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第4部 最近の気象・地震・火山・地球環境の状況

気象災害、台風など

1節 平成27年(2015年)のまとめ

 平成27年(2015年)は、6月から7月上旬にかけて、梅雨前線が南西諸島や九州付近に停滞した影響で、熊本県や九州南部・奄美地方を中心に大雨による被害が発生しました。その後7月下旬にかけて、台風第9号、台風第11号、台風第12号や梅雨前線の影響で、各地で大雨や暴風となりました。また、9月には、台風第18号等の影響で各地で大雨となり、特に9月9日から11日にかけては、台風第18号から変わった低気圧や台風第17号の影響で、関東地方や東北地方で「平成27年9月関東・東北豪雨」と命名した豪雨が発生しました。

平成27年(2015年)に発生した主な気象災害

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2節 平成27年(2015年)の主な気象災害

(1)梅雨前線及び台風第9号・第11号・第12号による6月2日から7月26日にかけての大雨

 6月2日から7月26日にかけて、日本付近に停滞する梅雨前線の活動が断続的に活発となりました。また、この間、7月9日から10日にかけて、台風第9号が沖縄地方に接近したほか、7月16日から17日にかけて台風第11号が、7月23日から26日にかけて台風第12号が日本に接近し上陸しました。

 台風や前線、暖かく湿った空気の影響で、全国各地で大雨となりました。6月2日から7月26日にかけての総降水量は、宮崎県えびの市えびので2524.5ミリ、鹿児島県鹿屋市吉ケ別府で2351.5ミリ、鹿児島県十島村中之島で2299.5ミリとなるなど、九州南部・奄美地方で総降水量2000ミリを超えました。6月と7月の月別降水量平年値の合計との比較では、鹿児島県伊仙町伊仙で3倍を超えたのをはじめ、鹿児島県を中心に多くの地点で2倍を超え、記録的な大雨となりました。最大1時間降水量は、鹿児島県伊仙町伊仙で114.5ミリ、鹿児島県和泊町沖永良部で101.0ミリとなるなど、九州南部・奄美地方、四国地方及び東北北部で、1時間に80ミリ以上の猛烈な雨を観測したところがありました。また、今期間の大雨により、統計期間が10年以上の観測点のうち、最大1時間降水量について15地点、最大3時間降水量について14地点、最大24時間降水量について12地点、最大48時間降水量について7地点、最大72時間降水量について8地点で、統計開始以来の1位の値を更新しました。

 また、7月9日から10日にかけては、台風第9号が沖縄地方に接近し、沖縄県南城市糸数で33.0メートル、鹿児島県与論町与論島で23.3メートルの最大風速を観測するなど、沖縄・奄美で猛烈な風や非常に強い風を観測しました。7月16日から17日にかけては、台風第11号が、西日本に接近して上陸し、高知県高知市室戸岬で33.9メートル、和歌山県白浜町南紀白浜で25.5メートルの最大風速を観測するなど、四国地方や近畿地方で猛烈な風や非常に強い風を観測しました。7月23日から25日にかけては、台風第12号が沖縄・奄美に接近し、26日には九州の西海上を北上しました。このため、沖縄県南大東村南大東で31.7メートル、鹿児島県奄美市笠利で31.6メートルの最大風速を観測するなど、大東島地方や奄美地方で猛烈な風を観測しました。

 この大雨や暴風等により、土砂災害、浸水害、河川の氾濫等が発生し、甚大な被害となりました。梅雨前線による6月の大雨では、九州を中心に土砂災害や浸水害が相次ぎました。また、台風第11号の影響で、西日本や東日本で土砂災害や河川の氾濫が相次ぎ、兵庫県や埼玉県で死者計2名の人的被害や住家被害が生じたほか、ライフライン、公共施設、農地等への被害及び交通障害が発生しました。さらに、台風第12号の影響で、鹿児島県を中心に浸水害等が発生しました。(※)


※梅雨前線、台風第11号、台風第12号による被害状況は以下のとりまとめによる。

・内閣府

 6月10日から続く梅雨前線等による被害状況等について(平成27年6月12日現在)

 平成27年台風第11号による大雨等に係る被害状況等について(平成27年9月4日現在)

 平成27年台風第12号による大雨等に係る被害状況等について(平成27年7月27日現在)



・国土交通省

 6月10日から続く梅雨前線等による被害状況等について(平成27年6月12日現在)

 6月24日から続く梅雨前線による被害状況等について(平成27年6月29日現在)

 台風第11号による大雨等に係る被害状況等について(平成27年7月24日現在)

 台風第12号による大雨等に係る被害状況等について(平成27年7月27日現在)

・消防庁

 6月10日から続く梅雨前線等による被害状況等について(平成27年6月16日現在)

