ロゴ ~こんにちは!気象庁です!平成27年10月号~

目次

エルニーニョ現象発生時の日本の天候
平成27年8月の地震の状況
平成27年8月の火山の状況
平成27年8月の日本の天候
平成27年8月の世界の天候
平成27年7月の毎日の天気図
リーフレット版「こんにちは!気象庁です!」【PDF形式:約436KB】
内容
エルニーニョ現象発生時の日本の天候

エルニーニョ現象発生時の日本の天候


 「エルニーニョ現象が続いている。今後、冬にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高い。」(エルニーニョ監視速報2015年8月10日発表)
 気象庁ではエルニーニョ現象を監視しており、毎月10日頃その状況と見通しについて、エルニーニョ監視速報として発表しています。エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の中部~東部の海面水温が通常より高い状態が続く現象をいいます(図1)。エルニーニョ現象自体は、熱帯のしかも海の変動であり、直接日本の天候に関係するものではありません。ではなぜエルニーニョ現象に注目しているのでしょう。
図1  エルニーニョ現象が発生している時(1997年11月)の海面水温の平年値からの差
図1  エルニーニョ現象が発生している時(1997年11月)の海面水温の平年値からの差(単位は℃、平年値は1981〜2010年の30年間の平均)。
太平洋赤道域の日付変更線付近から南米の沿岸にかけて海面水温が平年より高くなっていることがわかる。

 それは、その海面水温の変動が、間接的に世界各地に平年から偏った天候をもたらす可能性があるからです。そしてそれは日本においても例外ではありません。気象庁では、エルニーニョ現象が発生した時の世界と日本の天候の傾向を統計的に調査した結果をホームページに掲載しています。この調査結果について、今年の7月に統計期間を拡大するとともに統計手法を改善して再新しましたので 、今回はエルニーニョ発生時の夏と冬の特徴についてご紹介します。

 今年の夏もそうでしたが、エルニーニョ現象が発生すると「今年は冷夏になる」といった報道がしばしばなされます。そこで、実際は過去のエルニーニョ現象が発生していた夏はどのような天候があらわれていたのか見てみることにします。まず、「冷夏」とは、夏(6~8月)の平均気温が3階級表現で「低い」夏のことです(同じように「暑夏」とは、夏の平均気温が3階級表現で「高い」夏です)。現在、季節予報等で使っている、「低い」、「平年並」、「高い」の3階級表現では、1981~2010年の30年間でそれぞれの出現回数が同じになるように各階級のしきい値を決めています。しかし、過去の夏が「冷夏」であったか「暑夏」であったかを判断する場合には注意が必要です。それは地球温暖化の影響です。図2は今回統計した1958年から2012年の55年間の西日本の夏平均気温平年差の時系列です。1980年代以前は冷夏の年が多く、近年は暑夏の年が多いことがわかりますが、このように気温が上昇する傾向があるときに、今の平年値で統計をとっても、エルニーニョの影響を評価する上では正しい結論が導けません。今回は統計期間が温暖化の影響を無視できないほど長いので、この影響を除去する処理をして統計しています。

図2 西日本の夏(6~8月)平均気温平年差時系列
図2 西日本の夏(6~8月)平均気温平年差時系列
グラフの赤い領域は、今の平年値で「高い」を、青い領域は「低い」を示す縦軸は平年差(単位は℃、平年値は1981〜2010年の30年間の平均)。横軸は年。赤丸はエルニーニョ現象発生年を示す。


 このようにして1958~2012年のうちエルニーニョ現象が発生した年を取り出し統計すると、夏は低温の割合が最も多くなります(図3)。しかし、これだけでは、本当に多いのか、偶然多かったのかわかりません。たとえば10円玉を100回投げて表が52回出たとしたら、この10円玉は表が出やすいと言えるのでしょうか?あるいは表と裏の出る確率が同じなのに偶然表が多く出ただけなのでしょうか?さらに表が70回出た場合はどうでしょう。
図3 エルニーニョ現象発生時の夏(6〜8月)の気温図4 エルニーニョ現象発生時の冬(12〜2月)の気温の傾向
左:図3 エルニーニョ現象発生時の夏(6〜8月)の気温
右:図4 エルニーニョ現象発生時の冬(12〜2月)の気温の傾向
統計期間1958年~2012年。棒グラフの数字は出現率を示す。地域名の赤い帯と棒グラフの太黒枠は統計的に有意な傾向を示す。


 本当に多いのか、偶然多かったのかを判断する統計学の手法に「統計的検定」があります。今回はこれを利用して、ある階級が出やすい、あるいは出にくいということが偶然ではなく起こる可能性を信頼度90%の水準で調べました(可能性が水準以上の場合、統計的に有意と言います)。その結果、北日本では高くはなりにくい、西日本では低くなりやすいという傾向は統計的に有意であり、偶然ではないらしいことがわかりました。一方、東日本や沖縄・奄美では、低温の出現が多いのですが、この統計だけではその傾向があるとは言いにくい、多かったのは偶然かもしれないということがわかりました。また、低温の出現が統計的に有意な北日本や西日本でも高温になった年もあり、必ずしもエルニーニョ現象だけで天候が決まるわけではないことを示しています。
 次にエルニーニョ現象が発生しているときの冬の気温の統計を示します(図4)。ここからは東日本ではエルニーニョ現象の発生時に「高い」階級になりやすいと言えます。
 大気の変動は、温暖化だけではなく、10年程度の周期で高温期、低温期が繰り返されるような変動があると考えられています。また、エルニーニョ現象の影響の仕方も、年によって違ってきます。「エルニーニョだから冷夏」「エルニーニョだから暖冬」と即断するのではなく、1か月予報、3か月予報、暖寒候期予報といった季節予報を上手に利用していただきたいと思います。

平成27年8月の地震の状況

平成27年8月の火山の状況

   

平成27年8月の日本の天候

平成27年8月の世界の天候

カリブ海周辺の少雨、南米北西部の高温

 カリブ海周辺では4か月連続で異常少雨となりました。ジャマイカのキングストン/ノーマンマレー国際空港では、月降水量が2mm(平年比2%)でした。また、南米の北西部では異常高温となりました。コロンビア北部のバランキジャでは、月平均気温が29.3℃(平年差+1.3℃)でした。

ヨーロッパ東部及びその周辺の少雨

 ヨーロッパ東部及びその周辺で異常少雨となりました。ウクライナのキエフでは、月降水量が3mm(平年比5%)でした。

西アフリカの高温

 西アフリカで異常高温となりました。モーリタニア西部のヌアクショットでは、月平均気温が29.6℃(平年差+1.2℃)でした

図 月平均気温平年差分布図・月降水量平年比階級分布図

月平均気温平年差分布図 月降水量平年比階級分布図

図をクリックすると、大きな図がご覧になれます。

平成27年7月の毎日の天気図

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