航空交通管理のための気象情報

 空港で雷雨が発生すると、着陸ができなくなって航空機が空中で待機したり、長引くと他の空港へ着陸したりすることがあります。また、航空路上に雷雲があると、回避するために飛行ルートを変更することがあります。

気象に影響を受ける航空機の流れ

 このため、航空機の流れを円滑に保ち、空の交通を計画的に管理する国土交通省航空局の航空交通管理(ATM)センターが福岡県福岡市に設置されています。気象庁もATMセンター内に航空交通気象センター(ATMetC)を設置し、航空交通を管理する担当官(以下「ATM担当官」という。)と同じ運用室において、航空交通に影響を与える気象情報の提供を24時間体制で行っています。ATM担当官はこれらの気象情報を、安全で円滑な航空交通の流れを確保するために、航空機の出発時刻や飛行ルートの調整などに活用しています。

 ATMetCの業務内容は大きく分けて次の二つです。

  • ブリーフィング(口頭による気象解説)
  • 予測情報の作成・提供

ブリーフィング(口頭による気象解説)

 ATMetCでは、ATM担当官に対して、航空交通へ影響する悪天などの実況及び今後の予想(発生や終了)について、口頭による気象解説を行っており、これを「ブリーフィング」と呼んでいます。

 ブリーフィングは定時に実施しますが、必要に応じ臨時にブリーフィングを行います。臨時のブリーフィングは、ATM担当官からの要求により実施するほか、予報担当者は常に航空交通に影響を及ぼす気象現象の監視・予測を行っており、予報担当者が航空交通への影響があるなど必要と判断したときは、自らATM担当官の席に出向いてブリーフィングを行っています。

予測情報の作成・提供

 予測情報は概ね6時間先までの航空交通に影響する気象の状況について、主要な空港や空域を対象に予想し、図や表によってATMセンター内外の関係者に情報共有されていて、航空交通管理に役立てられています。