平成27年6月2日から7月26日までの総降水量分布図
平成27年6月2日から7月26日までの最大1時間降水量分布図

(2)平成27年9月関東・東北豪雨及び台風第18号による大雨

 9月7日21時に沖ノ鳥島の東の海上で発生した台風第18号は、日本の南海上を北上して東海沖へ進み、9日09時過ぎに愛知県渥美半島を通過した後、同日09時半頃に愛知県西尾市付近に上陸しました。その後、台風は引き続き北上して日本海に進み、同日15時に能登沖で温帯低気圧に変わりました。

 台風第18号や前線の影響で、西日本から北日本にかけての広い範囲で大雨となり、特に9月9日から11日にかけては、台風第18号から変わった低気圧に流れ込む南よりの風、後には台風第17号の周辺からの南東風が主体となり、湿った空気が流れ込み続けた影響で、多数の線状降水帯が次々と発生し、関東地方と東北地方では記録的な大雨となりました。

 9月7日から9月11日までに観測された総降水量は、栃木県日光市今市で647.5ミリ、宮城県丸森町筆甫で536.0ミリを観測するなど、関東地方で600ミリ、東北地方で500ミリを超え、9月の月降水量平年値の2倍を超える大雨となったところがありました。特に、9月10日から11日にかけて、栃木県日光市今市や茨城県古河市古河、宮城県仙台市泉区泉ケ岳など関東地方や東北地方では、統計期間が10年以上の観測地点のうち16地点で、最大24時間降水量が観測史上1位の値を更新しました。

 また、台風第18号が接近し上陸した影響で、9月8日から9日にかけて、東日本や北日本を中心に最大風速15メートルを超える強い風を観測し、伊豆諸島や北海道地方では最大風速20メートルを超える非常に強い風を観測したところがありました。10日から11日にかけては台風第18号から変わった温帯低気圧が日本海にとどまり、一方、台風第17号が日本の東海上を北上した影響で、北日本の一部で非常に強い風を観測しました。

茨城県常総市の浸水被害(提供:国土交通省関東地方整備局)

 この大雨や暴風等により、土砂災害、浸水、河川の氾濫等が発生し、宮城県、茨城県及び栃木県で死者8名の人的被害となったほか、関東地方や東北地方を中心に損壊家屋4,000棟以上、浸水家屋12,000棟以上の住家被害が生じました。また、ライフライン、公共施設、農地等への被害及び交通障害が発生しました。(被害状況は、平成27年10月5日現在の内閣府の情報及び平成27年10月1日現在の国土交通省の情報による。)

 気象庁は、9月9日から11日にかけて関東地方及び東北地方で発生し甚大な被害をもたらした大雨について、「平成27年9月関東・東北豪雨」と命名しました。

平成27年9月7日から11日までの総降水量分布図

3節 平成27年(2015年)の台風

 平成27年(2015年)の台風の発生数は平年並の27個(平年25.6個)でした。日本への接近数は平年より多い14個(平年11.4個)でした。上陸は、第11号、第12号、第15号、第18号の4個(平年値2.7個)と平年を上回りました。

 今年の台風発生位置の平均経度は東経149.7度と、台風の統計を開始した1951年以降、最も東となり(平年値は東経136.7度)、また平均緯度は北緯13.4度と、平年より南となりました。

平成27年(2015年)に発生した台風の経路
平成27年(2015年)に発生した台風の一覧

2章 天候、異常気象など

1節 日本の天候

 平成27年(2015年)は、夏から秋の一時期を除き、全国的に高温傾向が続きました。3月は北日本で、5月は北・東日本で、6月と11月は沖縄・奄美で、12月は東日本で記録的な高温となりました。夏から秋にかけては西日本中心に低温の時期があり、西日本では2年連続の冷夏となりました。年平均気温は、全国的に高く、北日本と沖縄・奄美ではかなり高くなりました。

 北・東日本では、8月中旬~9月上旬など日照時間の少ない時期もありましたが、春の後半や秋の中頃に高気圧に覆われ日照時間がかなり多くなりました。このため年間日照時間は北日本と東日本日本海側で多くなりました。年降水量は、梅雨前線の影響を受けにくく夏の降水量がかなり少なかった東日本日本海側では少なくなりましたが、9月に、関東地方や東北地方で記録的な大雨(「平成27年9月関東・東北豪雨」)があった東日本太平洋側では多くなりました。

 西日本では、夏に太平洋高気圧の張り出しが弱く、太平洋側を中心に前線や台風、湿った気流の影響を受けやすかったことや4月と11月に前線や低気圧の影響で記録的な寡照となったことなどから、年降水量は多く、西日本太平洋側ではかなり多くなりました。また、年間日照時間は少なくなりました。

