キーワードを入力し検索ボタンを押下ください。

ロゴ ~こんにちは!気象庁です!平成27年2月号~

目次

「もうひとつの二酸化炭素問題」に対応するために -太平洋域における海洋酸性化に関する情報提供を開始-
平成26年12月の地震の状況
平成26年12月の火山の状況
平成26年12月の日本の天候
平成26年12月の世界の天候
平成26年11月の毎日の天気図
リーフレット版「こんにちは!気象庁です!」【PDF形式:約374KB】
内容
「もうひとつの二酸化炭素問題」に対応するために -太平洋域における海洋酸性化に関する情報提供を開始-

「もうひとつの二酸化炭素問題」に対応するために -太平洋域における海洋酸性化に関する情報提供を開始-


 海洋は、産業活動によって大気中に排出された二酸化炭素の一部を吸収してきたことから、地球温暖化の進行を緩和する働きをしてきたと考えられています。一方で、海洋に二酸化炭素が蓄積されてきたため、海水中の水素イオン濃度が上昇(pHが低下)するいわゆる「海洋酸性化」が世界規模で進行していることがわかってきました。海水のpHは全球での平均で約8.1の弱アルカリ性を示しています。海洋酸性化とはこのpHが低くなっていくことを指し、海水が酸性(pHが7未満)になることではありません。
 「海洋酸性化」の進行については、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書」や、「世界気象機関(WMO)温室効果ガス年報」において報告され、「もうひとつの二酸化炭素問題」とも呼ばれています。

 気象庁では、これまで「海洋酸性化」について、気象庁の観測船により長年にわたって継続してきた日本列島南方の東経137度線における海洋観測結果を発表してきましたが、今回、当庁による観測データに加え、国内外の機関によって観測されたデータも取り入れ、1990年以降の太平洋域のpHの分布を解析し(図1)、太平洋域の海洋酸性化について「海洋の健康診断表」※で発表しました。今後は定期的(毎年1回)に内容を更新して発表する予定です。

1990年(左図)と2013年(右図)の太平洋の年平均水素イオン濃度指数の分布図
図1 1990年(左図)と2013年(右図)の太平洋の年平均水素イオン濃度指数の分布図
太平洋における表面海水中のpHの年平均分布を示しています。色が暖色系であるほどpHの数値が低いことを示しています。

 太平洋域のpHは、海域による違いはあるものの、1990年以降約0.04(10年あたり0.016)低下しており、海洋酸性化が進行していることが分かりました(図2)。「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は第5次評価報告書で、産業革命前(1750年)から現代にかけてpHが全球平均でおよそ0.1低下したと報告しました。また、今後、大気中の二酸化炭素がさらに増え、海洋に溶け込むことにより、今世紀末までにpHはさらに0.065~0.31低下すると予測しています。今回の解析結果からは、近年の海洋酸性化の進行速度は過去250年間におけるそれより速く、予測されている今世紀末までのpHの低下速度にほぼ相当することが分かりました。

図2 太平洋全域における表面海水中の水素イオン濃度指数偏差の長期変化
図2 太平洋全域における表面海水中の水素イオン濃度指数偏差の長期変化
太平洋における表面海水中のpHの平年偏差時系列を示します。平年値は1990年から2010年までの平均としています。破線は長期変化傾向を示し、図中右上の数字は10年あたりの変化率(減少率)を示しています。

 では、「海洋酸性化」の進行によって、どのような影響があるのでしょうか?
 ひとつは、海洋の生態系に影響を与える可能性が考えられます。例えば、多様な生物の宝庫となっているサンゴ礁では、サンゴの発達や形成が阻害されると考えられています。また、プランクトン、貝類、甲殻類といった生物は、殻や骨格の成分である炭酸カルシウムが溶出し小型化するなどの影響が懸念されています。さらに、食物連鎖の下位に属するこれらの植物プランクトンや小さな動物プランクトン等が成長・繁殖しにくい環境になると、食物連鎖の上位に属する生物、例えば魚類や海生哺乳類などの成長・繁殖にも影響が及ぶ可能性もあります。そのため、水産業や、サンゴ礁等の海洋観光資源に依存する観光産業などの経済活動への影響が懸念されます。人為的な要因による急激な変化には、これらの生物の適応(順化)あるいは進化が追いつかず、個体数の減少や種の絶滅ということにもつながる恐れがあります。
 もうひとつの影響として、海洋が大気中の二酸化炭素を吸収する能力が低下する可能性が指摘されています。その結果として、大気中に留まる二酸化炭素の割合が増え、温暖化が加速することが懸念されています。

 気象庁では、海洋気象観測を長期にわたり継続し、二酸化炭素をはじめとして精度の高いデータを取得しています。これらの観測データは、「海洋の健康診断表」で公開しており、国内外の政府・研究機関などで広く利用されています。また、気象庁が長期にわたって取得してきた観測データを用いた研究成果のいくつかは、IPCC第5次評価報告書においても引用されており、地球温暖化をはじめとする気候変動や、海洋酸性化などの地球環境変化の監視・予測研究の進展に貢献しています。

※【気象庁ホームページ / 海洋の健康診断表】
 http://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/shindan/index.html
 「海洋酸性化」に関する情報
  太平洋:
   http://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/shindan/a_3/pHpac/pH-pac.html
  北西太平洋(東経137度線):
   http://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/shindan/a_3/pHtrend/pH-trend.html

平成26年12月の地震の状況

平成26年12月の火山の状況

   

平成26年12月の日本の天候

平成26年12月の世界の天候

アイスランド〜バルト海沿岸・ヨーロッパ南東部の多雨

 アイスランドからバルト海沿岸とヨーロッパ南東部では異常多雨となりました。月降水量は、アイスランド北部のアキュレイリで158mm(平年比287%)、ドイツ北部のシュレスビヒで221mm(平年比283%)、ルーマニアのブカレストで140mm(平年比317%)でした。

米国西部~メキシコの高温

 米国西部からメキシコ北西部とメキシコ東部及びその周辺では異常高温となりました。月平均気温は、米国のカリフォルニア州サンフランシスコで13.8℃(平年差+3.5℃)、メキシコのメヒコ州トルカデレルドで10.2℃(平年差+1.3℃)でした。

オーストラリア北部の高温

 オーストラリア北部では異常高温となりました。月平均気温は、オーストラリア北部のダーウィンで30.3℃(平年差+1.5℃)でした。

図 月平均気温平年差分布図・月降水量平年比階級分布図

月平均気温平年差分布図 月降水量平年比階級分布図

図をクリックすると、大きな図がご覧になれます。

平成26年11月の毎日の天気図

Adobe Reader

このサイトには、Adobe社Adobe Readerが必要なページがあります。
お持ちでない方は左のアイコンよりダウンロードをお願いいたします。

このページのトップへ