 沖縄・奄美は、年降水量、年間日照時間ともに平年並でした。


平成27年(2015年)の各季節の特徴は以下のとおりです。

① 冬(平成26年12月~平成27年2月)は、12月は全国的に強い寒気が南下したため低温となりましたが、1月以降は沖縄・奄美で低温の時期があったほかは、北日本中心に高温傾向となり、冬の平均気温は、北日本で高く、東日本以西では低くなりました。冬の日本海側の降雪量は少なく、北日本日本海側ではかなり少なくなりましたが、北陸以北の本州の山沿いでは、低気圧の発達に伴って冬型の気圧配置が強まったことから、平年を上回りました。また、北海道を中心に暴風雪となる日がたびたびありました。

② 春は、北・東日本中心に高気圧に覆われ晴れの日が多く、春の日照時間はかなり多くなりました。ただし、4月は上旬を中心に東・西日本太平洋側では前線や低気圧の影響を受けやすく顕著な寡照となりました。また、低気圧が日本の北を通ることが多く、南から暖かい空気が入りやすかったため、春の平均気温は北日本で記録的な高温となるなど全国的に高温となりました。

③ 夏は、西日本では前線や台風、南からの湿った気流の影響を受けやすかったため、太平洋側を中心に降水量が多く、日照時間が少なくなりました。このため、夏の平均気温は低く、2年連続の冷夏となりました。沖縄・奄美でも多雨・寡照となりましたが、6月が記録的な高温だったため、夏の平均気温はかなり高くなりました。北・東日本では、7月中旬から8月上旬にかけて、太平洋高気圧に覆われ顕著な高温となり、北日本では夏の平均気温が高くなりました。また、東日本日本海側では梅雨前線の影響を受けにくく、夏の降水量がかなり少なくなりました。8月中旬以降は、太平洋高気圧の本州付近への張り出しが弱く、全国的に前線や台風、湿った気流の影響を受け、曇りや雨の日が多く、不順な天候となりました。

④ 秋は、北日本から西日本では、8月から引き続き9月上旬は不順な天候となりました。関東地方や東北地方では、台風第18号の上陸、通過や台風第17号の接近の影響で、長時間にわたり湿った気流が入り込んだため、記録的な大雨となり、河川の氾濫など甚大な災害が発生しました(平成27年9月関東・東北豪雨)。9月中旬から10月下旬にかけては、大陸の高気圧に覆われ晴れて、気温は低温傾向となり、日照時間はかなり多くなりました。11月は一転して前線や低気圧の影響を受けやすく、南から暖かい空気が入りやすかったため、気温がかなり高くなり、太平洋側や西日本で日照時間がかなり少なくなりました。沖縄・奄美では、11月は記録的な高温になったことなどから、秋の平均気温はかなり高く、また台風第21号の接近により暴風になったほかは秋を通じて低気圧や台風等の影響を受けにくく、少雨傾向が続いたため、秋の降水量はかなり少なくなりました。

地域平均気温平年差の経過

2節 世界の主な異常気象

図図

 平成27年(2015年)は、北緯30度から南緯30度の低緯度域を中心に、多くの地域で異常高温が頻繁に観測されました(図中①③④⑦⑩⑪⑫⑭⑰⑲⑳㉒㉓)。インド南部のハイデラーバードでは7~12月の6か月平均気温が27.4℃(平年差+2.2℃)、ブラジル東部のモンテスクラロスでは9~12月の4か月平均気温が28.0℃(平年差+3.7℃)でした。

 インドネシア西部及びその周辺と南米北部では異常少雨の月が多く見られました(図中④⑲)。インドネシア中部のバンジャルマシン(ボルネオ島)では9~11月の3か月降水量が113mm(平年比19%)、南米北部コロンビアのバランキジャでは5~9月の5か月降水量が127mm(平年比21%)でした。一方、米国南部からメキシコ中部、パラグアイ及びその周辺では異常多雨の月が多く見られました(図中⑯㉑)。米国のテキサス州コーパスクリスティでは2~5月の4か月降水量が718mm(平年比345%)、パラグアイ中部のコンセプシオンでは11~12月の2か月降水量が803mm(平年比251%)でした。

 インドで5月に、パキスタンで6月に熱波による大きな被害が発生し、死者がそれぞれ2,300人、1,200人を超えました(図中⑥⑧)。インドでは、夏のモンスーン期間である6~9月のほか11~12月にも大雨による被害が発生し(同⑥)、それぞれの期間の死者の合計は850人以上、400人以上となりました。また、米国カリフォルニア州では引き続き干ばつによる森林火災の被害などが伝えられました(同⑮)。カリフォルニア州ロサンゼルスの2015年の年降水量は153mm(平年比48%)でした(年降水量は2013年95mm(平年比30%)、2014年213mm(平年比66%))。

 (※)災害の記述は、米国国際開発庁海外災害援助局とルーベンカトリック大学災害疫学研究所(ベルギー)が共同で運用する災害データベース(EM-DAT)や各国の政府機関、国連機関の発表等に基づいています。


3節 平均気温

 平成27年(2015年)の世界の年平均気温の昭和56年(1981年)~平成22年(2010年)の30年平均を基準とした偏差(図の注参照)は+0.42℃(20世紀平均を基準とした偏差は+0.78℃)で、明治24年(1891年)以降、最も高い値となりました。世界の年平均気温は、長期的には100年当たり約0.71℃の割合で上昇しており、特に1990年代半ば以降、高温となる年が頻出しています。

 平成27年の日本の年平均気温の昭和56年(1981年)~平成22年(2010年)の30年平均を基準とした偏差は+0.69℃(20世紀平均を基準とした偏差は+1.23℃)で、明治31年(1898年)以降、4番目に高い値となりました。日本の年平均気温は、長期的には100年当たり約1.16℃の割合で上昇しており、特に1990年代以降、高温となる年が頻出しています。

世界と日本の年平均気温偏差

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4節 大気中の二酸化炭素

 二酸化炭素は、人為起源の温室効果ガスの中で地球温暖化に最も大きな影響を与えます。大気中の二酸化炭素の濃度は、工業化(18世紀後半)以前の過去約2000年間は278ppm程度でしたが、その後の産業活動などによる化石燃料の消費や森林破壊などの人間活動に伴って、世界的に増加の一途をたどっています。平成26年(2014年)の二酸化炭素の世界平均濃度は397.7ppmでこれまでの最高値を更新し、平成16年(2004年)から平成26年(2014年)までの10年間で、世界平均濃度は1年あたり約2.1ppm増加しています。緯度帯別の二酸化炭素月平均濃度の経年変化を見ると、北半球の中・高緯度帯の方が南半球よりも大きな季節変動をしており、また年平均濃度も高くなっています。これは、二酸化炭素の吸収源(森林など)・放出源(化石燃料消費など)のどちらも北半球に多く存在するためです。

 気象庁は二酸化炭素をはじめとする様々な温室効果ガスの濃度を観測するとともに、世界気象機関(WMO) 温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)を運営し、世界中で観測された温室効果ガスのデータを収集・解析しています。

緯度帯別の大気中の二酸化炭素濃度の経年変化

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5節 温室効果ガスとしてのハロカーボン類

 塩素などを含む炭素化合物の総称であるハロカーボン類は、強い温室効果を持ち、冷媒や溶剤として20世紀中頃から大量に生産・消費されてきました。大気中の濃度はとても低いものの、物質によっては同濃度の二酸化炭素の数千倍を超える温室効果をもたらします。その中でも、オゾン層破壊物質でもあるクロロフルオロカーボン類(いわゆるフロン類:CFC-11,CFC-12,CFC-113)、四塩化炭素(CCl4)、トリクロロエタン(CH3CCl3)は、1987年に採択されたモントリオール議定書による生産等の規制の効果により、大気中の濃度は近年減少傾向にあります。

 一方で、代替フロンとして使用が増加しているハイドロクロロフルオロカーボン類(HCFCs)やハイドロフルオロカーボン類(HFCs)は、今のところ量は少ないものの急速に増えつつあります。

ハロカーボン類の世界平均濃度の経年変化

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6節 海面水温

 平成27年(2015年)の世界の年平均海面水温の平年差(昭和56年(1981年)~平成22年(2010年)までの30年平均値からの差)は+0.30℃で、統計を開始した明治24年(1891年)以降、最も高い値となりました。世界の年平均海面水温は、数年から数十年に及ぶ時間スケールの海洋・大気の変動や地球温暖化等の影響が重なりながら変化していますが、長期的には100年あたり0.52℃の割合で上昇しています。数年から数十年の時間スケールでは、1970年代半ばから2000年前後にかけて顕著な上昇が見られた後、近年は停滞しています。2014年に続いて2015年にも統計開始以降最も高い値となったことから、近年の停滞が終息するかどうか注目されています。

 平成23年(2011年)春にラニーニャ現象が終息した後、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生しない状態が続いていましたが、平成26年(2014年)の夏に発生したエルニーニョ現象が2015年も継続し、特に春以降の発達が顕著となりました。世界の年平均海面水温の平年差の最高記録更新には、このエルニーニョ現象の発生、発達も寄与していたと考えられます。

 日本近海の海面水温は、1~2月は平年より低く、本州東方、日本海中部では3~4月も引き続き平年より低くなっていました。5~6月は概ね平年より高くなっていましたが、東海沖では平年より低くなっていました。7月は日本の南と東シナ海で平年より低く、8月は概ね平年より高く、9~10月は日本の東や日本海南部、東海沖で平年より低くなっていました。11~12月は沖縄の南から日本の南にかけて平年よりかなり高い海域が広がっていました。釧路沖では5月以降平年より高くなっていました。

世界の年平均海面水温

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エルニーニョ監視海域の海面水温の変化

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7節 海洋中の二酸化炭素

 海洋は、人間活動により放出された二酸化炭素の約3分の1を吸収していると見積もられており、地球温暖化の進行を緩和しています。気象庁の海洋気象観測船「凌風丸」と「啓風丸」は、昭和59年(1984年)から30年以上にわたって北西太平洋で表面海水中と大気中の二酸化炭素濃度を観測しています。東経137度線に沿った日本の南から赤道域までの海域においては、毎年冬季(1~2月)に表面海水中の二酸化炭素濃度が大気中の濃度より低いことが観測されており、海洋が大気中の二酸化炭素を吸収しています。また、北緯7度から33度で平均した二酸化炭素濃度は、昭和59年(1984年)から平成27年(2015年)まででみて、表面海水中で1年に1.6ppm、大気中で1年に1.8ppmの割合で増加しています。

冬季の東経137度線に沿った表面海水中と大気中の二酸化炭素濃度(北緯7度~33度での平均)の経年変化

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8節 オホーツク海の海氷

 オホーツク海の海氷域面積は、平成27年(2015年)12月から平成28年(2016年)3月まで平年並か平年より小さく推移し、シーズンの最大海氷域面積は116.48万平方キロメートルで平年と同じでした。

 一方、オホーツク海南部では海氷域は平年並に南下しましたが、網走の流氷初日(海岸から流氷が観測された最初の日)は平年より7日遅い1月28日、網走の流氷接岸初日は平年より20日遅い2月22日で、昭和34年(1959年)の統計開始か ら流氷接岸初日を観測した中で最も遅い日となりました。稚内で流氷を観測したのは3月4日のみで、平年より19日遅い流氷初日、平年より8日早い流氷終日でした。網走の海明け(海氷の占める割合が5割以下になり船舶の航行が可能になった最初の日)は平年より20日早い2月28日、流氷終日は平年より24日早い3月18日でした。なお、釧路では流氷が観測されませんでした。

 オホーツク海の海氷域面積は年ごとに大きく変動していますが、最大海氷域面積は昭和46年(1971年)の統計開始以来、10年当たり7.1万平方キロメートル(オホーツク海の全面積の4.5%に相当)の割合で減少しています。

平成28年2月29日(最も拡大した日)の海氷域

3章 地震活動

1節 日本及びその周辺の地震活動

 平成27年(2015年)に震度5弱以上を観測した地震は10回(平成26年は9回)、震度1以上を観測した地震は1,842回(平成26年は2,052回)でした。5月30日に発生した小笠原諸島西方沖の地震をはじめ、国内で被害を伴った地震は6回(平成26年は7回)でした。また、日本及びその周辺で発生した地震でマグニチュード6.0以上の地震は18回(平成26年は15回)でした。

 主な地震活動は下図及び次ページの表のとおりです。

「マグニチュード6.0以上」、「被害を伴った」、「震度4以上を観測した」、「津波を観測した」のいずれかに該当する地震の震央分布(平成27年)
「マグニチュード6.0以上」、「被害を伴った」、「震度4以上を観測した」、「津波を観測した」のいずれかに該当する地震(平成27年)

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2節 世界の地震活動

 平成27年(2015年)に発生したマグニチュード7.0以上または死者(行方不明者を含む)を伴った地震は27回(平成26年は26回)でした。また、マグニチュード8.0以上の地震は2回(平成26年は1回)でした。最も規模の大きかった地震は、9月17日にチリ中部沿岸で発生したMw8.3の地震でした。海外の地震により日本で津波を観測したのはこの1回でした。

 主な地震活動は表のとおりです。

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4章 火山活動

 平成27年(2015年)の日本の主な火山活動は以下のとおりです。そのほかの最新の火山活動のとりまとめについては、気象庁ホームページに掲載している火山活動解説資料をご覧ください(http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/monthly_v-act_doc/monthly_vact.htmまたは、「気象庁火山活動解説資料」を検索)。

○雌阿寒岳(北海道)

 雌阿寒岳では、ポンマチネシリ火口付近の浅い所を震源とする微小な火山性地震が度々増加し、火山活動に高まりがみられていました。上空からの観測(国土交通省北海道開発局の協力による)や現地調査でポンマチネシリ第3・第4火口で地熱域が拡大し、96-1火口の噴煙の勢いが増大しているのが認められたことなどから、7月28日16時00分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げました。その後、火山性地震は8月に入り徐々に減少し、また、11月の現地調査では、地熱域のさらなる拡大等は観測されず、過去の活動と比較して熱活動の高まりは小規模なものに留まっていたことから、11月13日14時00分に噴火予報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げました。

○十勝岳(北海道)

 十勝岳では、ここ数年、山体浅部の膨張や大正火口の噴煙量増加及び地震増加、火山性微動の発生、発光現象などが観測されており、火山活動に高まりがみられていました。平成26年11月頃から12月頃にかけて、山体浅部の膨張によるとみられる地殻変動の変化率や常時微動の振幅レベルの増大などがみられ、ごく小規模な水蒸気噴火の発生する可能性が高まりましたが、その後、これらの活動は低下する傾向がみられ、平成27年2月24日18時00分に噴火予報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(平常)に引き下げました。

○蔵王山(宮城県、山形県)

 蔵王山では、4月7日以降、御釜付近が震源と推定される微小な火山性地震が増加し、火山性微動が発生するなど火山活動が活発となり、4月13日13時30分に火口周辺警報を発表し、噴火予報(平常)から火口周辺警報(火口周辺危険)に引き上げました。その後、5月下旬以降、地震は少ない状態で経過し、現地調査や上空からの観測等では、御釜周辺と丸山沢噴気地熱地帯をはじめ想定火口域(馬の背カルデラ)内に特段の変化は確認されていないことから、6月16日09時00分に噴火予報を発表し、火口周辺警報(火口周辺危険)から噴火予報(活火山であることに留意)に引き下げました。

○吾妻山(福島県)

 吾妻山では、大穴火口の噴気活動は引き続きやや活発な状態で経過しました。1月と3月の上空からの観測(陸上自衛隊及び福島県の協力による)では、大穴火口外で地熱域が拡大しており、現地調査でも大穴火口内及びその周辺で地熱域を引き続き確認し、一切経山西側の登山道沿いで弱い噴気を観測しました。火山性微動は3回発生し、火山性地震は、増減を繰り返しながらやや多い状態で経過していましたが、10月以降は少ない状態で経過しました。浄土平の傾斜計では、6月頃まで西側(火口方向側)上がりの変動で推移し7月頃から停滞していましたが、9月後半から西側下がりの傾向となり、また、GNSS連続観測では、一切経山付近の膨張を示す緩やかな変化がみられていましたが、6月頃から停滞しました。これらのことから、平成26年12月以降、噴火警戒レベル2を継続しました。

○草津白根山(群馬県)

 草津白根山では、平成26年4月頃から湯釜付近の膨張を示す地殻変動が認められていました。この地殻変動は、平成27年4月頃より鈍化しましたが、湯釜火口内北東部や北壁及び水釜火口の北から北東側にかけての斜面で熱活動の活発な状態が継続しており、東京工業大学によると北側噴気地帯のガス組成及び湯釜湖水の化学成分にも火山活動の活発化を示す変化が継続しました。これらのことから、平成26年6月以降、噴火警戒レベル2を継続しました。

○浅間山(長野県、群馬県)

 浅間山では、火口直下のごく浅い所を震源とする体に感じない火山性地震が平成26年頃から長期的に増加傾向となっており、4月頃からさらに増加しました。また、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、6月8日の観測で1日あたり500トンから、11日の観測で1,700トンと急増したことから、同日15時30分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げました。

 その後、6月16日及び19日に山頂火口でごく小規模な噴火が発生しました。浅間山で噴火が発生したのは、平成21年5月27日以来です。

 噴煙量は6月以降増加しています。また、山頂火口では、6月以降夜間に高感度カメラで確認できる程度の微弱な火映を時々観測しました。

 山頂火口からの火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、6月25日の観測では1日あたり5,600トン(平成14年7月4日の観測開始以降、最高値)とさらに増加し、その後も1日あたり概ね1,000トン~2,000トンと引き続き多い状態で経過しましたが、12月には一日あたり600トン~900トンに減少しました。

○御嶽山(岐阜県、長野県)

 平成26年9月27日に噴火した御嶽山では、直ちに火口周辺警報を発表し噴火警戒レベル3に引き上げました。その後、火山活動は次第に低下し、平成26年9月27日と同程度の噴火の可能性は低下していると考えられることから、平成27年1月19日17時00分に噴火警戒レベル3(入山規制)を継続しつつ、警戒の必要な範囲を山頂火口から概ね4キロメートルから概ね3キロメートルに縮小しました。その後、3月31日10時00分に警戒の必要な範囲を火口から概ね3キロメートルから概ね2キロメートル及び南西側のみ2.5キロメートルに更に縮小しました。その後、6月26日17時00分には、噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げ、警戒の必要な範囲を火口から概ね1キロメートルとしました。

御嶽山の警戒が必要な範囲

○箱根山(神奈川県、静岡県)

 箱根山では、4月26日以降、地震回数が増加し、4月下旬頃からは火山活動に関連するとみられる地殻変動も観測されました。5月3日からは大涌谷温泉供給施設の蒸気の噴出量が増大し、5月5日には箱根町湯本で震度1を観測する地震が3回発生しました。このように火山活動が活発になったことから、5月6日06時00分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを1(平常)から2(火口周辺規制)に引き上げました。その後も火山性地震の多い状態が継続しました。

 6月29日07時32分には傾斜変動を伴う継続時間約5分間の火山性微動を観測した後、火山性地震が増加し、同日、神奈川県温泉地学研究所及び気象庁の機動観測班が行った現地調査では、大涌谷の噴気の増加と新たな噴気孔を確認しました。30日には、大涌谷で29日に確認した新たな噴気孔の周囲において、火山灰等の噴出物の堆積による盛り上がりを確認し、また、ロープウェイ大涌谷駅付近で降灰を確認したことから、大涌谷でごく小規模な噴火が発生したと判断しました。この噴火の発生を受け、同日12時30分、大涌谷周辺の想定火口域から700メートル程度の範囲を警戒が必要な範囲とする火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)へ引き上げました。また、6月29日16時から7月1日にかけて、断続的に空振を観測し、空振が多発する前後で火口の生成や拡大が認められ、降灰も確認したことなどから、ごく小規模な噴火が断続的に発生していたものと考えられます。

 その後、噴火はみられず、火山性地震は少ない状態で経過し、火山性微動も6月29日の発生以降は観測されず、また、GNSS観測等により山体膨張が停止したものと考えられたことから、9月11日14時00分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げました。

 以降も火山性地震の活動は低下傾向が継続し、4月下旬以前の状態となったことから、11月20日14時00分に火口周辺警報を解除し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げました。

○西之島(東京都)

 平成25年11月20日に海上自衛隊と海上保安庁により噴火が確認された西之島では、噴火及び溶岩の流出が継続し、新たに形成された陸地の拡大を確認しました。

 その後も噴火活動が継続し、西之島周辺の海底で噴火が発生する可能性も引き続き考えられたことから、平成27年2月24日18時00分に火口周辺警報(入山危険)及び火山現象に関する海上警報を切り替え、西之島周辺での警戒が必要な範囲を島の中心から概ね4キロメートルとしました。

 それ以降も活発な噴火活動を確認していましたが、12月22日に海上保安庁が実施した上空からの観測では、調査中(13時45分~14時45分)に第7火口及びその他の場所からの噴火は観測されず、新たな溶岩流は認められませんでした。

○硫黄島(東京都)

 8月7日に島北部の北の鼻の海岸付近で断続的にごく小規模な噴火が発生しました。また、島北西部の井戸ヶ浜では、5月22日、24日及び6月20日に最大100~200メートルの水蒸気の噴出を観測しました。

 GNSS観測によると、地殻変動は隆起・停滞を繰り返しており、平成26年以降は、島の北部ほど隆起が大きい状態が継続しています。地震活動は、概ね低調に経過しました。

○阿蘇山(熊本県)

 平成26年11月25日に始まった連続的なマグマ噴火は、平成27年5月21日まで断続的に続きました。その後、8月8日から時々ごく小規模な噴火が発生していました。

図図

 その後、9月14日09時43分に火砕流を伴う噴火が発生しました。この噴火では、灰色の噴煙が火口縁上2,000メートルまで上がり北西方向へ流れ、また、噴火に伴い小規模な火砕流が火口周辺に流下し、弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口周辺に飛散するのを確認しました。そのため直ちに噴火速報を発表するととも に、火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)からレベル3(入山規制)に引き上げました。

 9月14日の噴火以降、10月23日まで噴火が継続しましたが、その後、噴火は発生しておらず、火山性微動の振幅は概ね小さな状態となり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も10月下旬にはやや減少傾向がみられたことから、11月24日14時00分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げました。

 その後、12月7日に、ごく小規模な噴火が発生した他、12月25日にも噴火が発生したものとみられます。

○霧島山(新燃岳)(宮崎県、鹿児島県)

 新燃岳では、火山性地震が3月から5月と10月、12月にやや増加しましたが、噴火はありませんでした。GNSS連続観測によると、新燃岳の北西数キロメートルの地下深くにあると考えられるマグマだまりの膨張を示す地殻変動は、平成25年12月頃から伸びの傾向がみられていましたが、平成27年1月頃から停滞しました。また、新燃岳周辺の一部の基線では、5月頃からわずかに伸びの傾向がみられていましたが、10月頃から停滞しました。

○霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)(宮崎県、鹿児島県)

 平成25年12月頃から火山性地震の多い状態が続いていましたが、平成27年4月頃から少ない状態となり、5月1日10時00分に噴火予報を発表し、火口周辺警報(火口周辺危険)から噴火予報(平常)に引き下げました。

 7月以降は、火山性地震が時々増加し、振幅の小さな火山性微動が時々発生しました。12月14日以降の現地調査では、硫黄山火口内の南西側で弱い噴気と硫化水素臭を確認しました。また、赤外熱映像装置による観測では、噴気を確認した付近で熱異常域を確認し、12月21日及び28日に実施した現地調査では、熱異常域がわずかに拡大しているのを確認しました。

○桜島(鹿児島県)

 桜島の昭和火口では、6月までは活発な噴火活動がみられましたが、7月以降は活動が低下していましたが、8月15日07時頃から、島内を震源とする地震が多発し、桜島島内に設置している傾斜計及び伸縮計では山体膨張を示す急激な地殻変動が観測されました。そのため、同日10時15分に噴火警報(居住地域)を 発表し、噴火警戒レベルを3(入山規制)から4(避難準備)に引き上げました。その後、火山性地震は16日以降急激に減少し、傾斜計や衛星による地殻変動の観測結果で17日以降に地盤の隆起はみられず、南岳の地下に貫入したマグマの浅部への上昇は停止したものと考えられたことから、9月1日16時00分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを3(入山規制)に引き下げました。

 その後、噴火は11月2日のごく小規模な噴火以降は発生せず、また、10月以降、火山性地震及び火山性微動は少ない状態が続き、山体の膨張を示す地殻変動もみられず、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も1日あたり100トン以下と少なくなったことから、11月25日11時00分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)に引き下げました。

○口永良部島(鹿児島県)

 ⇒トピックスを参照ください。

○諏訪之瀬島(鹿児島県)

 御岳火口では、噴火が繰り返し発生しており、爆発的噴火は107回で、前年(平成26年:49回)と比べて増加しました。4月11日10時16分に発生した爆発的噴火では、灰白色の噴煙が最高で火口縁上1,700 メートルまで上がりました。


 (※平成27年5月から噴火予報におけるキーワードをこれまでの「平常」から「活火山であることに留意」に変更しました(トピックス参照))


5章 黄砂、紫外線など

1節 黄砂

 気象庁では、国内60か所(平成28年(2016年)3月31日現在)の気象台や測候所で、職員が目視により大気現象として黄砂を観測しています。統計を開始した昭和42年(1967年)から平成27年(2015年)までに黄砂観測日数が最も多かったのは、平成14年(2002年)の47日です。平成27年(2015年)の黄砂観測日数は18日(平年は24.2日)でした。黄砂観測日数は、昭和42年(1967年)から平成27年(2015年)の統計期間では増加傾向が見られます。しかしながら、年ごとの変動が大きいことから、長期的な変化傾向を確実に捉えるには今後の観測データの蓄積が必要です。

日本における年別の黄砂観測日数(昭和42年(1967年)~平成27年(2015年))

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 日本への黄砂の飛来は、例年3月~5月に集中しています。この時期は、①黄砂発生源となっている地域で砂を覆う積雪がなくなる一方、まだ植物が芽吹いていないため乾燥した裸地となっており、砂じんが舞い上がりやすい状態であること、②砂を舞い上げ、運ぶ強風の原因となる低気圧が通る頻度の高い季節であること、から黄砂が多く飛来します。この時期以外にも、黄砂発生源が乾燥していて上空の風が日本へ向いて吹いているなどの条件がそろえば、日本に黄砂が飛来します。

 平成27年(2015年)の月別黄砂観測日数は、3月から5月にかけては平年を下回りましたが、2月と6月は平年を上回りました。

平成27年(2015年)の月別黄砂観測日数

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2節 オゾン層・紫外線

 国内のオゾン全量は、1980年代を中心に札幌、つくばで減少が進みましたが、1990年代半ば以降、国内では緩やかな増加傾向がみられます(第1部3章3節「環境気象情報の発表」参照)。また、南極域では1980年代初め頃からオゾンホールが観測されており、平成27年(2015年)のオゾンホールは、10月9日にこの年の最大面積である2,780万平方キロメートル(南極大陸の面積の約2倍)まで発達し、12月下旬に消滅しました。この面積は、衛星観測を開始した1979年以降で第4位の規模の大きさです(コラム「2015年の南極オゾンホールが第4位の規模に」参照)。

南極オゾンホール

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 国内の紅斑(こうはん)紫外線量は、観測を開始した1990年代はじめから緩やかな増加傾向がみられます。一般に、上空のオゾン量の減少に伴って地表に到達する紫外線は増加しますが、この期間、国内ではオゾン量の減少は観測されていません。紫外線を散乱・吸収する大気中の微粒子の減少や天候の変化(雲量の減少)などが紅斑紫外線量の増加の原因と考えられています。

日本国内の紅斑紫外線量年積算値の経年変化

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3節 日射と赤外放射

 気象庁では、日射と赤外放射について地球環境や気候への影響を把握するため国内5地点(札幌、つくば、福岡、南鳥島、石垣島)で精密な日射放射観測を行い、全天日射、直達日射、散乱日射および下向き赤外放射の経年変化を監視しています。

 世界の多くの地域における全天日射量は、1960年頃から1980年代後半まで減少し、1980年代後半から2000年頃まで急激に増加し、その後は大きな変化が見られないという傾向が報告されています。

 日本における変化傾向(国内5地点平均)を見ると、1970年代後半から1990年頃にかけて急激に減少し、1990年頃から2000年代初めにかけては急激に増加しました。その後は、大きな変化は見られません。これは、世界的な変化傾向とほぼ整合しています。

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